【カンブリア宮殿】クリスプサラダワークスCEO宮野浩史「熱狂的ファンを作るハイテク経営」とモバイルオーダーシステム

2025年2月27日放送の「カンブリア宮殿」で話題となったクリスプサラダワークス。CEO宮野浩史氏が実践する「熱狂的ファンを作る」ハイテク経営とは何でしょうか？この記事では、モバイルオーダーシステムを活用したデータ戦略やドレッシング開発のこだわりなど、外食業界に革命を起こす秘密を詳しく解説します。宮野氏の経営哲学を知ることで、変化する飲食ビジネスの未来像が見えてくるでしょう。

クリスプサラダワークスとは？宮野浩史CEOが語る「熱狂的ファンを作る」外食革命

2025年2月27日、テレビ東京系で放送された「カンブリア宮殿」では、今、都心のオフィスビルに次々とオープンしている人気サラダ店「クリスプサラダワークス」が特集されました。同社は健康志向のユーザーから熱狂的に支持され、現在都心を中心に約30店舗を展開しています。

クリスプサラダワークスの最大の特徴は、そのリピート率の高さです。番組内では、200回以上の来店回数を持つ常連客が多数紹介され、中には900回を超える驚異的なリピーターも。「今日で556回目です。1回食べてみたらすごく美味しくてなんかリピートしちゃいます」と語るお客様の姿が印象的でした。

価格は1500円ほどと少し高めですが、それでも多くの人々が毎日のように通う理由は何でしょうか？クリスプサラダワークスCEOの宮野浩史氏（43歳）は「熱狂的ファンを作ること」をミッションに掲げています。「お客様のことを知れて初めて、お客様の期待を超越できる」という宮野氏の言葉からは、単なる飲食店としてではなく、顧客体験を重視したビジネスモデルを構築していることが伺えます。

カンブリア宮殿で明かされた宮野浩史の経歴と天津甘栗ビジネスから学んだこと

番組では宮野氏の意外な経歴も紹介されました。1981年千葉県生まれの宮野氏は、高校を中退してアメリカへ渡り、ロサンゼルスで天津甘栗の販売ビジネスを始めました。日系スーパーの前で小さなテーブルと栗焼き機を使った簡易な店舗でしたが、驚くことに1日で40〜50万円を売り上げる大ヒットビジネスとなりました。

クリスプの宮野浩史CEO　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（引用：「カンブリア宮殿」より）

当時18〜19歳だった宮野氏は「栗売ってるってなんかダサいな」と思い、また同時多発テロの影響でアメリカを離れ日本へ帰国。その後22歳でタリーズコーヒージャパンに就職するなど外食業界で経験を積みました。

この天津甘栗ビジネスの経験が、現在のクリスプサラダワークスの成功につながっています。宮野氏は「同じものが場所が変わるだけでこんなに喜んでもらえるんだ」という気づきを得たと語っています。「アメリカではサラダをカジュアルに食べる文化が一般的だった」という経験も、日本での差別化されたサラダビジネス構築に活かされたようです。

クリスプサラダワークスの熱狂的ファンを生み出す秘密①：驚きのドレッシング戦略

クリスプの人気の秘密の一つは、その美味しさにあります。特に注目すべきは、多彩なドレッシングの存在です。番組では「ドレッシングが美味しい」「いろいろ自分で選べるのがいい」という顧客の声が紹介されました。

スパイシーバイマイ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（引用：「カンブリア宮殿」より）

例えば、エスニック好きに人気のメニュー「スパイシーバイマイ」には、「メキシカンハニービネグレット」というドレッシングがお勧めです。この製法も番組内で公開され、赤ワインビネガー、グレープシードオイル、濃厚な蜂蜜、そして「アドボ」という辛くない唐辛子を煮込んだ「メキシコの味噌」のような調味料を使用していることが明かされました。

クリスプ商品部の長濱晋司氏　　　　　　　　　　　　　　　　　　（引用：「カンブリア宮殿」より）

クリスプ商品部の長濱晋司氏は「一番やっぱり大変なのはドレッシングでして、その味の伝わりやすさとかちょっと高級感があるんじゃないですけど、結構大変です」と語り、ドレッシング開発にかけるこだわりを表現しています。こうした個性的な味わいが、顧客をクリスプのサラダから離さない理由となっているのです。

クリスプサラダワークスの熱狂的ファンを生み出す秘密②：モバイルオーダーシステムとデータ戦略

クリスプの革新的な点は、味だけではありません。テクノロジーを活用したモバイルオーダーシステムの導入が、顧客体験を大きく向上させています。このシステムにより、顧客は事前にメニューを選択し、キャッシュレスで支払いを済ませることができ、待ち時間をほぼゼロにすることが可能になりました。

番組では「アプリもあるのでオーダーしてたらもうすぐできてるとかっていう感じなんで」という顧客の声が紹介され、忙しいオフィスワーカーにとって大きな魅力となっていることが伺えます。

このモバイルオーダーシステムは単なる利便性の向上だけでなく、貴重な顧客データの収集にも役立っています。宮野氏は「飲食店って普通に行って店頭で誰が誰だかわからないままやり取りをしてるので、お客様が、ユーザー登録をしていただけるので、ユーザーIDをちゃんと付与して、オンラインの世界と近いようなお客様の把握の仕方ができる」と説明しています。

特に注目すべきは、顧客が食後に行う5段階評価のデータです。宮野氏は「5をつけた時っていうのは、この中で例えば商品、なんで5なんですか？っていうとこで、『接客良かったよ』とか」と説明し、特に最高ランクの評価を付けた顧客を分析して改善に活かす戦略を取っています。

