2025年8月19日放送のテレビ東京系「LIFE IS MONEY ~世の中お金で見てみよう~」で、福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズが記録的猛暑の中でも絶好調を続けている理由が明らかになりました。年間来場者数100万人前後、売上111億円、過去最高益約23億円を達成したハワイアンズの成功には、時代の変化を見事に捉えた3つの戦略的秘密が隠されていました。
スパリゾートハワイアンズが猛暑なのに絶好調な3つの秘密を徹底解説
今年の夏は全国各地で35度を超える猛暑日が続き、屋外プールや海水浴場の客足が大幅に減少している中、スパリゾートハワイアンズは逆に大盛況となっています。番組で紹介された3つの秘密は、単なる偶然ではなく、1966年の開館当初から受け継がれてきた先見性と、現代のニーズに合わせた柔軟な戦略転換の結果です。
入場料は大人平日3570円、小学生2250円という設定でありながら、東京ドーム6.4個分という圧倒的な敷地面積を活用し、プール、温泉、宿泊、ゴルフ場を備えた複合型エンターテイメントリゾート施設として、幅広い層の顧客満足度を実現しています。特に注目すべきは、猛暑という逆風を追い風に変える施設運営の巧みさです。
【秘密1】猛暑でも快適!屋内プールの紫外線99%カット効果
ハワイアンズの最大の強みは、1966年の開館当初から設計されていた全天候型屋内プール施設です。室温を常に28度前後に維持するこの環境が、現在の猛暑時代において絶大な威力を発揮しています。外気温が35度を超える猛暑日でも、館内は快適な28度を保っているため、「ハワイアンズの方が涼しい」という状況が生まれているのです。

全天候型で紫外線99%カット! (引用:「スパリゾートハワイアンズ公式blog」)
さらに重要なのが、屋根による紫外線99%カットという機能です。この設計は当初からの仕様でしたが、近年の美容・健康意識の高まりとともに、その価値が再評価されています。来場者へのインタビューでも「焼けない」「天気に関係なく来られる」という声が多数聞かれ、特に女性客からの支持が絶大です。
林修氏が番組内で指摘したように、「北海道でさえ40度近い気温を記録する現在の日本では、屋外施設は厳しい状況」という中で、ハワイアンズの屋内環境は時代に完全にマッチした設計となっています。実際、沖縄よりも東京の方が暑いという現象も起きており、ハワイアンズの快適性は相対的にさらに高まっています。
【秘密2】水道代ゼロの理由は温泉水活用!年間7万トンの水源確保
最も驚くべき秘密が、年間約7万トンという膨大な水を使用しながら、水道代がゼロ円という事実です。この数字を東京都の水道料金で計算すると年間約5800万円にもなりますが、ハワイアンズでは一切の水道料金がかかっていません。
その理由は、いわき湯本温泉の豊富な湧出量にあります。毎分5.5トンという国内屈指の湧出量を誇るこの温泉は、有馬温泉・道後温泉と並ぶ日本三古泉の一つで、1300年以上の歴史を持っています。58度の高温温泉水に近くの川の水を混ぜて適温にし、専用の浄化装置で硫黄を取り除くことで、プール用の水として活用しているのです。
この仕組みは、1960年代の常磐炭坑時代の遺産とも言えます。炭鉱採掘時に「邪魔」とされた温泉水が、現在では年間数千万円相当のコスト削減効果をもたらす貴重な資源となっているのは、まさに歴史の皮肉であり、先人の知恵が現代に活かされた好例です。
【秘密3】ナイトプールと夏限定イベントで若者層も獲得
3つ目の秘密は、今年から本格的に強化されたナイトプールの取り組みです。営業時間を21時まで延長し、18時以降の入場者には半額料金を適用することで、日中の猛暑を避けたい来場者と若者層の両方を効果的に取り込んでいます。

ナイトプール (引用:「スパリゾートハワイアンズ公式blog」)
