昨今のデジタル化の波に置き去りにされがちな、人と人とのリアルなコミュニケーション。しかし「おしゃべりビジネス」という新しいビジネスモデルが、その価値を再認識させてくれます。
「がっちりマンデー」でも取り上げられた、注目の起業エイジウェルジャパン。シニアの方とのおしゃべりを通じて、ポジティブな毎日を提供するだけでなく、そのリアルな声を武器にデータビジネスも展開しています。
本記事では、このおしゃべりビジネスの最新動向と可能性を、赤木円香社長の話を交えてご紹介します。
おしゃべりビジネスとは? シニアの方とのコミュニケーションが重要な理由
近年、デジタル化が進む中で対面によるコミュニケーションの重要性が見直されています。特に高齢者とのおしゃべりは、単なる世間話を超えた意味を持っています。
2024年5月5日放送-TBS系「がっちりマンデー」では、新しいビジネスモデル「おしゃべりビジネス」が取り上げられました。おしゃべりを通じて、シニアの方々に元気を与え、孤独感を和らげることができるそうです。
おしゃべりには文字やメールよりも豊かな情報量があり、対面のコミュニケーションこそが人間らしい暖かな触れ合いを生みます。言葉のニュアンスや間の取り方から、相手の気持ちを汲み取ることができるのです。
Age Well Japanが提供する革新的なサービス内容と売上の急成長
番組で紹介されたエイジウェルジャパンは、2020年創業のベンチャー企業です。シニアの方とおしゃべりをするサービスを展開しており、この4年間で売上は8倍に急成長を遂げています。2024年期の売上はウン億円を見込んでいるとのことです。
サービスの利用料は月1回1時間5,500円から。シニアの方とのおしゃべりに加え、外出やお買い物の付き添い、スマホの操作レクチャーなど、様々なプランがあります。
提供しているのは単なるおしゃべりだけではありません。「人生の相棒」としてポジティブな毎日をシニアの方に送っていただくことが目的なのです。
学生アルバイターが受ける「おしゃべり研修」とは?就職に活かせる能力を習得
エイジウェルジャパンのサービスを実際に提供しているのは、大学生アルバイターたちです。彼らは「おしゃべり研修」を受講し、シニアの方とうまくコミュニケーションを取れるよう訓練されています。
研修の内容は、おしゃべりを盛り上げるためのテクニックの数々。自己開示の仕方や、ネガティブな発言をうまく受け止めてポジティブに切り返す方法などが教えられます。
このコミュニケーション能力は、就職活動でも大いに役立つそうです。アルバイト代は時給1,200円からのスタートですが、将来の糧になる貴重な経験を積めるそうです。
なぜAge Well Japanの「マニュアル」が3億円する価値があるのか
エイジウェルジャパンでは、シニアの方々との会話のノウハウを詰め込んだ独自の「マニュアル」を作成しています。赤木円香社長は番組中で、このマニュアルを「3億円で売ってもいい」と高い価値を語っていました。
このマニュアルには、4年間の試行錯誤の末に編み出された、シニアの方とうまくコミュニケーションを取るためのテクニックが凝縮されています。自己開示の仕方や、ネガティブな発言を上手にポジティブに切り返す方法など、おしゃべりを盛り上げるための秘訣が詰まっています。
エイジウェルジャパンは、シニアの方々とのおしゃべりの様子を事前に許可を得て録音し、そのデータを蓄積しています。しかしこのデータを活用するには、マニュアルに基づいた適切な会話の仕方が不可欠なのです。つまり、マニュアルなくしてはデータ活用もできない、重要な経営資源なのです。
シニア層の生の声が込められたマニュアルには、企業が払うに値する価値があると赤木社長は自信を持っているのでしょう。
シニア層の”リアルな声”を活用したデータビジネスの可能性
エイジウェルジャパンは、シニア層の声を活用したデータビジネスの先駆けです。企業にとってシニア層のニーズを的確に捉えることは、これまで難しい課題でした。しかし、このデータを活用すれば、シニア向け新商品の開発が格段に容易になるでしょう。
すでにエイジウェルジャパンと協業して商品開発に乗り出した企業もあるそうです。シニアマーケットは今後も拡大が見込まれ、的確なニーズ把握が成功の鍵を握ります。エイジウェルジャパンのビジネスモデルには、大きな可能性が秘められています。
まとめ
デジタル化が進展する中で、人と人とのふれあいは改めて重要視されています。エイジウェルジャパンのおしゃべりビジネスは、そうした時代の要請に合致したサービスです。
シニアの方々の心の拠り所となり、元気を与えることで社会貢献しています。そしてその過程で得られるリアルなデータを活用し、企業とのWIN-WINの関係を構築しています。
口コミやマニュアル販売による収益モデルも確立されており、今後の事業拡大が期待されます。デジタル化の波に押され気味だったコミュニケーションビジネスの再興の兆しとも言えるでしょう。
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