2024年1月14日のがっちりマンデー!(TBS系)でニトリの似鳥昭雄会長兼CEOが気になる会社として(有)パインランドデーリィ(松村孟社長)とA2ミルクが紹介されていました。牛乳は体に良い飲み物ですが、消化吸収の悪さでお腹をこわす方も少なくありません。そんな牛乳には従来品と比べてお腹に優しい「A2ミルク」が注目されています。本記事では、北海道の酪農「(有)パインランドデーリィ」でA2ミルク生産に力を入れる松村孟社長にスポットを当てます。最新デジタル技術を駆使して酪農業界のパラダイムシフトを起こしたパインランドデーリィの挑戦を通じ、消費者や酪農関係者の理解が深まることでしょう。
パインランドデーリィの概要と最新鋭設備
(有)パインランドデーリィは、北海道興部町にある乳牛の飼育と牛乳生産を手がける会社です。2023年の売上高は15億円に達し、右肩上がりの成長を遂げています。乳牛の頭数は約2,000頭で、年間の生乳生産量は約11,000トンにも及びます。これは全国でもトップクラスの規模を誇る大規模酪農場「ギガファーム」と呼ばれる牧場なのです。
このパインランドデーリィで採用されている最新鋭の搾乳設備が「パラレルパーラーの20頭ダブル」です。これは左右に20頭ずつ、合計40頭の乳牛を同時に搾乳できる次世代型搾乳システムです。
松村社長が取り入れた自動化設備とは?
パインランドデーリィの松村孟社長は、10年前までは銀行員をしていました。実家の興部町で酪農を継ぐにあたって、当時のアナログな酪農業務を見て、これからはテクノロジーを取り入れた運営が必要だと考えたそうです。そこでパソコンによるデータ管理や世界最先端の搾乳機械を積極的に取り入れることで、生産性と効率化を飛躍的に高めることに成功しました。
具体的には1時間当たりの搾乳頭数を従来の60頭から200頭以上に引き上げたほか、子牛への哺乳業務も自動化する設備「カーフレール」を導入しています。このおかげで過去10%だった子牛の死亡率を1~2%まで減らすことに成功しているそうです。
お腹に優しい「A2ミルク」とは?
パインランドデーリィで注目したいのが、お腹に優しい「A2ミルク」の生産です。
牛乳に含まれるタンパク質「ベータカゼイン」には「A1型」と「A2型」の2種類があることが判明しています。このうち「A2ミルク」に含まれるA2型のベータカゼインは、胃腸に負担をかけにくいとされています。
つまりA2ミルクを飲むことで、普通の牛乳を飲んだ場合に起こりやすいお腹のゴロゴロ感や消化不良などを緩和できる可能性があるのです。
パインランドデーリィでは牛の遺伝子検査を行い、A2型の牛とそうでない牛を区別しています。現在乳牛全体の6割以上がA2型で、今後新たに生まれる牛は全頭A2型を目指しているとのこと。将来的にはパインランドデーリィの全ての牛乳がA2ミルクになる計画だそうです。
設備投資で酪農業界も変革できる
酪農や印刷業界など、衰退産業と言われがちな業界も、最新鋭設備を積極的に投資・導入することで生産性と効率化を大きく向上させ、業界の風景を一変させることが可能です。松村社長のパインランドデーリィは、その好例であると言えるでしょう。
まとめ
パインランドデーリィの松村社長は、最新の技術と機械装置を取り入れることで、生産性と効率性を大きく向上させ、新たな可能性を酪農業界にもたらしました。
特に業界や消費者から注目されている「A2ミルク」では、酪農技術の進化と科学的なアプローチによって、従来の牛乳よりもお腹に優しい乳製品を生産できるようになりました。
酪農業界に限らず、技術革新と挑戦する姿勢こそが、時代の変化に対応していく鍵となるのです。
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