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【クローズアップ現代】原発再稼働と「地元同意」の課題を徹底解説

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原発やメガソーラーの建設・再稼働を巡り、各地で「地元同意」の問題が深刻化しています。NHKクローズアップ現代では、法的根拠のない同意プロセスに翻弄される自治体や住民の姿が描かれました。この記事では、新潟県・柏崎刈羽原発や千葉県鴨川市のメガソーラー問題を通じて、電力供給と地域住民の思いの板挟みになる「地元同意」の実態と課題を詳しく解説します。番組を見逃した方も、電力問題を深く理解できる内容です。


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原発再稼働の「地元同意」とは?法的根拠がない実態

原発の再稼働には、原子力規制委員会による安全審査への合格が法律上の条件となっています。しかし、それに加えて事実上必要とされているのが「地元同意」です。

驚くべきことに、この地元同意には法的な根拠がありません。決まった手法や判断基準も存在せず、どのように同意を形成するかは各自治体に完全に委ねられています。東京電機大学の寿楽浩太教授は番組内で、この仕組みについて重要な指摘をしています。元々は地方自治体が地域の安全や利益を守るために原発の稼働に関与する前向きな仕組みだったものが、福島第一原発事故後は「同意を求められる」という重荷に変わってしまったというのです。

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東京電機大学の寿楽浩太教授                (引用:「東京電機大学」HPより)

国は原発を最大限活用する方針を掲げ、2040年度までに原子力発電の割合を2割程度に拡大する計画を閣議決定しています。その一方で、地元同意の判断は依然として自治体任せ。この構造的な矛盾が、立地地域に大きな負担を強いているのです。


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新潟県・柏崎刈羽原発の再稼働と花角知事の決断

2025年12月、新潟県の花角英世知事柏崎刈羽原発の再稼働に同意することを国に伝えました。東日本大震災後、東京電力としては初の原発再稼働となる歴史的な決断です。

花角知事は、県民の意思を汲み取るために様々な手法を模索しました。県内全域を対象とした意識調査、全30市町村長への聞き取り、公聴会の開催など、多角的なアプローチを取りました。しかし、その過程は決して平坦ではありませんでした。

知事は記者会見で「原子力の活用は非常に難しい国家的なテーマであり、意思決定の最後の関所のようになっている」と苦悩を吐露しています。国からの再稼働要請と、複雑な県民感情の狭間で、リーダーとして結論を出す覚悟が求められたのです。

一方で、原発周辺の自治体からは「自分たちの声が国や電力会社にどの程度届いているかわからない」という指摘も上がっています。原発から30キロ圏内にある小千谷市の宮崎市長は、リスクを背負っている自治体の意見をより明確に再稼働の判断に反映させる仕組みを求めています。


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県民意識調査に見る住民の複雑な思いとは

新潟県が2025年9月に実施した県民意識調査の結果は、住民の複雑な心境を如実に表しています。

再稼働の条件が現状で整っているかという質問に対し、否定的な回答が60%と過半数を占めました。一方で、国内の電力安定供給につながるかや、地域経済・雇用への好影響については、約7割が肯定的な回答を示しています。

この一見矛盾するような結果は、立地地域住民の揺れる思いを反映しています。番組に登場した刈羽村在住の長橋さよ子さんは、原発関連の交付金で地域の老人ホーム建設が賄われていることに触れつつも、福島第一原発事故を起こした東京電力への不信感や避難の不安が拭えないと語りました。

実際、4年前には大雪により原発事故時の避難路となる国道で大規模な車の立ち往生が発生しており、複合災害時の避難に対する不安は根強いものがあります。「再稼働しないほうがいいんじゃないかと思う一方、再稼働しないわけにはいかないとも思う」という長橋さんの言葉は、多くの住民の本音を代弁しているのではないでしょうか。


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メガソーラー建設でも起きる地元同意問題―鴨川市・阿蘇の事例

