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【カンブリア宮殿】シーベジタブル友廣裕一と蜂谷潤「海藻で食文化と海を変える」革命

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カンブリア宮殿で話題のシーベジタブルをご存知ですか?海藻の減少が進む日本の海で、友廣裕一と蜂谷潤の二人が革新的な養殖技術で絶滅危惧種の海藻を次々と復活させています。彼らの挑戦は単なるビジネスを超え、海の生態系を救い、日本の食文化に新たな可能性をもたらしています。この記事では、海藻ベンチャーが実現した3つの革命と、環境保全とビジネスを両立させる先進的な取り組みをご紹介します。

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1. シーベジタブルとは?海藻ベンチャーが挑む「海の砂漠化」問題と食文化革命

「シーベジタブル」は、2016年に友廣裕一氏と蜂谷潤氏によって設立された海藻専門のベンチャー企業です。この会社は、日本の海で進行している「海の砂漠化」と呼ばれる深刻な問題に挑んでいます。蜂谷氏によると、海藻が生える場所である「藻場」は毎年東京ドーム1,000個分の面積で減少しており、日本の海の生態系に大きな危機をもたらしています。

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シーベジタブル共同代表の蜂谷潤氏(左)と友廣裕一氏(右)                        (引用:「カンブリア宮殿」より)

シーベジタブルの事業は、主に3つの柱から成り立っています。1つ目は海藻の陸上栽培。独自に開発した世界初の地下海水を使った栽培方法で特許も取得しており、この技術によって清潔で高品質な海藻の安定供給を実現しています。2つ目は全国各地での海面栽培。地元の漁師と協力しながら、地域に適した海藻を育てる取り組みを行っています。3つ目は新たな海藻食文化の創造。ミシュラン星付きレストランのシェフを採用し、海藻の新しい食べ方を提案しています。

現在、シーベジタブルは全国に30以上の拠点を持ち、すでに30種類以上の海藻を胞子から育てる技術を確立しています。2025年現在、社員・アルバイト・業務委託を含め約70名の規模で事業を展開しており、海藻のエキスパートが集まる稀有な企業として注目を集めています。

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2. 友廣裕一と蜂谷潤が語るシーベジタブルの創業秘話と海藻への情熱

シーベジタブルの共同代表を務める友廣裕一氏(40歳)と蜂谷潤氏(37歳)の出会いは、二人の個性的な経歴に裏打ちされています。蜂谷氏は岡山県出身で、高知大学の栽培漁業学科で海藻の研究を始めました。彼は学生時代から「海洋深層水を活用したアワビ類及び海藻類の複合養殖」に取り組み、海藻の専門家として成長しました。

一方の友廣氏は大阪出身で、大学卒業後に日本全国の農山漁村を巡る旅に出ました。その旅の途中で蜂谷氏と出会い、海藻に没頭する彼の姿に惹かれたといいます。友廣氏は「海藻より蜂谷に興味があった」と笑いながら語っています。

二人が本格的に事業化に動き出したきっかけは、高知大学を通じてオタフクソースから受けた相談でした。オタフクソースは創業以来、お好み焼きソースに香り高い青のりを使用していましたが、水温上昇によって青のりの生産量が激減し、価格が3〜5倍に跳ね上がるという危機に直面していました。

「必要とされている」という実感を得た二人は、長期契約による安定供給をオタフクソースに提案しました。当時の資金不足を補うため、友廣氏は「生産した青のりを長期的に買い取る契約にしていただけないでしょうか」と直談判。オタフクソース側は二人の熱意に打たれ、5年の長期契約を結ぶことに同意しました。これによって初期投資の資金を確保し、世界でも類を見ない海藻ベンチャーが誕生したのです。

蜂谷氏は「海藻の声が聞こえる」と独特の表現で海藻への愛情を語ります。彼によれば、約3年間海藻と向き合うことで、「この青のりは今光が欲しいと言っている」「栄養がもっと欲しい」といった海藻の状態が分かるようになるのだそうです。この深い理解に基づいた丁寧な栽培が、シーベジタブルの高品質な海藻を生み出す秘訣となっています。

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3. カンブリア宮殿で紹介!シーベジタブルが実現した「海藻革命」3つの挑戦

2025年5月15日放送のカンブリア宮殿では、シーベジタブルが実現した3つの「海藻革命」が紹介されました。

1つ目の革命は「“絶滅の危機”から次々に再生」です。近年、日本の海藻は急速に減少しており、特に黒のりの生産量激減は深刻な問題となっています。シーベジタブルは6年の歳月をかけて黒のりの陸上栽培の量産技術を完成させました。また、各地で絶滅の危機に瀕している様々な海藻を再生する取り組みも進めています。山口県下関では胞子からモズクを育てる技術を開発し、熊本県天草では「みりん」という幻の海藻と呼ばれる地域の伝統食材を復活させることに成功しました。

