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【クローズアップ現代】山上徹也被告に判決「家族の呪縛」とは何か

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2026年1月21日、安倍元首相銃撃事件の山上徹也被告に無期懲役の判決が言い渡されました。NHK「クローズアップ現代」では、宗教社会学者・櫻井義秀教授の分析や宗教2世の証言を通じて、事件の深層に迫りました。この記事では、判決の内容から「家族の呪縛」の意味、そして私たちに何ができるのかまで、番組の要点を詳しくお伝えします。


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山上徹也被告への判決は「無期懲役」裁判で明らかになった事実

2026年1月21日、奈良地方裁判所において、山上徹也被告(45歳)に対し無期懲役の判決が言い渡されました。田中伸一裁判長は「犯行は卑劣で極めて悪質。殺人の意思決定に生い立ちが大きく影響したとは言えない」と述べ、検察側の求刑通りの判決となりました。

15回に及んだ審理では、事件の詳細な経緯だけでなく、山上被告の家庭環境についても明らかにされました。母親は旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の熱心な信者で、被告の兄の病気をきっかけに入信。その後7年間で1億円もの献金を行い、家庭は経済的に追い詰められていきました。

法廷で母親は「献金することが大事だと思いました」と証言。子どもたちの将来については「何か道があるんだろうなと思いました」と述べており、家族の生活よりも信仰を優先していた実態が浮き彫りになりました。

弁護側は被告の生い立ちが「宗教的虐待」に当たるとして、最長でも懲役20年にとどめるべきだと主張していました。しかし判決では、背景として認められたものの、違法な状態があったとまでは踏み込まれませんでした。

判決後、弁護団は「検察側の主張を全面的に採用するような結果。力が及ばず申し訳ない」とコメントし、控訴については被告と協議した上で判断するとしています。


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宗教2世が語る苦悩|山上被告の境遇に自らを重ねて

番組では、旧統一教会の信者を親に持つ「宗教2世」たちの声が紹介されました。彼らは山上被告の裁判を、複雑な思いで見つめてきたといいます。

宗教2世の永田さん(20代・仮名)は、両親の献金によって困窮した生活を送ってきました。「学校で必要なものを十分に買い与えてもらえなかった。ずっと理不尽だなと思っていた」と当時を振り返ります。

永田さんは山上被告の行為自体は理解できないとしながらも、「気持ちとしては理解できる」と語りました。「長年、統一教会に苦しめられて、ずっと耐えてきたんだなと。とんでもない闇というか、苦しみを抱えていて、それが爆発してしまったんだなと」。

永田さん自身も、信仰を否定しているわけではなく「一般社会で暮らしたいだけ」なのに理解してもらえない苦しみを味わってきました。信者以外は「サタン」とされ、友人や異性との交流も制限される中、弟との時間だけが支えだったといいます。

しかし、その弟も精神的な不調に苛まれ、自ら命を絶ちました。葬儀場には教団が準備した祭壇があり、信者から白いネクタイをつけるよう指示されたそうです。「弟は統一教会に対して拒否反応を示していたのに、葬儀に教団の旗を立てられているような感覚だった」と永田さんは憤りを語りました。

この体験は、山上被告が兄の葬儀で味わった苦しみと重なります。山上被告の兄も2015年に自殺し、葬儀は母親の独断で教団方式で執り行われました。山上被告は「やめてくれ、帰ってくれ」と言ったものの、信者たちは「では始めます」と無視したといいます。妹の証言によれば、普段感情を表に出さない山上被告が泣いていたそうです。

永田さんは現在、宗教2世たちが教団に対して起こした集団訴訟に参加しています。この訴訟は2026年1月28日から東京地裁で始まります。


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櫻井義秀教授が読み解く「家族の呪縛」と犯行への道筋

宗教社会学者で北海道大学大学院の櫻井義秀特任教授は、山上被告と5回にわたり計10時間面会を重ねてきました。判決当日も奈良地裁で傍聴し、番組で分析を語りました。

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北海道大学大学院の櫻井義秀特任教授                   (引用:「毎日新聞」より)

櫻井教授が面会を通じて見出したキーワードは「家族の呪縛」です。これは、山上被告が家族に対して過剰なまでの責任感を抱いていたことを指します。

母親が入信したことで家族が困窮すると、祖父と兄がこれを強く批判しました。その中で山上被告は母親を擁護する立場を取り、母親のケアを続けていたといいます。やがて祖父が亡くなり、兄が自死すると、山上被告は兄が担っていた「批判者としての役割」を引き継ぎ、母親の背後にある統一教会へと怒りを向けるようになりました。

櫻井教授は興味深い指摘をしています。母親は家族の生活を破綻させてでも献金を続けました。同様に、山上被告も一度目標を設定すると、手段の適切性をあまり考慮せず最後まで遂行してしまう特徴があったというのです。「驚くほどの忍耐力でそれをやってしまった」と櫻井教授は述べています。

