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【クローズアップ現代】ノンアルコール飲料で「減酒治療革命」ペアリングからスポーツまで

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2025年5月28日に放送されたNHK「クローズアップ現代」では、ノンアルコール飲料が日本社会に与える革新的な変化について特集されました。単なる代替品として捉えられがちだったノンアルコール飲料が、いま医療現場での減酒治療から企業の健康経営、さらには高級レストランでのペアリングやスポーツシーンまで、私たちの生活を豊かに変える存在として注目を集めています。

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ノンアルコール飲料による減酒治療の驚くべき効果とは

筑波大学医学医療系准教授で健幸ライフスタイル開発研究センター長を務める吉本尚氏の画期的な研究により、ノンアルコール飲料の減酒効果が科学的に実証されています。吉本氏の研究チームが週4日以上アルコールを摂取する人にノンアルコール飲料を送った結果、被験者たちはアルコールの制限を受けていないにも関わらず、自発的にノンアルコール飲料に切り替えていったのです。

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吉本尚氏(引用:「筑波大学」HPより)

最も注目すべきは、3ヶ月後には1日のアルコール摂取量が平均で30%も減少したという数値です。この効果の秘密は、ノンアルコール飲料でもアルコールを飲んだ時と同じような反応が体の中で起きることにあります。味や香り、そして喉越しによって、リラックス効果や高揚感を得ることができ、これはお茶やソフトドリンクでは得られない特有の効果なのです。

ただし、吉本氏も強調されているように、今回の研究は健康な方を対象としたものであり、依存症の方については別途研究が必要とされています。それでも、生活習慣病のリスクが高い多くの方にとって、この研究結果は希望の光となっています。

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医療機関で始まった減酒治療の最前線

千葉県館山市の亀田ファミリークリニック館山では、副院長の岩間秀幸氏が画期的な減酒外来を開設しました。従来の「とにかくやめなさい」という指導中心の治療から脱却し、ノンアルコール飲料を「処方する」という新しいアプローチを取り入れています。

実際の治療成果は目覚ましく、毎晩夕食時にお酒を飲む習慣があった61歳の男性患者は、ノンアルコール飲料に切り替えることで無理なく酒量を減らすことに成功しました。その結果、肝臓の機能を示すγGTPの数値が150から60へと大幅に改善し、血圧も180から130まで低下したのです。

岩間医師は「これがあるから治療に繋がるって言える意味で、我々がノンアルコールビールを処方するって感覚に近い」と語っており、患者の治療継続率向上にも大きく貢献しています。また、毎晩ワインを1本以上飲んでいた50代の女性患者も、最新のノンアルコール飲料の味の進化に驚き、平日はワインを飲まなくなったことで肝臓の数値が改善し、家族と過ごす時間が増えたと報告されています。

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企業の健康経営に活かされるノンアルコール飲料

大手化学メーカーの三井化学では、保健師の楠本真理氏が中心となって、ノンアルコール飲料を活用した革新的な健康経営の取り組みを実施しています。飲酒量が減らせず生活習慣病のリスクが高い社員が多いことを課題に感じていた楠本氏は、大学と飲料メーカーとの共同研究に参加し、社員の行動変容を促進する画期的なプログラムを開発しました。

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三井化学 保健師の楠本真理氏

このプログラムでは、参加した社員に半年間自宅にノンアルコール飲料を送り、毎日の飲酒量を記録してもらいました。高血圧と尿酸値の高さに悩んでいた58歳の男性社員は、帰宅後の一杯をノンアルコールビールに切り替えることで、月のアルコール摂取量を25%減らすことに成功しています。

楠本氏は「アルコール性肝障害などになる可能性を予防するという観点でも結構効果があるのではないか。社員が元気に働くことによって、ゆくゆくは企業価値の向上、生産性の向上につながっていけばいい」と述べており、健康経営の新たな手法として大きな期待を寄せています。

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ノンアルペアリングが変える食文化の新潮流

都内のイタリアンレストラン(Don Bravo(ドンブラボー)Crazy Pizza(クレイジーピザ))では、ソムリエの中丸祝子氏が料理の味を引き立たせるノンアルコール飲料のペアリングコースを提供しています。従来のワインペアリングとは異なり、ノンアルコール飲料の特性を活かした独創的な組み合わせが話題を呼んでいます。