2つ目の革命は「“星付き”凄腕シェフも参戦」による食文化の創造です。シーベジタブルには、かつてミシュラン星付きレストラン「INUA」のスーシェフ(副料理長)を務めた石坂秀威シェフが参加しています。石坂シェフは世界的名店「noma」の期間限定店にも参加した実績を持ち、シーベジタブルの海藻を使って今までにない料理を開発しています。現在、シーベジタブルの海藻はミシュラン星付きレストラン50店舗以上で使用されており、世界的な注目を集めています。

3つ目の革命は「“とさかのり”で海の危機を救う」という生態系の回復です。シーベジタブルは、とさかのりの栽培によって海の生物多様性を回復させる取り組みを行っています。とさかのりを栽培するエリアには、海藻がない場所の36倍もの魚が集まることが確認されており、海藻栽培が海の生態系に与える良い影響が数字として実証されました。蜂谷氏は「海を豊かにすることが大きなミッション」としながらも、「事業として回っていかないと広がらない」と語り、環境保全とビジネスの両立を目指しています。

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4. シーベジタブルの海藻養殖技術の秘密~陸上栽培と胞子からの培養~

シーベジタブルが持つ革新的な海藻養殖技術の核心は、陸上栽培と胞子からの培養にあります。高知県安芸市に本社を置き、同県内に設置された直径26mの巨大な水槽では、青々としたすじ青のりが育てられています。蜂谷氏によれば、海藻の成長段階に合わせてタンクの大きさを変え、光を均等に受けるように広げることで効率的な栽培を実現しているとのこと。

シーベジタブルの陸上栽培の最大の特徴は、ミネラル豊富で異物が少ない地下海水を使用している点です。この栽培技術は世界初のもので、特許も取得しています。そのおかげで、シーベジタブルの海藻はそのまま食べられるほどクリーンな状態で収穫できます。

もう一つの重要な技術は、植物の種にあたる胞子から海藻を育てる方法です。蜂谷氏は「母藻」と呼ばれる親の海藻から胞子を取り、それを培養するという世界でも珍しい技術を完成させました。この方法により、すでに30種類以上の海藻を育てることができるようになっています。

また、種類によって異なる栽培方法も開発しています。例えば、山口県下関では5mほどの水深に細長い大きな網を張り、そこにモズクの胞子を付けて育てる方法を確立。熊本県天草では「みりん」という海藻を水面下に設置した籠の中で育てる技術を開発しました。

さらに、シーベジタブルの海藻栽培技術は従来の漁業のアプローチとは異なります。蜂谷氏は「海藻も野菜と同じで、大きくなりすぎると美味しくなくなる」と指摘し、最適な時期に収穫することの重要性を強調しています。従来の漁師は量を優先してきましたが、シーベジタブルは海藻の最も美味しい状態を見極めて収穫するという、食材としての価値を高める方針を取っています。

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5. オタフクソースとのパートナーシップ~窮地を救った青のり栽培契約~

シーベジタブル誕生の重要な転機となったのが、広島のお好み焼きソースで知られるオタフクソースとのパートナーシップでした。オタフクソースは創業以来、お好み焼きソースの香りづけに青のりを使用してきましたが、近年の青のり不足に悩まされていました。

かつて四国の四十川や吉野川河口付近で豊富に採れていた青のりは、水温上昇の影響で2016年から収穫量が減少し、2019年には2015年の5分の1程度まで落ち込んでいました。この状況を憂慮したオタフクソースは、高知大学を通じて蜂谷氏に相談を持ちかけたのです。

オタフクソースの佐々木茂喜会長は「青のりの価格が3倍から5倍に上昇した」と当時の深刻な状況を振り返ります。一方で、蜂谷氏はトコブシ(アワビの一種)の餌として青のりを研究していましたが、その用途が食用へとシフトするきっかけとなりました。友廣氏は「海藻が必要とされているんだということをお声がけいただいて気づいた」と語っています。

しかし、当時の友廣氏と蜂谷氏には大規模な栽培施設を建設する資金がありませんでした。そこで彼らはオタフクソースに大胆な提案をします。「私たちにはまだ資金がありません。生産した青のりを長期的に買い取る契約にしていただけないでしょうか」