特に注目すべきは、夏限定で毎日2回開催される無料のサーカスショーです。プール上での空中ブランコなど、日本初の試みとなるこのイベントは、従来のファミリー層や高年齢層に加えて、SNS世代の若者たちの関心を強く引いています。「ラスベガスみたい」「写真映えする」といった反応からも、新たな顧客層開拓の成功がうかがえます。
この戦略は、ハワイアンズが歴史的に実践してきた「ハワイに固執しない」柔軟性の現れです。フラダンスショーという伝統的な魅力を保ちながら、時代のニーズに合わせて新しい要素を積極的に取り入れる姿勢が、幅広い世代からの支持獲得につながっています。
常磐ハワイアンセンターからの歴史とアメリカ投資ファンド買収の影響
ハワイアンズの現在の成功を理解するには、その歴史的背景を知ることが重要です。1966年に常磐ハワイアンセンターとして開館した当施設は、エネルギーの主役が石炭から石油に変わり、本州最大の炭鉱「常磐炭坑」が衰退する中で生まれました。炭鉱採掘時に邪魔とされた温泉を活用するという発想の転換が、現在の成功の基盤となっています。
1990年代には一時期客足が伸び悩んだ時期もありましたが、1997年に世界一の大露天風呂「江戸情話 与市」をオープンするなど、ハワイのイメージに固執せず、幅広い年齢層のニーズに応える戦略で V字回復を果たしました。2017年には日本一のボディスライダー「ビッグアロハ」(全長283m✕高低差40.5m)を導入するなど、常に時代に合わせた投資を続けています。
2024年12月には、アメリカの投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」による買収が完了し、2025年2月に上場廃止となりました。原田亮介氏が番組で指摘したように、「ファンドの資金力によって新しい施設を作り、より魅力的な施設ができれば日本にとっても良いこと」という期待が高まっています。
いわき湯本の温泉力と過去最高益111億円を支える全方位戦略
ハワイアンズの成功は、いわき湯本という立地の恵まれた条件と、それを最大限活用する経営戦略の組み合わせによるものです。1300年以上の歴史を持つ温泉地の豊富な資源を活用しながら、プールでファミリー層、温泉で高年齢層、ナイトプールで若者層という全方位戦略を展開しています。
売上111億円、過去最高益約23億円という数字は、単なる偶然ではありません。入場料改定やコスト最適化といった経営努力に加え、時代の変化を敏感に察知し、猛暑という逆風を追い風に変える柔軟性が結実した結果です。特に観光事業部門の利益は10期ぶりの最高益更新となっており、コロナ禍を乗り越えた確実な成長が見て取れます。
林修氏が番組で総括したように、「ハワイに囚われずに人気のものを時代に合わせて柔軟に取り入れる」この姿勢こそが、ハワイアンズの真の強みと言えるでしょう。創業60周年を迎えた今、アメリカ投資ファンドの資金力を背景に、さらなる成長が期待される注目の施設です。
まとめ
「LIFE IS MONEY」で紹介されたスパリゾートハワイアンズの3つの秘密は、単なる偶然や一時的な成功要因ではなく、長年にわたる戦略的な取り組みの結果であることが明らかになりました。猛暑なのに絶好調という現象の背景には、先見性のある施設設計、豊富な温泉資源の有効活用、そして時代に合わせた柔軟な戦略転換があります。
室温28度と紫外線99%カットの屋内環境、年間7万トンの温泉水活用による水道代ゼロ、そしてナイトプールと夏限定サーカスによる若者層取り込みという3つの秘密は、それぞれが現代のニーズに完璧にマッチしています。アメリカ投資ファンドによる買収後の新たな展開も含めて、今後のハワイアンズの動向から目が離せません。
※ 本記事は、2025年8月19日放送のテレビ東京系「LIFE IS MONEY ~世の中お金で見てみよう~」を参照しています。
※ スパリゾートハワイアンズのHPはこちら
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