中丸氏の創作するペアリングは実に多彩です。前菜には、ノンアルコールビールにフキノトウのオイルを加えて苦味を足したドリンクを合わせ、ホワイトアスパラガスのフリットには、ジャスミン茶に文旦の花のシロップを混ぜたドリンクを提案しています。特に人気なのが、ピザに合わせるほうじ茶をベースにシナモンなど複数の香辛料を使ったコーラシロップを加えたドリンクです。

美食評論家の中村孝則氏は、ノンアルコールペアリングについて「ノンアルコールの場合は、発酵由来のボリューム感や複雑さがない分、技術性や創造性で料理に合わせていくということが求められている。誰でも楽しめる。ドライバーの方、宗教上の理由、色んなお客様の多様性に対応できるような時代になってきている」と評価しています。グルメサイトの調査によると、ノンアルコール飲料を週に1回以上飲む人は4割以上に達しており、今後この分野の拡大が予想されます。

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美食評論家の中村孝則氏(引用:「朝日新聞」より)

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スポーツ後の新定番!運動とノンアルコール飲料の関係

大手スポーツメーカーのミズノでは、総合企画室・グローバル研究開発部の近藤由佳氏が中心となって、運動後の新しい楽しみとしてノンアルコール飲料の開発に取り組んでいます。近藤氏の調査によると「スポーツの後のあの一杯のためなら頑張れる」という方が多い一方で、運動直後にアルコールを摂取すると体の水分が奪われ、筋肉もつきづらく体に良くないという課題がありました。

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ミズノの近藤由佳氏(引用:「毎日新聞」より)

そこでミズノが開発したのが、運動後に爽快感を味わえるビールテイストのノンアルコール飲料です。原料のホップは通常の4倍を使用し、オレンジやパッションフルーツの味わいを加えることで、運動後の満足感を高める商品を実現しました。マラソン大会のイベントやスポーツ施設などで販売され、売上は前年度より7割も増加しています。

近藤氏は「豊かなライフスタイルになっていただけるような形を啓蒙していきたい」と語っており、スポーツとノンアルコール飲料の新しい関係性を築いています。利用者からは「走り終わった後に美味しい」「ビールが待ってると思ったら楽しみ倍増」といった声が寄せられており、運動継続のモチベーション向上にも貢献しています。

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飲酒寿命を延ばす第3の選択肢としてのノンアル飲料

ノンアルコール飲料の市場規模は、この15年間で約6倍にまで拡大しており、業界全体が大きな転換期を迎えています。市場を牽引してきたサントリーホールディングスでは、2025年1月に新しく「ノンアル部」を設立し、未来開発部長・ノンアル部長の福本匡志氏が新商品の開発を指揮しています。

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サントリーHDの福本匡志氏(引用:「Marke Zine」より)

福本氏が現在開発している商品は、香り豊かな蒸留酒からアルコールを抜いた「ノンアルのもと」です。飲食店のジュースや炭酸飲料に加えることで、手軽にノンアルコール飲料を作ることができ、これまでソフトドリンクで十分だったお客様にも新しい体験を提供することを目指しています。

吉本氏は「飲酒寿命」という概念を提唱しており、「飲む方は一生涯お酒とお付き合いしたいという気持ちがあると思うが、飲みすぎると体を壊してしまう。そうならないように、こういうものを飲みつつ今ちょっと減らしつつ、一生涯添い続けたい」と語っています。お酒を飲む・飲まないの二択ではなく、ノンアルコール飲料という第3の選択肢が、私たちの健康で豊かな生活を支える重要な役割を担っているのです。

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まとめ

2025年現在、ノンアルコール飲料は単なる代替品を超え、私たちの生活を豊かにする革新的な存在として確立されています。医療現場での減酒治療における30%の摂取量減少効果、企業の健康経営での25%の飲酒量削減成果、そして高級レストランでの新しいペアリング文化やスポーツシーンでの活用拡大など、その可能性は無限に広がっています。

筑波大学の吉本尚氏をはじめとする研究者たちの科学的な検証、医療機関での実践的な治療応用、そして企業や飲食業界での創意工夫によって、ノンアルコール飲料は私たちの「飲酒寿命」を延ばし、より健康で持続可能な飲酒文化を創造する重要な選択肢となっています。今後も技術革新と社会のニーズが合致することで、さらなる発展が期待される分野といえるでしょう。

※ 本記事は、2025年5月28日に放送されたNHK「クローズアップ現代」を参照しています。

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