これは単なる性格の問題ではなく、母親の信仰のあり方から影響を受けた可能性を示唆しています。目的のためには手段を選ばないという思考パターンが、母子間で共通していたのかもしれません。

判決に対して櫻井教授は、「山上被告にとっては厳しい判決だった」としながらも、「公衆の面前で一人の人を殺害し、他の人にも被害が及ぶような危険な犯行だったという、刑事司法の判決としては簡明だった」と評価しました。

一方で、「宗教被害や宗教的児童虐待があったという背景は認められたものの、そこに違法な状態があったとまで踏み込んでいないことが残念だった」とも述べています。


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安倍元首相がターゲットになった経緯|ビデオメッセージの衝撃

山上被告はなぜ、教団への恨みを安倍元首相に向けたのでしょうか。

事件の3年前、山上被告は当初、旧統一教会のハン・ハクチャ総裁を襲撃しようと計画していました。火炎瓶を用意したものの、直前で断念。その後、銃を使った襲撃を考え、手製で試作を始めていた時期に、あるビデオメッセージを目にしたのです。

それは安倍元首相が旧統一教会の関連団体に寄せたビデオメッセージでした。「ハン・ハクチャ総裁をはじめ、皆様に敬意を表します」という内容に、山上被告は衝撃を受けました。

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安倍元首相のビデオメッセージより                         (引用:「NEWSポストセブン」より)

法廷で山上被告はこう証言しています。「非常に長い期間務めた元総理なので、どんどん社会的に認められて、問題ない団体として認識されるのではないかと思った。被害を被った側からすると、非常に悔しく、受け入れ難い」。

実は、このビデオメッセージに対しては事件の10ヶ月前、旧統一教会の被害者救済に取り組んできた弁護士・山口広氏らが抗議文を送っていました。「被害拡大を煽ることになるから慎重に対応してください」という内容でしたが、「受取拒否」の状態だったといいます。

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山口広弁護士(引用:「日本経済新聞」より)

宗教2世の田中さん(仮名)も、このビデオメッセージに衝撃を受けた一人です。教団と政治家との関係が公になり、「もう社会は見過ごしてしまって誰も助けてくれないのかなという絶望」を感じたと語りました。

標的の変更は1週間でなされました。櫻井教授は「面談を重ねたが、それは十分に分からなかった。法廷でも本人の言で十分に明かされるまでには至っていなかった」と述べ、この点については謎が残るとしています。


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判決後も残る課題|私たちに何ができるのか

判決が出ても、すべての課題が解消されたわけではありません。

最も大きな課題は、政治と旧統一教会の関わりについてです。これは今回の裁判の争点ではなかったため、新たな事実は明らかになりませんでした。事件後、自民党をはじめ各政党が旧統一教会との接点について調査結果を公表し、今後一切関係を持たないとする方針を決定しました。しかし最近では、韓国にある教団本部から内部文書が流出し、改めて政治家との関係が波紋を広げています。

また、旧統一教会の解散命令請求についても、東京高裁での審理が終わり、年度内にも判断が示される可能性があります。

櫻井教授は、同じような悲劇を繰り返さないために必要なことをこう語りました。「裁判や報道において真相を解明したい、知りたいという方は非常に多い。しかしそれと同時に大事なのは、こうした悲劇的な事件が起きないように、どう予防するのかということ」。

具体的には、宗教2世がどういう状況に置かれているのか、どう支援していくのかを考える必要があるといいます。山上被告は学校の先生や精神科医、宗教者に統一教会との関わりや家族の問題を語っていました。しかし、踏み込んでサポートしてくれる人がいなかったのです。

「法律家、医療者、教育に携わる人、宗教に携わる人たちが協力してやっていかないと、また追い込まれる人が出てくる。絶望の果てに悲劇的な事件を起こさないために、私たちに何ができるのか、是非皆さんに支援をお願いしたい」。

周囲の関わり方次第では、今回の事件を防ぐことができたかもしれない。そう考えると、仕組み作りと合わせて、一人一人にできることがまだあるように思います。


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まとめ

2026年1月21日放送のNHK「クローズアップ現代」では、山上徹也被告への無期懲役判決と、その背景にある「家族の呪縛」について深く掘り下げました。

母親の1億円に及ぶ献金、兄の自殺、教団方式で行われた葬儀への憤り。山上被告が抱えていた積年の苦しみは、宗教2世たちの体験と重なる部分が多くありました。

櫻井義秀教授が指摘した「家族への過剰な責任感」は、彼がなぜあのような凶行に至ったのかを理解する一つの鍵になるかもしれません。ただし、それは決して犯行を正当化するものではありません。

この事件が私たちに突きつけているのは、苦しんでいる人に手を差し伸べる社会的な支援体制の必要性です。法律家、医療者、教育者、宗教者が連携し、追い込まれた人を救う仕組みを作ること。そして、私たち一人一人が周囲の声なき声に耳を傾けること。それが、同じ悲劇を繰り返さないための第一歩なのではないでしょうか。

※ 本記事は、2026年1月21日放送の人気番組NHK「クローズアップ現代」を参照しています。

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