冬物のニットやカーディガンを洗濯する際、「また縮んでしまった」「型くずれが気になる」と悩んでいらっしゃる方は多いのではないでしょうか。失敗を恐れてクリーニングに出しているうちに、洗濯代がどんどんかさむ一方です。
本記事では、2024年1月30日放送の「あさイチ!(NHK)」に出演の洗濯のプロである茂木康之さんのアドバイスを参考に、ニット類を自宅で洗う際のコツを解説いたします。正しい洗い方、干し方を知れば、繊維の縮みや縮みを防ぎつつ、クリーニング代を節約することができます。またスチームアイロンさえ使えば、一度縮んでしまった後でも元の形に戻すことが可能です。
ぜひ本記事を参考に、気持ちよくできる冬のニット洗濯術をマスターしてみてください。
冬のニットはなぜ縮むのか 縮みの原理を知る
冬のニットは洗濯すると縮んでしまうことがよくあります。これはニットの材質であるウールの性質に起因しています。ウールの表面にはギザギザした繊維があり、水に濡れるとその表面が開いてしまいます。洗濯時の水流や脱水時の回転によって、表面が開いた繊維どうしが絡まり合い、服全体が縮んでしまうのです。
この縮みを防ぐには、洗濯時のウール繊維の動きを抑えることが重要だと、洗濯のプロである茂木康之さんはアドバイスしています。
ニットの正しい洗い方3ステップ 縮まない洗濯術
視聴者さんの糸魚川さんのケースでは、1枚ずつ丁寧に洗濯ネットに入れて洗っていたにも関わらず、2〜3回の洗濯で縮んでしまうことがありました。
茂木さんによると、ニットの正しい洗い方は以下の2ステップです。
(1)洗濯ネットの中で動かないようにしっかり縛る
洗濯ネットの中でニットが激しく動くと、繊維同士が絡まり合い縮みの原因に。スペースがないようにネットの口を縛れば動きが抑えられます。
(2)水流の優しいドライモードを使う
ドライモードが使えない場合は、脱水時間をできるだけ短く設定しましょう。
この2ステップを意識すれば、繊維の絡み合いが抑えられ、縮みが軽減されるはずです。
干し方でも工夫!「お化け干し」でスッキリ
洗濯後の乾燥も大切なポイントです。茂木さんは「平干し」を推奨していますが、スペースに余裕がない場合の乾燥法として、「お化け干し」という干し方を紹介しています。
これは、ニットの両袖と裾を2本のハンガーに掛ける干し方です。服の重みが2ヶ所に分散されることで、重力による縮みが防げます。乾燥もスッキリしやすくなるデメリットがありません。
縮んでしまったらこうする! 「スチームアイロン」が救世主
洗濯ミスや干し方のミスでニットが縮んでしまった場合、スチームアイロンが救世主となってくれます。
スチームアイロンで蒸気をニットの生地に当てることで、絡まり合った繊維をほぐすことができます。番組の中では、購入時に50cmあった身幅が43cmに縮んでしまったニットを、茂木さんがこの方法で46cmまで戻すことに成功していました。
その方法は、パーツごとに伸ばしながらアイロンを当てていけば、袖丈や裾など身体の他の部分の縮みも元に戻すことができます。アイロンを持っている手では押さえられないので、伸ばす個所の一方をまち針などで止めておき、空いている手でもう片方をつかんで、蒸気をかけて伸ばしていきます。ある程度伸ばしたあと一旦置いて、この湿気を取ります。
まとめ
以上、冬のニット類の洗濯で起こりがちな「縮み」について、その原理と対策を解説しました。
洗濯時の水流で繊維が絡まり合うことが縮みの主な原因ですが、洗い方や干し方を工夫することで防ぐことができます。スチームアイロンなら縮んでしまった後でも形を戻すことが可能です。
これらのポイントを押さえ、不要なクリーニング代を節約しつつ、冬物ニットを長持ちさせることができるはずです。ぜひお試しください!
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