今、カフェチェーン業界で注目を集めているのが、C-United（シーユナイテッド）の友成勇樹社長です。2024年12月19日放送の「カンブリア宮殿」で紹介された同社は、珈琲館、カフェベローチェ、カフェ・ド・クリエという3つの個性的なカフェチェーンを統合し、業界の常識を超えた経営改革で業績を伸ばしています。この記事では、友成社長がどのようにしてカフェチェーンを再生させ、成長軌道に乗せたのか、その経営術の核心に迫ります。
カフェチェーンC-Unitedの友成勇樹社長が実践する常識を超えた経営術とは
東京・芝大門に本社を構えるC-Unitedは、約1,000人の社員を抱える企業に成長しました。61歳の友成勇樹社長は、かつて日本マクドナルドで世界中の幹部候補生を指導した経験を持つ人物です。その経験を活かし、各カフェチェーンの特性を最大限に引き出す独自の経営手法で、業界に新しい風を吹き込んでいます。
珈琲館・カフェベローチェ・カフェ・ド・クリエの再生までの軌跡
珈琲館は1970年創業の老舗カフェチェーンでしたが、2008年にUCCグループによる買収、そして2018年に現在のC-Unitedへと経営が移管されました。コロナ禍でのピンチを転機に、友成社長は大胆な改革を実行。食事メニューの強化や11種類のコーヒー豆からの選択制導入など、独自の価値提供で売上を伸ばし、コロナ前の約140%にまで業績を回復させています。
珈琲館 （引用：「カンブリア宮殿」より）
C-United友成勇樹社長が実践する3つの経営改革
第一に、各店舗の個性を活かした差別化戦略を展開しています。珈琲館では中高年層向けに落ち着いた空間と本格的な食事メニューを提供し、2023年には銀座にも出店。カフェベローチェではビジネスパーソン向けに作業がしやすい環境を整備し、カフェ・ド・クリエでは女性客向けのヘルシーメニューを充実させるなど、それぞれの特徴を明確に打ち出しています。
C-United株式会社の友成勇樹社長 （引用：「カンブリア宮殿」より）
信頼関係構築を重視したC-Unitedならではの人材育成
友成社長は「信頼関係の構築には公式がある」と説きます。「相手を尊重する（リスペクト）」に「信用（クレディビリティ）」を加えることで「信頼（トラストワーシー）」が生まれるという考えのもと、2022年には社内に「珈琲大学」を設立。アルバイトから人事部員まで、全社員が受講するプログラムを通じて、コミュニケーション力と専門知識の向上を図っています。
コロナ禍での大胆な決断：カフェチェーン買収と再建への挑戦
2020年2月、友成社長はカフェベローチェの買収を決断しました。しかし、その直後に新型コロナウイルスが猛威を振るい、厳しい経営状況に直面します。それでも友成社長は「商品群や使い勝手の良さは十分通用する」と確信し、撤退を選択せずに再建に挑戦。店内環境の改善やメニューの刷新を行い、ビジネスパーソンのニーズに応える店舗作りに成功しました。さらに2022年には、サッポログループから長年業績不振だったカフェ・ド・クリエも買収し、女性客向けの健康志向メニューで再生を果たしています。
カフェ・ド・クリエ （引用：「カンブリア宮殿」より）
マクドナルドでの経験が活きたC-Unitedの組織づくり
友成社長は日本マクドナルド時代、アメリカ本社のハンバーガー大学で世界中の幹部候補生の指導を担当。当初は日本人講師という理由で大きな反発を受けましたが、質問された内容を必ず翌日までに調べ上げ、英語でレポートにまとめて返すという地道な努力で信頼を獲得しました。この経験は現在のC-Unitedの人材育成にも活かされており、特に「珈琲大学」での教育プログラムに大きく反映されています。
各カフェチェーンの特徴を活かした差別化戦略
業界大手のスターバックス（1,908店舗）、ドトール（1,075店舗）、コメダ珈琲（996店舗）が席巻する中、C-Unitedは各チェーンの独自性を強化する戦略を採用。珈琲館では店内調理にこだわった食事メニューと銅板で焼き上げる伝統的なホットケーキ、カフェベローチェでは手軽に食べられるサンドイッチ類、カフェ・ド・クリエではフレッシュフルーツを使用したスムージーなど、それぞれのブランド価値を高めています。
カフェ・ベローチェ （引用：「カンブリア宮殿」より）
珈琲館55周年、C-United友成社長が描く未来戦略
2025年に創業55周年を迎える珈琲館を軸に、友成社長は海外展開も視野に入れた新たな挑戦を始めています。2025年3月には京都・錦市場近くに95坪の大型店をオープン予定。店内に焙煎所を設置し、和モダンな内装で日本らしさを演出するなど、インバウンド需要も見据えた展開を計画しています。
まとめ：C-United流・信頼関係を軸にした経営改革の真髄
C-Unitedの成功は、各カフェチェーンの特性を活かしながら、人材育成と信頼関係の構築を重視した経営にあります。友成社長は「儲けはお客様の満足料」という考えのもと、顧客満足と収益性の両立を追求。その成果は、コロナ禍を乗り越え、業界第5位にまで成長した実績に表れています。今後も「古いものは大切にしながら、現代にアレンジした成長を続ける」という経営理念のもと、新たな価値創造に挑戦し続けることでしょう。
※本記事は、2024年12月19日放送のテレビ東京系番組「カンブリア宮殿」を参照しています。
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