2025年11月9日放送の「がっちりマンデー!!」で紹介された兵藤製作所のラーメン学校が、今業界で大きな注目を集めています。ラーメン市場が7900億円と過去最高を記録する一方で、原材料費高騰や人手不足により閉店が相次ぐ厳しい時代。そんな中、年商6~10億円を稼ぐ兵藤製作所の兵藤沢人社長が教える「売れるラーメン」の作り方とは?この記事では、受講料16万5000円の実践的カリキュラムから卒業生の成功事例まで、番組では語られなかった深い洞察も交えながら徹底解説します。
兵藤製作所とは?年商6~10億円を支える「ラーメン学校」ビジネス
栃木県小山市に本社を構える株式会社兵藤製作所は、一見すると普通のラーメン関連機器販売会社に見えるかもしれません。しかし、その実態は業界の常識を覆すビジネスモデルを確立している注目企業です。
社長の兵藤沢人さんが率いる同社は、ラーメンの丼やレンゲといった小物から、厨房で使う寸胴、コンロなどの大型設備まで、ラーメン屋さんで使うありとあらゆるアイテムを扱っています。その年商規模は6億円から10億円の間を推移しており、業界では確固たる地位を築いています。
ただ、兵藤社長自身が番組内で語ったように「販売だけやっててもそんなに儲からない」のが現実です。では、なぜ年商6~10億円規模のビジネスを維持できているのか?その秘密こそが「プロのためのラーメン学校」という独自事業なのです。
この学校は、単なる趣味のラーメン教室ではありません。実際にラーメン屋を出したい人、既に店を持っているが売上に悩んでいる人に向けて、「売れるラーメン」の作り方を徹底的に教える実践型スクールです。兵藤さんが強調するのは「普通のラーメンではなく売れるラーメンを教えている」という点。この差別化戦略こそが、同社のビジネスモデルの核心部分と言えるでしょう。
「売れるラーメン」を教える学校の全貌【受講料・期間・内容】
プロのためのラーメン学校の具体的な内容を見ていきましょう。受講料は1人16万5000円。決して安くはない金額ですが、この価格設定には明確な理由があります。
カリキュラムは丸3日間、トータル29時間という集中講座形式。この短期間で10種類ものラーメンの作り方と、5つのサイドメニューの調理法を習得できる設計になっています。番組で取り上げられた受講生たちの真剣な眼差しが印象的でしたが、「一語一句聞き逃さないように書いている」という受講生の言葉からも、その内容の濃さが伝わってきます。
講師を務めるのは小林剛さんをはじめとするベテランスタッフ。しかし、ここに驚くべき事実があります。実は兵藤さん以外のスタッフの多くは、このラーメン学校の卒業生で、しかも成功を収めた人たちがボランティアで教えているのです。「兵藤さんへの恩返し」として、無償で後輩たちの指導にあたる。このエコシステムこそが、本物の成功ノウハウが共有される理由なのでしょう。
受講生の中には、将来の独立を目指す人、既に飲食店を営んでいるがラーメン事業に参入したい人など、背景は様々です。共通しているのは「ガッチリ儲かりたい」という本音と、そのための具体的なノウハウを求めている点です。
お金やレシピまで公開!超実践的なカリキュラムの中身
このラーメン学校が他と一線を画すのは、その生々しいまでの実践性にあります。番組を見た多くの視聴者が驚いたのは、兵藤さんが原価計算を細かく公開していた場面でしょう。
例えば、チャーシュー麺のような商品の原価計算。チャーシューを取る段階で出たスープを活用すれば、スープ原価はわずか6.12円。これに麺やチャーシューを合わせても約169.12円で、900円で提供すれば原価率は約20%に抑えられる計算です。一般的にラーメンの原価率は35~40%と言われている中、これは驚異的な数字です。
さらに注目すべきは、最新トレンドへの対応力です。兵藤さんは「もち小麦」という素材を使った油そばの作り方を例に挙げ、「空前の油そばブーム」を的確に捉えた商品開発の重要性を説きます。元々お菓子用だったもち小麦は茹で時間が早く、もちもちした食感が特徴。「これを何に合わせるかがチャンス」と兵藤さんが語るように、新素材と既存メニューの組み合わせこそが差別化のポイントなのです。
さらに驚くべきは、エスプーマで泡立てたフュージョン系ラーメンなど、インバウンド向けの戦略まで指導している点。「インバウンド系の人は深い味わいのものが好き」という分析から、どの地域にどんな店を出すべきかまでアドバイスする徹底ぶりです。