この提案を受けたオタフクソースの佐々木社長(当時)は「目をキラキラさせて海藻の魅力とか自分たちの夢を語る彼らの熱意にほだされた」と言い、5年間の長期契約を結ぶことを決断しました。「その代わり最高の青のり作ってくださいね」という言葉と共に、この契約が成立したことで、シーベジタブルは初めての陸上養殖施設を高知県室戸市に建設することができました。

この成功事例は、伝統的な食文化を守るために企業と起業家が協力する重要性を示しています。オタフクソースとのパートナーシップにより、シーベジタブルは安定した収入基盤を得ただけでなく、日本の食文化に欠かせない食材を守る社会的使命も担うことになりました。

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6. 世界が注目する日本の海藻食文化~ミシュラン星付きレストランでも採用~

シーベジタブルの海藻は今、国内外の一流レストランで高く評価されています。カンブリア宮殿の番組内では、シーベジタブルの海藻がミシュラン星付きレストラン50店舗以上で使用されていることが紹介されました。

世界的に有名な料理店「noma(ノーマ)」もシーベジタブルの海藻を使用しています。友廣氏によれば、nomaは京都でポップアップレストランを開催した際に、シーベジタブルの海藻を使った「海藻シャブシャブ」をメインメニューとして提供したとのこと。世界一のレストランに選ばれた経験を持つnomaが日本の海藻に注目していることは、その潜在的な価値の高さを示しています。

また、かつてミシュラン星付きレストラン「INUA」のスーシェフを務めた石坂秀威シェフがシーベジタブルに参加し、海藻の新しい料理開発に取り組んでいることも特筆すべき点です。石坂シェフは「世界中回っても初めて出会った食材ってほぼない。その中で海藻は誰も探ってない可能性が眠っている食材」と海藻の可能性に魅了され、シーベジタブルに入社しました。

番組では石坂シェフが考案した天草の「みりん」を使った料理も紹介されています。トマトから取った酸味のある出汁に浸け、みりんをそばのように食べる夏向けのメニューは、試食した人から「味わったことのない食感」「新食感」と評価されました。

さらに、人気ピザレストラン「ピザフォーピース東京」では、シーベジタブルの「あつばアオサ」をたっぷりと使ったピザが1、2を争う人気メニューになっています。同店のスタッフは「海藻って単体で食べても美味しいんだと気づいて、メインになるべき食材だと感じた」と語り、海藻の魅力を伝えるメニューを積極的に開発しているとのことです。

このように、海藻は単なる添え物ではなく、料理の主役として世界の食のシーンで注目を集めています。シーベジタブルはその先駆けとして、日本の伝統的な海藻食文化を現代的にアップデートし、世界に発信する役割を担っているのです。

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7. パナソニックとの協業~AIと技術で進化する海藻養殖の未来~

シーベジタブルは最近、家電大手のパナソニックホールディングスとの協業を開始しました。この取り組みは、最先端技術を活用して海藻栽培の効率化と品質向上を目指すものです。

具体的な協業内容のひとつは、パナソニックの画像認識システムを使ったAIによる海藻の生育状況分析です。このシステムにより、海藻の成長度合いを客観的にデータ化し、最適な栽培条件や収穫時期を判断することが可能になります。パナソニックの松延徹氏は「健康や自然条件に左右される部分の難しさがある。そういったところが逆に技術を進化させるチャンス」と語っています。

また、パナソニックの社員食堂では定期的にシーベジタブルの海藻を使った料理が提供され、従業員からも好評を得ているとのこと。パナソニックの担当者は「食堂が開いて30分経たずに準備していたものが全部売り切れてしまった」と話し、「同じ釜の飯を食う」という言葉を引用しながら「一緒に食べてこれは美味しいからこれで何か一緒にできることないかな、と考えたくなる」と協業の原点を説明しています。

友廣氏はこの協業について「我々は蜂谷を中心に培養や生産する技術はあるが、それを量産していく時に設備やシステムが必要。パナソニックホールディングスさんが電気メーカーとして貢献したいと言ってくださった」と語っています。

蜂谷氏は「元々海藻は海にたくさんあって安いものだが、陸で育てると高くなってしまう。そこをロボットやIoTなどの技術でパナソニックさんの力を借りながら解決したい」と、この協業の意義を強調しています。

パナソニック以外にも、東京ビッグサイトで開催されたスタートアップ企業の展示会では、自動車メーカーやバイオプラスチック関連など、食品業界以外の企業からもシーベジタブルへの関心が高まっています。友廣氏は「創業した時は『海藻の事業をやる』と言ってもみんな『へ?』という感じだったが、そこから比べると風が来ている」と、海藻ビジネスへの注目度の高まりを実感しています。

