あなたは最近、不審な「逮捕状」がSNSで送られてきて不安になったことはありませんか。実は各地で「偽の逮捕状」を使った新種の詐欺被害が相次いでいます。この記事では、犯人グループの「非通知の電話」「ビデオ通話での警官になりすます」などの手口と、個人情報入りの「偽の逮捕状」の危険性をご紹介します。最後に被害に遭わないための対処法も解説しますので、ぜひ気をつけて参考にしてください。
偽の逮捕状を使った詐欺の手口とは?
近年、「偽の逮捕状」を利用した新しい種類の詐欺被害が各地で相次いでいます。2024年に入ってからも、この手口による被害が後を絶ちません。
犯人グループは警察官を騙り、偽の逮捕状を送付して被害者を脅迫します。その際、被害者の氏名や住所など、実在する個人情報が記載された「逮捕状」が使われるため、被害者はその内容を疑うことなく騙されてしまうのです。
非通知からの電話とビデオ通話で警官になりすます
実際の手口は、まず非通知からかけてきた電話で「捜査官」を名乗り、被害者に「あなたの口座が犯罪に使われている」などと申し向けます。そして、ビデオ通話でも「捜査」に協力するよう要求してくるのです。
2023年4月、40代女性がこの手口で詐欺に遭いかけた事例が確認されています。女性によると、最初は「警視庁捜査二課」からの電話で、自身に関連する事件の捜査について協力を求められたそうです。
個人情報が書かれた”偽の逮捕状”を送り付ける狙い
そして、その後LINEに切り替えられ、そこで「和歌山県警の捜査員」を名乗る男から、被害女性の住所や氏名が記載された「偽の逮捕状」が送られてきました。これには、女性が知られたくない個人情報が書かれていたため、彼女は大変動揺してしまったのです。
犯人グループがこうした実在する個人情報を入手する目的は、被害者を揺さぶり、不安に陥れることで、より確実に騙せるようにするためだと考えられています。
SNSを使った事情聴取は危険信用してはいけない
この事例の女性は、最終的に「預金口座の金額を調査機関へ振り込め」と要求されたことで、偽物と気づきました。しかし、その前までは「事情聴取にSNSを使う」など、通常あり得ない対応を受け入れてしまっていたのです。
SNSやビデオ通話を装って実際に「警官」になりすます点が、この種の新しい詐欺の大きな特徴です。本物の捜査機関は、被疑者への事情聴取でSNSを使うことは絶対にありません。
実際に被害にあわれた女性が体験した詐欺の手口
先の40代女性の詳しい被害体験を振り返ると、まず非通知で「警視庁捜査二課」と名乗る男から電話がかかってきました。男は「あなたに確認したいことがある」と言い、周囲に人がいないか確認してから話を続けました。
そして「振り込め詐欺犯から押収した口座情報にあなたの名前があった」などと告げ、事情を聴かせてほしいと要求。女性が和歌山県まで足を運ぶのを拒否すると、今度は「和歌山県警の捜査員」を名乗る男がLINEに出てきて、ビデオ通話での事情聴取を求めてきました。
女性はこの申し出を受け入れてしまい、警察手帳を見せる素振りはあったものの、中身までは確認できなかったため、本物の警察だと信じ込んでしまったのです。更に、LINEで送られた「逮捕状」には、住所や氏名など自身の情報が書かれていたため、疑うことなく対応を続けてしまいました。
しかし、最後に預金残高を全額送金するよう要求されたことで、ようやく詐欺だと気づいたとのことです。その後、実際の警視庁捜査員から、警察が非通知の電話やSNSに連絡することはないと注意を受けたそうです。
このような兆候があれば要注意、対処法は?
このように、今回の詐欺事件では、犯人グループが巧妙な手口を駆使して、被害者を徹底的に揺さぶり、金品を要求したことが分かります。
個人の大切な情報を不正に入手されたり、SNSなどで異例の連絡があった場合は、被害に遭う前にすぐに警察に通報することが重要です。
また、警察やその他の公的機関を名乗る者から、金銭の支払いや預金口座への送金を要求された際は、すぐに詐欺である可能性が高いと考えるべきでしょう。そうした要求には絶対に応じず、まずは冷静に対応することが大切です。
まとめ:偽の逮捕状詐欺に注意SNSでの要求には決して応じるな
このように、「偽の逮捕状」を使った新種の詐欺の被害が後を絶ちません。非通知の電話からはじまり、SNSでの個人情報入りの書面送付、ビデオ通話による隠れ蓑の要求など、手口は年々巧妙化しています。
一見したところでは見分けがつきにくいですが、金銭の要求を受ければ詐欺とみなすべきです。決して応じず、冷静に対応し、すぐに警察に通報することが大切です。私たち一人ひとりが高い注意を払い、このような卑劣な犯罪に加担しないよう心がける必要があります。
コメント