地元同意の問題は原発だけではありません。国が拡大を図る再生可能エネルギー、特にメガソーラーの建設を巡っても各地で軋轢が生じています。

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千葉県鴨川市では、東京ドーム31個分という関東最大級のメガソーラー建設計画が進められています。しかし、メガソーラーの設置には法律上、地元の同意は必要ありません。事業者は周辺地区への説明会や回覧による周知を行いましたが、鴨川市が求めた「市民誰もが参加できる説明会」については「法的根拠が不明」として実施を拒否しました。

住民たちは土砂災害のリスクを強く懸念しています。退職金で一軒家を購入し移住した杉本悦子さんは「大雨や台風の度に不安な思いをする。ここを終の棲家にしたいのに」と切実な思いを語りました。その後、事業者が許可されていない区域で木を伐採していたことが発覚し、現在は県の行政指導を受けて工事が中断しています。

熊本県の阿蘇地域でも別の問題が起きています。ここでは、高齢化で管理が困難になった牧草地にメガソーラーが誘致され、地元住民の理解も得て建設されました。しかし、SNSなどを通じて地域外から「景観を損ねている」という批判が殺到しているのです。土地を売却した農家の森田勝さんは「なんか犯罪を起こしたような感じを受ける」と困惑を隠せません。

法政大学の茅野恒秀教授は、この問題の構造的な原因として、日本の土地利用規制の緩さを指摘しています。全国にメガソーラーは約9000件、小規模な事業用太陽光発電所は70万件以上あり、郵便ポストの数より多いという現状です。一つ一つ同意を取り付けることは現実的ではなく、根本的な制度設計の見直しが求められています。


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寿楽浩太・茅野恒秀両教授が語る課題と解決策

番組に出演した2人の専門家は、それぞれの視点から課題解決の方向性を示しました。

茅野恒秀教授(法政大学)は、間接民主主義の限界を指摘しました。原発のような複雑な問題は、選挙で代表者を選ぶという従来の方法に馴染みにくいというのです。徹底的に議論を交わした上で県民投票にかけるという選択肢もあったのではないかと提言しています。

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法政大学の茅野恒秀教授                           (引用:「くらしふと信州」より)

また、再エネ主力電源化に向けては、国が大局的な指針を出すことが欠かせないとも述べています。例としてドイツでは、国土の2%を風力発電用地として選定すれば必要な発電所を賄えるという試算に基づき、各自治体に土地の利用可能化を求める法制度を整えているそうです。総量が明確になれば、地域でのゾーニング議論もしやすくなるというわけです。

一方、寿楽浩太教授(東京電機大学)は住民投票について慎重な姿勢を示しました。現状のまま県民に直接問いかけることは、重すぎる重荷を背負わせることになりかねないという懸念です。まず国全体として仕組みの議論をした上でなければ、住民投票で全ての問題が解決できるわけではないと指摘しています。

両教授に共通するのは「コンセントの先に立地地域がある」という視点です。私たちが当たり前のように使っている電力の先には、様々な苦悩を抱えながら電力を届けてくれている人々がいる。その事実を忘れてはならないと訴えています。


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まとめ

今回のクローズアップ現代では、原発再稼働やメガソーラー建設における「地元同意」の複雑な実態が浮き彫りになりました。

ポイントを整理すると、地元同意には法的根拠がなく自治体に判断が委ねられていること、住民の思いは賛否両論で複雑であること、メガソーラーでは同意自体が不要で軋轢が生じやすいこと、そして専門家からは国の大局的な指針やルール作りの必要性が指摘されていること、これらが主な論点でした。

電力の安定供給は私たちの暮らしに欠かせません。しかし、その負担を一部の地域に押し付けるのではなく、社会全体で考え、公平なルールを作っていく必要があるでしょう。「電気を使う側」として、私たちも無関心ではいられない問題です。

※ 本記事は、2026年1月19日放送のNHK「クローズアップ現代」を参照しています。

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