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【カンブリア宮殿】日本外食の「肉」最新事情を徹底解説!「美味求心力」に迫る

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日本の外食業界で、”肉”を巡る戦いが熾烈を極めています。コロナ禍を契機に、新業態が続々と登場し、従来の常識を覆す革新的なサービスが次々と生まれています。短時間でおいしいステーキが味わえる「感動の肉と米」、希少部位のミスジを生かした「やっぱりステーキ」、そして老舗の矜持を守る「ハングリータイガー」など、様々な個性が火花を散らしています。果たしてこの”肉の外食戦争”の行方はどうなるのでしょうか。本記事では、カンブリア宮殿が取材した肉メニューを手掛ける店の動向と、外食のレジェンドが見据える”肉離れ”の時代への備えについてご紹介します。新時代の”美味求心力”に迫れば、おいしい肉を求める人々の渇望を満たす、革新的な解決の道が見えてくるはずです。

 

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「感動の肉と米」の革新的ビジネスモデル

焼肉チェーン「あみやき亭」が手掛けた「感動の肉と米」は、2024年現在、既に全国で32店舗を展開する人気の外食店です。その最大の特徴は、なんと注文からわずか1分で肉厚ステーキが出てくるという”究極のファストステーキ”システムにあります。

強火のグリルで一気に火を通し、レアの状態に焼き上げた肉を、客が溶岩プレートで好みの焼き加減に調理できるという独自の方式を採用しています。提供スピードだけでなく、ステーキセットが1,000円とリーズナブルな価格も人気の理由です。

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「感動の肉と米」

「全部食べ放題なんで、ご飯いくらでもいけます」と言われるように、ご飯やご飯のお供は食べ放題制。さらにスタッフを最小限に抑え、セルフ方式を取り入れるなどのコスト削減を徹底し、斬新な業態を実現しました。

コロナ禍で経営が行き詰まり、打開策を模索していた「あみやき亭」が生み出したこの新業態は、美味しさとスピード、そして圧倒的な低価格でお客さんを確実に獲得しています。

 

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老舗「ハングリータイガー」が守り続けた”本物の味”

神奈川県で長く愛されてきた「ハングリータイガー」は、創業者の井上修一さんが”本物の味”にこだわり続けた老舗ハンバーグ店です。800度を超える高温の炭火焼きで8面焼きにし、全面を香ばしく仕上げることで、肉汁をしっかりと閉じ込めた絶品のハンバーグを実現しています。

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「ハングリータイガー」

さらに井上さんは、良質な牛を育てるため牧場経営にまで乗り出す徹底ぶり。放牧で育てた牛の肉を使い、醤油ベースの創業当時から変わらないグレイビーソースで味付けをしているのがミソです。

リピーターが絶えない人気店の味を支えているのは、井上さん自身の「お客さまに満足していただける」という哲学です。老舗の矜持とプライドが、本物の味を守り続けています。

 

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「いきなりステーキ」の急成長と転機

2013年に登場した「いきなりステーキ」は斬新な立ち食いスタイルで一気に人気となり、2019年には493店舗まで拡大を果たしました。しかし、成長を続けるあまり出店ペースが加速し過ぎ、社長の一瀬邦夫さん自身も「お客様がいないところにも店を出してしまった」と反省していました。

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「いきなりステーキ」

その後、類似店の出現や経営の行き詰まりなどから、一時は店舗数を大幅に減らさざるを得ない状況に陥りましたが、創業以来の”分厚いステーキ”のコンセプトこそ守り続けています。

さらに一瀬さんは2023年、81歳にして和牛ステーキ店を開業するなど、肉に対する探究心は衰えることがありません。経営者としての過ちは認めつつ、美味しい肉を届け続けることに尽力しています。

 

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沖縄発「やっぱりステーキ」が切り開いた新時代

2020年に沖縄から東京に上陸した「やっぱりステーキ」は、希少部位のミスジを丁寧に処理し、安くて美味しいステーキに仕立て上げることで、短期間に全国で約90店舗を展開する新興勢力となりました。

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「やっぱりステーキ」

ミスジステーキの美味しさは「希少部以上」と言われるほど。特に赤身の甘みと柔らかさが人気で、「ステーキを日常食に」したいというコンセプトに沿った低価格戦略が奏功しています。

創業者の義元大蔵社長は「円安で輸入牛の価格が上がっている中、美味しい和牛ステーキを気軽に食べてもらいたい」と語り、ニーズを的確に捉えた新業態で人気を博しています。

 

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外食レジェンド横川竟(きわむ)氏が見た”肉の未来”

すかいらーく創業者で高倉町珈琲の会長も務める横川竟さん(86)は、長年に渡り外食業界の動向を見守ってきた外食のレジェンドです。横川さんが今もこだわるのが、最新の外食店の調査です。実際に足を運び、味や価格、サービスなどを徹底的にチェックし、将来の方向性を模索しています。

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すかいらーく創業者・高倉町珈琲会長 横川竟氏

横川さんは「感動の肉と米」のファストステーキに対し「立地を間違えなければすごいチェーンになる」と高く評価しています。一方で、同業他社の値上げ策について「追っかけっこをやっている」と危惧する一面も。

さらに、牛肉の供給不足が見込まれる将来を見据え「10年後には1万円以下のステーキはなくなるかもしれない」と予測しています。食材の高騰へのサービス対応が外食業界の命運を左右しそうです。

 

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供給不足が迫る”肉離れ”の時代へ

外食業界ではここ数年、人件費の高騰や食材価格の上昇などから、店舗を維持できずに閉店に追い込まれるケースが相次いでいます。その影響は、肉を使うお店にも及んでいます。

さらに肉好きの日本人の食生活に、大きな変化の波が迫ろうとしています。データによると、今後10年で牛肉の供給が世界的に不足するとの予測があり、日本でも高値になるのは必至です。

その時代に向け、すでに動きが見え始めています。一瀬邦夫さんが取り組む和牛ステーキ店は、高くなる外国産肉に頼らず、国産和牛で付加価値を生み出そうという試みです。

一方、「やっぱりステーキ」はミスジなど希少部位を上手に使うことで、お手頃価格のステーキを実現。各社ともに、肉離れの時代を乗り越えるための様々な戦略を展開し始めています。

 

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まとめ:「美味求心力」が導く外食業界の行方

参入障壁の低い外食業界では、いつの時代も新規参入や廃業がくり返されてきました。お客さんの”おいしい”を追求し続ける「美味求心力」によって、業界は常に進化を続けているのです。

コロナ禍を機に一気に複数の新業態が登場し、外食の”肉”を巡る争いは熾烈を極めています。味と速さ、価格帯、食べ方など、それぞれの武器を持って顧客の”おいしい”を満たそうと奮闘しています。

一方で、食材の高騰や供給不足といった、新たな脅威にも直面しつつあります。これまでにない危機に、どのようにして対応していくのかがカギとなりそうです。

「肉の味」を追求しながらも、時代に即した経営判断が求められる。お客さんの求める”本当においしいもの”を提供し続ける「美味求心力」があるかどうかで、外食業界における勝者が決まるはずです。

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