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8. 海藻が海の生態系を救う~環境保全とビジネスの両立~

シーベジタブルの活動は単なるビジネスではなく、海の生態系保全という重要な環境的側面も持っています。蜂谷氏によれば、現在の日本の海では「磯焼け」と呼ばれる現象が進行し、海藻が著しく減少しているとのこと。1980年頃には全国に20万ヘクタールあった藻場が、現在は10万ヘクタール程度まで減ってしまったことが報告されています。

この問題の主な原因は水温上昇です。蜂谷氏は「水温が上がると魚の活性が上がり、海藻を食べる量が増える。一方で海藻は水温が上がると伸びなくなる」と説明し、さらに「海の中では美味しい海藻から順に魚に食べられるので、美味しい海藻から順に無くなっていく」と海藻減少のメカニズムを解説しています。

シーベジタブルは海藻の栽培が海の生態系回復に与える影響を調査するために、一般社団法人「グッドシー」という団体に協力しています。その調査によれば、とさかのりを栽培しているエリアには海藻がない場所の36倍もの魚が集まることが確認されました。

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赤紫色をした「とさかのり」の栽培                                     (引用:「カンブリア宮殿」より)

蜂谷氏は「海藻が形成する藻場は『海のゆりかご』と言われるように、生き物たちの命を育む機能があり、海の生態系のバランスを保っている」と藻場の重要性を強調します。実際、藻場は水生生物の産卵・繁殖の場所として海の多様性を支え、また海中への酸素供給も担っているのです。

シーベジタブルでは「アイゴやウニなどの活性が落ちる水温が低い時期に海面栽培を行い、ロープに挟み込む」という方法で海藻を育てています。これにより、水温上昇や食害という問題を回避しながら、海の生態系を回復させる取り組みを進めています。

友廣氏は「海藻の養殖と同時に、食文化を広げて『出口』もつくっていきたい。おいしい、楽しいというポジティブさで状況を変えていけたら」と語り、環境保全とビジネスを両立させる方針を示しています。蜂谷氏も「海を豊かにするというところが大きなミッションだが、それが事業として回っていかないと広がらない」と話し、持続可能な形で海の環境を守る重要性を訴えています。

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9. まとめ:シーベジタブルが切り拓く海藻ビジネスと日本の食文化の未来

シーベジタブルは、海藻の陸上・海面栽培技術を駆使して、絶滅の危機に瀕している日本の海藻を次々と復活させるとともに、新たな海藻食文化の創造に挑戦し続けています。友廣裕一氏と蜂谷潤氏が創業した同社は、わずか9年で全国30拠点以上を持つ企業へと成長しました。

同社の強みは、蜂谷氏が確立した海藻を胞子から育てる独自技術と、友廣氏の持つビジネス展開力の組み合わせにあります。オタフクソースとの長期契約に始まり、パナソニックとのAI技術を活用した協業まで、異業種と積極的に連携することで事業の幅を広げています。

また、海藻栽培が海の生態系回復に貢献することも実証されており、環境保全とビジネスの両立を図る先進的なモデルケースとなっています。とさかのりの栽培エリアに36倍もの魚が集まるという調査結果は、藻場の復活が海の生物多様性を取り戻す鍵となることを示しています。

さらに、ミシュラン星付きレストランのシェフも参画し、海藻を主役とした新たな料理の開発も進んでいます。シーベジタブルの海藻はミシュラン星付きレストラン50店舗以上で使用され、世界的な注目を集めています。

蜂谷氏は「ミクロな目とマクロの目の両方を持つことが重要」と語り、海藻一つひとつに向き合う細やかさと、地球環境全体を見据える広い視野の両立を大切にしています。友廣氏も「楽しんでいる人のところに人が集まってくる」と述べ、課題解決と共に楽しむことの重要性を強調しています。

今後も日本の海を豊かにし、伝統的な食文化を守りながら新たな価値を創造するシーベジタブルの挑戦は続きます。また、2025年3月には「サステナブルな海藻産業をともに創る『SEA VEGETABLE Co Creation Project』」を開始するなど、さらに活動の輪を広げています。カンブリア宮殿で紹介されたその革新的な取り組みは、海藻ビジネスの可能性を広げるとともに、日本の食文化の未来を切り拓く重要なヒントを私たちに与えてくれるでしょう。

 

※ 本記事は、2025年5月15日放送(テレビ東京系)の人気番組「カンブリア宮殿」を参照しています。

※ シーベジタブルのHPはこちら

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