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テレビ番組・情報

【ブレイクスルー】濃野友紀のフィンガービジョン「人間を超えるロボットハンド」の革新技術

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2025年7月19日に放送されたテレビ東京系「ブレイクスルー」では、作家・相場英雄氏がフィンガービジョン社長の濃野友紀氏を取材し、画像解析技術によって人間の手の感覚を再現する革新的なロボットハンドの開発について詳しく紹介されました。従来のセンサーに頼らない独自のアプローチで、製造業の自動化に新たな可能性をもたらすこの技術について、番組内容を基に詳しく解説します。

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フィンガービジョンのロボットハンドとは?濃野友紀が実現した感覚技術

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株式会社FingerVisionの濃野友紀社長                                        (引用:「ブレイクスルー」より)

フィンガービジョンが開発するロボットハンドの最大の特徴は、人間の手が持つ「触覚」を画像解析技術だけで再現している点です。濃野友紀社長は番組内で「実は、このロボットの手の中に触覚の機能が入っています」と説明し、従来の産業用ロボットとは根本的に異なるアプローチを採用していることを明かしました。

この技術により、ロボットハンドは唐揚げのような大きさや形、硬さがバラバラな食材でも、人間と同じように「落ちそうになったら少し強く掴む」という瞬時の判断と調整を行うことができます。番組では実際に、ロボットが唐揚げを掴み損ねた際に自動的に取り直しをする様子が紹介され、その精度の高さが実証されました。

2021年10月に設立されたフィンガービジョンは、2023年にはシリーズAラウンドで4.1億円の資金調達を実施し、さらに2025年のCES(Consumer Electronics Show)ではInnovation Awards®を受賞するなど、その技術力は国際的にも高く評価されています。

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画像解析だけで触覚を再現!従来センサーに頼らない革新的仕組み

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ロボットハンド(引用:「ブレイクスルー」より)

フィンガービジョンの革新性は、従来のロボットが必要としていた複雑で高価なセンサーを一切使わず、カメラと画像処理技術だけで触覚を実現している点にあります。濃野社長は「ロボットの手が、こういった形で目がついてる」と説明し、ロボットハンドに内蔵されたカメラが核となる技術であることを示しました。

この仕組みでは、食品に接する部分に描かれた黒いドットをカメラで撮影し、そのドットの位置変化を解析することで二つの重要な情報を取得します。一つは「力の分布」で、ドットが押されてカメラに近づけば圧力を、ドットがずれれば力の方向を知ることができます。もう一つは「滑りの分布」で、摩擦力が弱い部分はピンク色に変化し、滑っている場所を瞬時に把握できるのです。

特筆すべきは、この技術が1秒間に60回という高速での計算処理を行い、リアルタイムでロボットハンドの力加減を調整している点です。濃野社長は「AIといったような学習っていう行為をしてない」と説明し、その場その場で判断する即座の対応能力こそが、この技術の真価であることを強調しました。

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山口明彦CTOとの技術開発・カーネギーメロン大学での研究背景

フィンガービジョンの技術開発を支えているのが、CTO(最高技術責任者)の山口明彦氏です。番組では濃野社長が「私の相棒の山口明彦CTOさん」と紹介し、技術の目利きと最先端の研究者がタッグを組んで立ち上げた経緯が明かされました。

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株式会社 FingerVisionの山口明彦CTO               (引用:「ブレイクスルー」より)

山口CTOは、ロボティクスやAI分野で世界トップレベルを誇るアメリカのカーネギーメロン大学でロボットハンドの研究を進めており、現在は東北大学の助教も務めています。この画像を基にした触覚再現技術は、山口氏がカーネギーメロン大学在籍時から研究を続けてきた技術で、濃野社長は「この画像をもとに触覚を再現するっていうアプローチ自体は、研究の分野であれば20年とか30年ぐらい前から色々トライされていた技術領域」と説明しています。

しかし、フィンガービジョンの独自性は「力だけじゃないいろんな情報取りますよっていうところに目を向けて、どんどん進めている」点にあり、研究段階の技術を実用レベルまで昇華させた点にその価値があります。番組では、山口CTOが新しいセンサー形状を徹夜で開発し、ネバネバした山芋の掴み取りに成功する様子も紹介され、継続的な技術改良への取り組みが描かれました。

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食品盛り付け自動化の成功事例・唐揚げから絹ごし豆腐まで

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現在、約10か所の弁当工場で稼働!                               ((引用):「ブレイクスルー」より)

フィンガービジョンの技術は、特に人手不足が深刻な食品業界での実用化が進んでいます。濃野社長は「日本の製造業全体見た時に一番生産性が低いのがやっぱり食品」「その中でも特にお弁当とか惣菜を作っているような工場でかつ盛り付けって作業っていうのが製造業の中でも本当に一番生産性が低い」と現場の課題を分析し、そこに着目した理由を説明しました。