番組スタッフが「細かく書いてるけどいいんですか?」と心配したのも無理はありません。しかし兵藤さんは「全然大丈夫。これぐらい細かく書いてあげた方がそのままお店できる」と断言。お金とレシピの両方を惜しみなく公開する姿勢こそが、この学校の真骨頂なのです。
兵藤沢人社長の経歴と「教える側に回った」理由
番組内で加藤浩次さんが「兵藤さん自体がラーメン店、チェーン店作った方がめっちゃ儲かるんじゃない?」と指摘したのは、多くの視聴者が感じた疑問でしょう。これだけのノウハウがあれば、自分で店を展開した方が確実に儲かるはずです。
しかし、兵藤さんの答えは意外なものでした。「やった方が成功するのを見るのが楽しい」「いろんな経験をさせていただけるので、その方が楽しい」と語る兵藤さん。番組収録時はチェコにいて、ヨーロッパでラーメンを教えていたというのですから、その活動範囲の広さには驚かされます。
この哲学の背景には、単なる利益追求を超えた視点があるように思えます。1店舗を成功させるよりも、1016人の卒業生を輩出し、それぞれが地域で、国で、世界で成功していく姿を見る方が、はるかに大きな達成感があるのでしょう。ゲストの田渕章裕(ちょんまげラーメン)さんが「(スラムダンクの)安西先生みたいに見えてきた」と評したのも、的を射た表現です。
さらに重要なのは、このモデルが持続可能な儲けの仕組みになっている点です。ラーメン学校で成功の種を蒔き、卒業生が繁盛すれば厨房機器や道具を購入してくれる。1店舗あたり300万円から1000万円規模の設備投資が発生するため、これが本業の売上に直結します。「教える」ことが「売る」ことに繋がる、まさにWin-Winのビジネスモデルなのです。
卒業生の成功事例!梁(リャン)さんら1016人の実績
13年間で1016人という卒業生数は、単なる数字以上の意味を持ちます。その中には、実際に大きな成功を収めている人たちが複数います。
番組で紹介された梁(リャン)さんのケースは特に印象的でした。もともと次郎系ラーメンの店を営んでいましたが、赤字に苦しんでいたといいます。しかし、ラーメン学校で学び、兵藤さんのサポートを受けて味噌ラーメンの店に業態転換すると、売上は2.5倍に急増。さらに現在は中国の広州にラーメン店を出店するまでに至っています。「儲かってるんですね?」というスタッフの質問に「ぼちぼち(笑)」と答える謙虚さも印象的でした。
別の卒業生は、元々中華料理屋の二代目でしたが、オペレーションなどを学んで店舗展開に成功。「売上で言うともう何十倍になっている」という言葉からも、学んだ内容の実効性が伝わってきます。
こうした成功事例が積み重なることで、ラーメン学校の信頼性はさらに高まり、新たな受講生を呼び込む好循環が生まれています。そして成功した卒業生がスタッフとして戻ってくる文化が、ノウハウの蓄積と進化を促進しているのです。
まとめ:兵藤製作所のラーメン学校が「がっちり儲かる」仕組み
兵藤製作所のビジネスモデルは、一見シンプルながら極めて戦略的です。ラーメン学校で「売れるラーメン」の作り方を教え、卒業生が成功すれば厨房機器や道具の販売に繋がる。この循環が年商6~10億円を支える基盤となっています。
2025年現在、ラーメン市場は7900億円と過去最高を記録していますが、同時に原材料費高騰や人手不足という深刻な課題も抱えています。こうした激動の時代だからこそ、兵藤さんが提供する「売れるラーメン」の実践的ノウハウの価値は一層高まっているのです。
16万5000円という受講料は決して安くありませんが、原価率を35~40%から20%台に下げられる知識、最新トレンドを取り入れた商品開発力、インバウンド対応の戦略まで学べることを考えれば、むしろ投資対効果は高いと言えるでしょう。
最後に、兵藤さんの「サポート側に回る」という選択は、ビジネスにおける新しい成功の形を示しているように思えます。自分が直接儲けるのではなく、多くの人を成功させることで結果的に大きなリターンを得る。このモデルこそが、これからの時代に求められる持続可能なビジネスのあり方なのかもしれません。
※ 本記事は、2025年11月9日放送(TBS系)の人気番組「がっちりマンデー!!」を参照しています。
※ 株式会社 兵藤製作所(キッチンヒョードー)の公式サイトはこちら




コメント