2025年5月25日放送の「がっちりマンデー‼」で特集されたデータサインの太田祐一社長をご存知ですか?私たちが毎日目にする「クッキーに同意しますか?」という表示だけで、年商2億円を達成した驚きのビジネスモデルが話題になりました。NTTドコモやTBSなど1000サイト以上に導入されている仕組みと、クッキーの正体について分かりやすく解説します。
データサイン太田祐一社長とは?クッキーバナーで年商2億円を実現
株式会社データサインの代表取締役社長である太田祐一氏は、2016年9月14日に同社を設立した起業家です。太田社長は筑波大学を2007年に卒業後、元々はサイトを見ているユーザーのデータを集める会社を経営していました。しかし、個人情報が無秩序に拡散する業界慣習に疑問を感じ、現在のデータサインを立ち上げました。
データサインの主力サービスは、Webサイトで表示される「Cookieに同意しますか?」という表示を作成する「クッキーバナー」です。この一見シンプルなサービスで、同社は年商2億円を達成しています。太田社長によると、年商は倍々で増加しており、来年は4億円、その次は8億円を目標としています。従業員わずか10人ほどの小さな会社ながら、この成長率は驚異的です。
がっちりマンデーの番組内で紹介されたように、データサインの技術は日本のツールのシェアではナンバーワンを誇ります。NTTドコモ、ソフトバンク、KDDI、毎日新聞、ゆうちょ銀行、そしてTBSなど、名だたる大手企業がデータサインのクッキーバナーを導入しており、サービス開始からわずか2年で1000サイト以上という実績を持っています。
がっちりマンデーで話題!クッキーとは何か?個人識別の仕組みを解説
多くの人が毎日目にするものの、その正体を理解していないクッキー(Cookie)について、太田社長が番組内で分かりやすく説明しました。クッキーとは、簡単に言うと「個人を識別するためのもの」です。
具体的な仕組みはこうです。例えば、ユーザーがECサイトにアクセスすると、そのECサイトはそのユーザーに対して「ID003番」といった背番号のような番号を発行します。この番号がユーザーのスマートフォンやパソコンに送られて記録されるのです。
ユーザーが様々なWebサイトを訪問するたびに、それぞれのサイト専用の会員番号のようなものが端末に蓄積されていきます。そして、Webサイト側は「何番の人が何をクリックして何を検索したか」を記録しているため、次に同じ番号の人がサイトに来た時に、前回の情報を元におすすめ商品や関連コンテンツを表示できるようになります。
しかし、太田社長が番組で示した重要な点は、1つのWebサイトを開いただけで、実は20社以上もの会社がクッキーの番号を付けようとしているということです。がっちりマンデーのWebサイトを例に取ると、Google、X(旧Twitter)、マイクロソフトなど23社がユーザーの行動を追跡しようとしていました。これは、1つのサイトにはそのサイトの会社だけでなく、バナー広告や動画などで他の会社も関わっているためです。
データサインのクッキーバナーが1000サイト以上に導入される理由
データサインのクッキーバナーが短期間で多くの企業に採用された背景には、個人情報保護に対する社会的な関心の高まりがあります。従来、多くのWebサイトでは、ユーザーが知らないうちに複数の企業がデータを収集していました。
太田社長は番組内で、「なんかよく分からない会社がカートに入れた情報とか行動履歴とかを集めているという事が良くないんじゃないかって僕が思っていた」と語りました。つまり、サイトを見ているだけなのに、知らないところで勝手に別の会社がユーザーのデータを集めてしまうのは問題だという考えから、ユーザーがちゃんと分かるように、そして拒否もできるような仕組みが必要だと考えたのです。
このクッキーバナーの導入により、企業は「個人情報の扱いをちゃんとやっています」というアピールができるようになります。これが、大手企業が続々と導入する理由です。特に、GDPR(EU一般データ保護規則)や日本でも2023年に施行された改正電気通信事業法など、データ保護に関する法規制が強化される中で、企業にとってコンプライアンス対応は重要な課題となっています。
