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【ブレイクスルー】スライム電池を白鳥洋介が開発「水に溶ける」新電池

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2025年12月20日放送のテレビ東京系「ブレイクスルー」で紹介された「スライム電池」をご存じでしょうか。東京科学大学の白鳥洋介特任教授が開発したこのリチウムイオン電池は、発火せず、水に溶け、しかもレアメタルを簡単に回収できるという驚きの特性を持っています。この記事では、スライム電池の仕組みから実用化の見通しまで、番組内容をわかりやすくまとめました。


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スライム電池とは?発火しない世界初のリチウムイオン電池を解説

スライム電池とは、燃えない「スライム状の物質」を電解質に使用した、世界初のリチウムイオン電池です。正式名称は「3D-SLISE(スリーディー・スライス)」と呼ばれています。

従来のリチウムイオン電池は、電解質に可燃性の液体が使われており、衝撃などで内部が損傷すると発火する危険性がありました。実際に、スマートフォンやモバイルバッテリーなどの発火事故が相次いでいます。

しかし、白鳥特任教授が開発したスライム電池は、材料に水を使っているため、発火の心配がありません。番組では、ハサミで真っ二つに切っても、ハンマーで叩いて衝撃を与えても発火しない様子が紹介されました。作家の相場英雄さんも思わず「いやいやいやいや、真っ二つですよ」と驚きの声を上げていたほどです。

この電池の材料は非常にシンプルで、ホウ酸リチウム(セラミックスの一種)や水など、わずか4種類だけ。これらを独自の配合で混ぜ合わせ、リチウムを含んだ電極シートと重ねて真空パックするだけで完成します。特別な製造環境も不要なので、製造コストを大幅に削減できる点も大きなメリットです。

従来のリチウムイオン電池の製造には、ドライルームなどの厳しい環境管理が必要でしたが、スライム電池はどこでも作れるという画期的な特徴を持っています。安全性とコスト削減を両立した、まさに常識を覆す電池と言えるでしょう。


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水に溶ける驚きの特性|レアメタルを簡単に回収できる仕組み

スライム電池のもう一つの驚くべき特性が「水に溶ける」ということです。

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水に溶けるスライム電解質!(引用7:「ブレイクスルー」より)

番組では、白鳥特任教授が水の入った容器にスライム電池を投入するデモンストレーションが行われました。通常、リチウムイオン電池を水に入れるとショートして発火する恐れがありますが、スライム電池は発火するどころか、いとも簡単に溶けていきました。相場英雄さんは「電池を水に入れて溶かすっていうのは、なんか見てていいのかなっていう気がする」と、その非常識さに戸惑いを見せていたほどです。

水に入れると、まず白いスライム状の電解質が溶け出し、次に黒い電極が剥がれ落ちてバラバラになります。超音波で揺らさなくても、水に浸けておくだけで簡単に溶けるそうです。

そして、この「水に溶ける」特性こそが、リサイクルの革命につながります。溶けた電池をフィルターで濾過するだけで、黒い粉末状の「活物質」が残ります。この活物質には、コバルト、ニッケル、マンガン、リチウムといった希少金属(レアメタル)が含まれており、簡単に回収できるのです。

従来のリチウムイオン電池をリサイクルする場合、まず高温で焼却し、粉状に加工してから溶液に浸けるなど、複雑な工程が必要でした。当然、二酸化炭素の排出など環境負荷も大きく、巨大な施設も必要になります。

一方、スライム電池なら水とフィルターさえあれば、誰でも簡単にレアメタルを回収できます。カーボン排出量も大幅に抑えられる可能性が高く、環境にも優しい技術です。白鳥特任教授は「この工程がきちんとワークすることが分かれば、カーボン排出量っていう意味ではかなり抑えられる可能性が高い」と語っています。

最初からリサイクルを前提に設計された電池という点で、スライム電池は従来の電池とは根本的に異なるコンセプトを持っています。


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白鳥洋介の経歴|富士フイルムを退社し東京科学大学へ移籍した理由

スライム電池を開発した白鳥洋介氏は、東京科学大学 総合研究院ゼロカーボンエネルギー研究所の特任教授です。

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東京科学大学の白鳥洋介特任教授                              (引用:「ブレイクスルー」より)

実は白鳥氏、もともとは東京大学大学院で助教を務めた後、富士フイルムに入社し、さまざまな新素材の開発に携わってきた経歴の持ち主です。しかし、2025年5月に富士フイルムを退社し、東京科学大学に移籍しました。

大手企業を辞めてまで大学に移った理由について、白鳥氏は番組でこう語っています。

「やっぱりこの長期的なスパンで将来の技術っていうことに対してよりも、会社ではきちんと堅実に仕事をして利益を上げていくことが求められる。私が新しく見つけた材料に関しては、もう少し時間が必要だし、とにかくこの材料に最後まで関わりたいという思いがあった」

つまり、企業で求められる短期的な利益追求と、長期的な研究開発のスパンが合わなかったということです。自分が見つけた材料を世の中に実装するところまで自分で責任を持ってやりたい。その強い信念が、安定した大企業を辞めるという決断につながりました。

