2025年11月16日放送の「がっちりマンデー！！」で紹介されたアヲハタの冷凍フルーツが話題です。冷凍庫から出してすぐに食べられる「柔らかフローズン製法」とは一体何なのか？この記事では、カチコチにならない秘密、独自の果汁の組合せ、そして開発者が明かす技術の真髄まで詳しく解説します。今期5億円の売上を誇る革新的商品の全貌をご覧ください。
アヲハタ「くちどけフローズン」とは?凍ったまま食べられる革新的冷凍フルーツ
広島県竹原市に本社を置くアヲハタ株式会社は、売上205億円を誇る国内トップのジャムメーカーとして知られています。そんな老舗企業が開発した「アヲハタくちどけフローズンシリーズ」は、冷凍フルーツの常識を覆す画期的な商品です。
アヲハタのくちどけフローズンシリーズ （引用：「がっちりマンデー」より）
最大の特徴は「凍ったまま食べられる」こと。通常の冷凍フルーツは凍らせるとカチコチになり、すぐには食べられません。冷凍バナナや冷凍みかんも、最初は固くて歯が立たないのが当たり前でした。しかし、くちどけフローズンは冷凍庫から取り出した瞬間から、くしゅっとした柔らかい食感で食べられるのです。
この「即食できる冷凍フルーツ」は、2023年の発売以来右肩上がりで成長を続け、今期は過去最高の5億円を達成。冷凍フルーツ市場自体も5年前と比べて約1.4倍に急成長しており、まさに時代のニーズを捉えた商品といえるでしょう。
現在のラインナップは、いちご、青りんご、白桃、アプリコットの4種類。1袋80グラムで80キロカロリー以下とヘルシーな設計になっており、そのまま食べるだけでなく、ドリンクの氷代わりやスイーツのトッピングとしても活用できます。
柔らかフローズン製法の仕組み:濃厚生果汁の浸透で実現する口どけ
では、なぜアヲハタの冷凍フルーツはカチコチにならないのでしょうか？その秘密は、特許を取得した独自の「柔らかフローズン製法」にあります。
開発者の三好徹さん（アヲハタ研究開発本部）が明かした製法は実にシンプルながら科学的。まず、いちごをそのまま冷凍庫に入れるのではなく、濃い果汁の中に漬け込みます。すると「浸透」という現象が起こり、いちごの中の水分が外に出て、代わりに濃厚生果汁が中に入り込むのです。
アヲハタ(株)研究開発本部の三好徹さん （引用：「がっちりマンデー」より）
ここがポイントです。濃度が濃い液体は、水と比べて凍りにくい性質があります。そのため、果汁が浸透したフルーツを凍らせても、中の水分が完全に凍結せず、結果として柔らかい食感が保たれるという仕組みです。
三好さんは「漬け方、時間、温度など、本当に数百パターン試しました」と開発の苦労を語っています。この浸透現象を最適化するために、膨大な試行錯誤が重ねられたのです。
従来の冷凍フルーツとの違いは歴然でした。番組の食べ比べでは、普通の冷凍いちごは「味が薄く水っぽい」、いちご果汁に漬けた冷凍いちごは「酸っぱくていちごの良さが全くない」という評価。一方、アヲハタの冷凍いちごは「めっちゃ配合してる、これうまい」「いちごの甘さ」と絶賛されました。
開発者・三好徹さんが明かす果汁の組合せの秘密
さらに驚くべきは、この製法で最も難しいとされるのが「果汁の組合せ」だということ。いちごだからといって、いちご果汁に漬ければ良いわけではないのです。
三好さんによれば「いちご果汁だと、色が真っ黒になってしまったり、いちごらしい香りが出ない」のだそう。そこで辿り着いた答えが、いちごには「ぶどうとレモンの果汁」の組合せでした。
この組合せこそが、いちごの香りと味を最も引き立てる黄金比。何百というパターンを試した末に発見された、まさに科学的な配合なのです。
他のフルーツにも最適な組合せがあります。白桃にはりんご果汁、青りんごにはぶどう果汁が相性抜群だとか。フルーツごとに異なる最適解を見つけ出す作業は、まさに職人技と科学の融合といえるでしょう。
番組でも大沢あかねさんが「科学だね」と感嘆していましたが、美味しさの追求には深い研究と知見が必要だということが、この果汁の組合せから見て取れます。
アヲハタだからできた技術:ジャム作りで培った冷凍研究の歴史
この革新的な技術は、実はアヲハタが長年蓄積してきたノウハウの結晶です。なぜジャムメーカーが冷凍技術に長けているのか？その答えは、ジャム製造の工程にありました。
三好さんは説明します。「ジャムは、海外で作った果物を、現地で加工して、冷凍して、輸入しています」。つまり、アヲハタは創業以来、冷凍に関する研究を長年続けてきた企業なのです。