番組では、唐揚げ、皮が薄く破れやすいシュウマイ、力加減を間違えると簡単に崩れてしまう絹ごし豆腐まで、様々な食材を優しく掴む様子が実演されました。現在、このロボットハンドは約10か所の弁当工場で盛り付けロボットとして活躍しており、一つのロボットハンドのまま交換することなく、様々な食材に対応できる汎用性の高さが評価されています。

濃野社長は現場重視の姿勢について「年間に何十件ぐらいもう現場の工場には足しげく通って、やっぱりそこを知らずしてロボットはやっぱり作れない」と語り、「この泥臭さっていうのはすごい大事で、泥臭いこう現場で出てくるいろんなこう細かいことを愚直にこう改善していく」ことが製品開発の核となっていることを強調しました。

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ケーブル挿入・医療・宇宙分野への展開可能性と今後の戦略

フィンガービジョンの技術は食品分野にとどまらず、様々な産業分野への応用が進んでいます。番組では、コネクターの挿入作業を自動化する実演も行われ、わずかな抵抗やカチッとした感触で刺さったことを判断する人間と同じ感覚をロボットに持たせていることが紹介されました。

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人と同じ感覚をもちケーブルの抜き差しをする                        (引用:「ブレイクスルー」より)

山口CTOは「自動車の製造現場なんかだとケーブルを抜き差しを、何本もやってる」と説明し、データセンターでのLANケーブル接続作業など、多くの産業現場でこの技術への需要があることを明かしました。現在、自動車、電気機器、素材、半導体、物流、医療、食品など様々な業界からの引き合いがあり、2024年には売上高のほぼ100%が食品関係向けでしたが、今後は食品以外の分野への展開を本格化させています。

また、大手外食チェーンの吉野家とは2024年から食器の洗浄工程を自動化するロボットの共同開発を行っており、油汚れなどで滑りやすくなった食後の食器を自動で処理するシステムの実現を目指しています。国内約1,200店舗を展開する吉野家での実用化は、人手不足解消の大きな一歩となることが期待されます。

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2024年から、吉野家とロボットハンドを共同開発                                 (引用:「ブレイクスルー」より)

さらに、濃野社長は医療・ヘルスケア・介護分野や宇宙分野への応用可能性についても言及し、「宇宙になると、やっぱり人がいないってところで、自動的に何かをしてくれるっていうことに対するニーズっていうのは、もう地上に比べるともう桁違いに高い価値がある」と将来への展望を語りました。

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海外展開と競争優位性・アメリカ中国との差別化ポイント

グローバル展開について、濃野社長は海外市場の特徴を「日本だと、現場で働かれている方っていうのがすごく優秀で教育の体制もすごくしっかりしているので、例えばクオリティが担保される。でも海外だとそこまでいかないから、やっぱりそこは自動化したいよねっていうその品質面での自動化モチベーション」があると分析しています。

アメリカや中国との競争については、相場氏から「アメリカですとか中国っていうのは一つの技術これいけると思ったらものすごい予算つける」という指摘に対し、濃野社長は「アメリカ、中国が行くぞと決めたものに対して投資をする金額と、日本の政府、大企業が投資をする金額ってもう2桁違う」と資金力の差を認めつつも、「彼らがかつなかなか真似できない難しいところってどこかっていうと、やっぱり手になる」と手の技術に特化した戦略の有効性を強調しました。

特に、現在話題のヒューマノイドロボットについても「よく見ると手先を使って何かをしてるっていう動作って、実はまだまだ」と分析し、「ロボットの領域で何が一番付加価値になるだろうかっていうのを考えた時に手っていう部分が圧倒的に難易度が高い。かつ、そこが乗り越えられるとすごく付加価値が大きい」として、手の技術に集中することで競争優位性を築けるとの戦略を示しました。

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まとめ

フィンガービジョンが開発する画像解析による触覚再現技術は、従来のロボット技術の常識を覆す革新的なアプローチです。濃野友紀社長と山口明彦CTOのタッグにより、20年以上研究されてきた技術が実用レベルまで昇華され、食品業界を皮切りに様々な産業分野での自動化を実現しています。

毎秒60回の高速計算により、人間の手と同等の繊細な感覚をロボットに与えるこの技術は、人手不足という社会課題の解決に大きく貢献することが期待されます。現在約10箇所の弁当工場での稼働実績から、吉野家との共同開発、さらには医療・宇宙分野への展開まで、その応用可能性は無限大です。

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「志」「道」「歩」(大きな志で道なき道を歩く)                          (引用:「ブレイクスルー」より)

2025年のCES Innovation Awards®受賞やシリーズAでの4.1億円調達など、国際的な評価と資金調達も順調に進んでおり、今後のグローバル展開が注目されます。濃野社長が掲げる「志大きく道なき道を歩くこと」という理念のもと、この日本発の技術が世界の製造業に革新をもたらす日も近いかもしれません。

 

※ 本記事は、2025年7月19日放送(テレビ東京系)の人気番組「ブレイクスルー」を参照しています。
※ 株式会社 FingerVision(フィンガービジョン)のHPはこちら

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