宮野浩史CEOが目指す「データの力で勘に頼らない外食」への挑戦

宮野氏は外食業界の従来のビジネスモデルに疑問を持っていました。「外食って1、2店舗で個人でやってますみたいなお店と100店舗、1000店舗やってますってチェーンだとなんとなく1店舗の方がいい店の時も多いような気もするし」と語り、本来であれば資本力や人材の豊富なチェーン店の方がより良いサービスを提供できるはずなのに、そうなっていない現状に問題意識を持っていました。

宮野氏は外食業界の意思決定が「勘」に頼りすぎていると指摘します。「外食って真っ暗闇の中で仕事してるようなもので、真っ暗闇の中でもなんか勘を研ぎ澄ましてうまい成果を出せる人みたいなのが今成果出してるかもしれないけど電気つけようよと。で、それはテクノロジーだと思ってるんで」と語り、データを活用することでより客観的な意思決定が可能になると主張しています。

クリスプでは、「どの商品がどんな顧客層に繰り返し買われているか」などの販売直後のリアルタイムデータを分析できる体制を構築。「リアルタイムに入ってくる15分ごとに入ってくるんでそれこそ昨日発売した商品みたいなのデータもすぐ見れます」と宮野氏は語り、データに基づいた迅速な商品開発サイクルを実現しています。

クリスプワークプレイス：外食業界の働き方を変えるハイテク経営システム

クリスプサラダワークスは顧客体験だけでなく、従業員の働き方改革も進めています。その中心となるのが「クリスプワークプレイス」と呼ばれるシステムです。

このシステムの特徴は、スマホの操作だけで働く日時を確定できる点にあります。さらに驚くべきことに、30ある店舗のどこで働いても構わないという柔軟性が設けられています。ある従業員は「今多分12店舗ぐらい。スタンプラリー感覚でちょっと全部行けたらいいな」と語り、様々な店舗で働ける楽しさを表現しています。

また、人手不足が問題となる時間帯には「この日のこの曜日のこの時間ってのはちょっと人がいないから急に、『200円時給ブーストされます。誰か入りたい人いませんか？』ってバーってアプリに出てきたらすぐ埋まる」と宮野氏は説明し、効率的な人材配置を実現しています。

この結果、クリスプのアルバイト時給は毎年増加しており、ある従業員は「私が入った時よりも、今300円ぐらい高くなりました」と語っています。さらに、スタッフ一人一人への客の評価を数値化し還元する仕組みも計画中で、「人の力というのが今後より重要になってくるので人のこうデータを持ってる会社というのが間違いなく強い」と宮野氏は語っています。

驚きの透明性！クリスプサラダワークスが全てをさらけ出す理由と秘伝レシピ公開の狙い

クリスプサラダワークスの特徴的な経営姿勢として、情報の透明性があります。驚くべきことに、サラダを彩るオリジナルドレッシングのレシピが全てインターネット上で公開されているのです。
（ドレッシングのレシピはこちら）

さらにその透明性は、経営データにまで及んでいます。ホームページの「クリスプマトリックス」では、各店舗の注文実績、単価の推移、顧客の満足度、アルバイトの平均時給まで公開されています。

宮野氏はこの方針について「インターネットの会社とかはそういうのを決算とかで開示してる会社さんってあるんですけど、外食の会社さんってほとんどそういうのは開示されてないんで、少しでも僕らのこうデータっていうのが参考になって魅力的な業界にこうなる、きっかけに少しもなればいいなって思います」と説明しています。

この全てをさらけ出す姿勢には、外食業界に変革を起こそうという宮野氏の強い意気込みが現れています。

まとめ：カンブリア宮殿が注目したクリスプサラダワークスと宮野浩史CEOの外食革命

2025年2月27日に放送されたカンブリア宮殿で特集されたクリスプサラダワークスは、単なるサラダチェーン店ではなく、テクノロジーとデータを駆使した新しい外食ビジネスのモデルケースです。現在30店舗を展開し、年商25億円を突破するまでに成長した背景には、宮野浩史CEOの革新的な経営哲学があります。

「熱狂的ファンを作る」というミッションのもと、モバイルオーダーシステムによる顧客データの収集と分析、多彩で美味しいドレッシング戦略、クリスプワークプレイスによる従業員の柔軟な働き方の実現、そして徹底した情報公開による透明性の高い経営など、様々な施策が功を奏しています。

宮野氏は「人とテクノロジーの力を掛け合わせて外食を日本の外食をもっと魅力的なものにしてこうよ」と語り、外食業界にデータを活用した客観的な意思決定を取り入れる重要性を説いています。この取り組みは、単に効率化を図るためではなく、「人」の価値を最大化するためのものであり、「人生変えるようなことて僕らの店で起きないかもしれないけど、ちょっとしたいいことて、起こせる」という宮野氏の言葉からは、外食に対する深い洞察と愛情が感じられます。

カンブリア宮殿の村上龍氏が番組後に「サラダだけにとどまらないだろう」と述べたように、クリスプサラダワークスと宮野浩史CEOが推進する外食革命は、これからも多くの業界関係者から注目を集めることでしょう。

※本記事は、2025年2月27日放送（テレビ東京系）の「カンブリア宮殿」を参照しています。

・クリスプサラダワークスのHPはこちら

・クリスプサラダワークスのドレッシング全8種のレシピはこちら