白鳥氏は「会社での成長がなければ今の私はいない。会社への思いも今も強くある」と前職への感謝も述べつつ、「見つけたものを実装するところまで自分でやってみたい。一生に一度きりのチャンス。あとはやるしかない」と覚悟を語っていました。

研究者としての矜持と、社会実装への強い思い。その両方を持ち合わせた開拓者の姿が、そこにはありました。


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安井伸太郎准教授との共同研究|スライム電解質誕生の背景

白鳥氏が大学への転職を決断した背景には、運命的な出会いがありました。それが、東京科学大学の安井伸太郎准教授です。

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東京科学大学の安井伸太郎准教授                       ((引用:「ブレイクスルー」より)

安井氏は、セラミックス研究のエキスパート。スライム電池の肝である「スライム電解質」は、安井氏との共同研究から生まれたものです。

安井氏は番組で、白鳥氏との協力体制についてこう説明しています。

「お互いの強みがあって、私はセラミックスの専門、白鳥先生は物理学の専門。そういうところで融合することができたので、お互いの強みを活かし切れた」

異なる専門分野を持つ二人が出会い、互いの知見を掛け合わせることで、革新的な技術が生まれた。まさに「1+1が3以上になる」好例と言えます。

安井氏は、スライム電池の技術を初めて見たとき「これはもう世の中を変えるゲームチェンジャーになる」と確信し、白鳥氏を大学に誘ったそうです。現在は二人三脚で社会実装に向けた取り組みを進めています。

安井氏は今後の展望についても熱く語っていました。「今のリチウムイオン電池のマーケットはしっかり存在している。だけど新しいマーケットを作っていく作業も重要。レッドオーシャンの世界に、どれだけブルーオーシャンを作っていけるか」

既存市場での競争ではなく、新しい価値を創造する。その姿勢は、研究者というよりも起業家のマインドに近いものを感じます。


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スライム電池の実用化はいつ?起業計画と大手メーカーとの協議状況

多くの方が気になるのは「スライム電池はいつ実用化されるのか」という点でしょう。

白鳥氏は番組で「5年後をメドに、まずは世の中に出してみる」と明言しました。つまり、2030年代前半には製品として市場に登場する可能性があるということです。

現在は大学の研究室レベルでの開発段階ですが、大きな動きも出てきています。大手ベンチャーキャピタルとの意見交換を重ね、近く起業を目指しているとのこと。さらに、複数の大手メーカーが興味を示しており、実用化に向けた協議も進んでいるそうです。

安井氏も「大学発のスタートアップを作る計画で、今動いている」と語り、「大企業の皆さんがこれまで作ってきた技術を集約させていただいて、我々の技術をマージして前に進める。何としてでも日本がもう一度、前に一歩進めるような形を作りたい」と意気込みを見せていました。

ただし、5年という短期間で実用化するためには、現在の少人数体制では厳しいのも事実。白鳥氏は「これから仲間を作る作業に入っている。キーマンとなる方々に集まっていただければ達成できる可能性が高い」と、チーム拡大の重要性も強調していました。

また、国や公的機関からの注目も集まっており、すでに国の助成金を獲得して研究を進めているとのこと。経済安全保障の観点から、この技術への期待は高まる一方です。


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まとめ|スライム電池が経済安全保障に貢献する可能性

2025年12月20日放送の「ブレイクスルー」で紹介されたスライム電池は、発火しない安全性、水に溶けてレアメタルを簡単に回収できるリサイクル性、そして低コストな製造工程という、従来のリチウムイオン電池の常識を覆す特性を持った革新的な技術です。

特に注目すべきは、経済安全保障への貢献可能性です。レアメタルの生産は中国が圧倒的なシェアを占めており、地政学リスクが常に懸念されています。EUでは早くからリサイクル率の数値目標を設定するなど、資源循環への取り組みが進んでいます。

白鳥氏は「掘って掘って掘ってではなく、ある程度出ている分で回そう」という考え方を示しており、新たに採掘するのではなく、既存の資源を循環させる社会の実現を目指しています。

番組の最後、白鳥氏は「ブレイクスルーとは何か」という問いに対して、こう答えました。

「社会と一緒に新しい価値を作る。これがブレイクスルー」

一人では乗り越えられない壁も、社会の課題を皆で共有し、技術と知恵で乗り越えていく。その積み重ねが未来を変える力になる。チームで壁を突破する。白鳥氏と安井氏、そして彼らを支える仲間たちの挑戦は、まだ始まったばかりです。

5年後の2030年代前半、私たちの手元にスライム電池を使った製品が届く日を楽しみに待ちたいと思います。

※ 本記事は、2025年12月20日放送(テレビ東京系)の人気番組「ブレイクスルー」を参照しています。

※ 前回放送の関連記事:【ブレイクスルー】白鳥洋介が開発!発火しないリチウムイオン電池「スライムが鍵」

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