世界各地に調達拠点を持ち、チリや中国には自社拠点まで設置。海外の果物を最高の状態で日本に届けるため、冷凍保存と品質管理の技術を磨き続けてきました。この積み重ねがあったからこそ、「柔らかフローズン製法」という独自技術が生まれたといえます。
(株)アヲハタの藤原かおり取締役 （引用：「がっちりマンデー」より）
藤原かおり取締役（研究開発本部およびマーケティング本部担当兼マーケティング本部長）は「ジャム作りで培ったノウハウを元に、冷凍フルーツ事業に参入した」と語っています。既存の強みを活かした新規事業展開の成功例として、ビジネス的にも注目に値する戦略です。
セブンイレブンPBで販売中!くちどけいちごの購入方法と価格
この革新的な冷凍フルーツは、すでに身近な場所で購入できます。特に注目なのが、セブンイレブンのプライベートブランド(PB)として展開されている「くちどけいちご」です。価格は192円と手頃で、コンビニで気軽に試せるのが魅力でしょう。
セブンイレブンPBの「くちどけいちご（192円）」 （引用：「がっちりマンデー」より）
実は、セブンイレブンでの販売は2020年5月に前身商品として先行スタートしており、SNSで大きな話題を集めた実績があります。その後、2023年3月に「アヲハタくちどけフローズン」として本格的にブランド展開がスタートしました。
現在は全国の量販店でも取り扱いが広がっており、いちご、青りんご、白桃、アプリコットの4種類から選べます。80グラム入りで80キロカロリー以下という点も、健康意識の高い消費者に支持される理由の一つです。
藤原取締役は番組で「セブンイレブンさんのプライベートブランドとして、置いてもらってます」と嬉しそうに語り、「伸びしろしかないですね」と自信を見せていました。大手コンビニとのタイアップは、今後の販路拡大にも大きな期待が持てます。
藤原かおり取締役が語る冷凍フルーツ市場の今後と展開予定
冷凍フルーツ市場の将来性について、藤原取締役は明確なビジョンを持っています。「冷凍することで、賞味期限が長くなるので、便利に使ってもらって、市場が広がっている」と、成長の理由を分析します。
実際、日本が推奨するフルーツの1日摂取量は200グラムですが、これを達成できている人はわずか13%。「日持ちがしない」「皮をむくのが手間」といった理由で、フルーツ摂取の機会が失われているのが現状です。
くちどけフローズンは、まさにこの課題を解決する商品。冷凍保存で長期保存が可能になり、皮をむく手間もなく、いつでも好きな時に食べられます。遠方への輸送も容易なため、マーケットの拡大余地は非常に大きいのです。
三好さんは番組で「梨も試したことがあって、結構美味しいのができそうです」と新商品への期待を匂わせました。技術的な可能性はまだまだ広がっており、今後のラインナップ拡充にも注目が集まります。
アヲハタは「フルーツで世界の人を幸せにする」というビジョンを掲げており、冷凍フルーツ事業をその重要な柱と位置づけています。既存のジャム事業で培った信頼とノウハウを武器に、新たな市場創造に挑戦する姿勢は、多くの企業にとって参考になるでしょう。
まとめ
アヲハタの「くちどけフローズン」は、特許技術「柔らかフローズン製法」により、冷凍フルーツの常識を覆しました。濃厚生果汁の浸透を利用してカチコチにならない食感を実現し、さらに果汁の組合せという科学的アプローチで最高の味わいを追求しています。
開発者の三好徹さんによる数百パターンの試行錯誤、藤原かおり取締役が描く市場拡大のビジョン、そして老舗ジャムメーカーとしての冷凍研究の蓄積。これらすべてが融合して生まれた革新的商品です。
今期5億円の売上、セブンイレブンPBでの展開、そして「伸びしろしかない」という自信に満ちた言葉。冷凍フルーツ市場が5年で1.4倍に成長する中、アヲハタの挑戦はまだ始まったばかりです。
「即食できる冷凍フルーツ」という新しいカテゴリーを切り開いたアヲハタ。その技術力と商品開発力は、日本の食品業界における新たな可能性を示しています。コンビニやスーパーで見かけたら、ぜひ一度その革新的な口どけを体験してみてください。
※ 本記事は、2025年11月16日放送（TBS系）の人気番組「がっちりマンデー！！」を参照しています。
※ アオハタ株式会社の公式サイトはこちら
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