NTTドコモやTBSも導入!大手企業が選ぶデータサインの強み
データサインが大手企業から選ばれる理由は、技術力だけでなく、日本企業ならではの細やかなサポート体制にあります。番組で紹介されたように、NTTドコモ、ソフトバンク、KDDI(au)という通信大手3社すべてが導入しているほか、毎日新聞、ゆうちょ銀行、TBSなど、業界を代表する企業が名を連ねています。
データサインの同意管理ツール「webtru(ウェブトゥルー)」は、2025年4月には国産ツールで初めてGoogleのCMPパートナー認定を取得しました。これは、Googleが定める厳格な基準をクリアした証拠であり、技術的な信頼性を示す重要な指標です。
また、データサインは単なるツール提供だけでなく、企業のデータ活用戦略全体をサポートするコンサルティング機能も提供しています。太田社長は総務省による「情報銀行」に関する検討会のオブザーバーも務めており、データ活用に関する最新の動向や法規制についても深い知見を持っています。
太田祐一社長の起業背景「透明性のあるデータ収集」への想い
太田社長がデータサインを立ち上げた背景には、データ活用における透明性への強い想いがあります。元々、データを集める側の会社を経営していた太田社長は、業界の内情を熟知していました。しかし、その経験から「よく分からない会社が勝手にデータを集めている」という状況に疑問を感じ、ユーザーが自分のデータがどのように使われているかを理解し、コントロールできる仕組みが必要だと考えました。
この考えは、データサインのビジョンである「だれもが公正に安心してパーソナルデータを活用できる世界の実現」にも表れています。太田社長は、企業がデータを活用してビジネスを成長させることは重要だが、そのプロセスがユーザーにとって透明で、選択権があることが必要だと考えています。
データサインでは、法人向けの同意管理ツール「webtru」のほかに、個人向けのプライバシー保護アプリ「Bunsin(ブンシン)」も開発しています。これは、ダミーのメールアドレスを作成することでユーザーの本当のメールアドレスを保護するサービスで、個人のプライバシー保護に対する同社の取り組みを示しています。
AIとクッキーの未来「デジタル分身」サービスとは?
番組の最後で紹介された、データサインが開発を進める「デジタル分身」サービスは、AIとクッキー技術を組み合わせた画期的なサービスです。太田社長は番組内で、「自分のクッキーに紐づいている行動の履歴とか何買ったかとか、全部集めて自分のデジタルの分身のようなものを作って、その人が買いすぎって言ったら、それは買わないようにするし、足りないものがあったら勝手に買ってくれる」と説明しました。
このサービスは、ユーザーの過去の購買履歴や行動パターンをAIが学習し、まさにデジタル上の分身として機能します。例えば、食事が偏っている場合には必要なビタミンサプリメントを提案したり、逆に無駄遣いが多い場合には購入を控えるよう提案したりする機能が想定されています。
これは、従来の受動的なレコメンデーション機能を大きく超えた、能動的なライフスタイル支援サービスと言えるでしょう。ユーザーのデータを活用しながらも、そのユーザーの利益を最優先に考えるという、データサインの理念が具現化されたサービスです。
まとめ
株式会社データサインの太田祐一社長が開発したクッキーバナーは、一見シンプルな技術でありながら、現代のデジタル社会における重要な課題を解決するサービスです。年商2億円という成果は、データの透明性とユーザーの選択権を重視する同社のアプローチが市場に受け入れられた証拠と言えるでしょう。
がっちりマンデーで紹介されたように、私たちが日常的に目にするクッキーバナーの背景には、ユーザーのプライバシーを守りながらもビジネスの発展を支援するという、太田社長の深い想いがあります。NTTドコモやTBSなど大手企業1000サイト以上に導入された実績は、その技術力と信頼性を物語っています。
今後、AIとクッキー技術を組み合わせた「デジタル分身」サービスの展開により、データサインはさらなる成長が期待されます。ユーザーが安心してデータを活用できる世界の実現に向けて、太田社長と同社の取り組みから目が離せません。
※ 本記事は、2025年5月25日放送(TBS系)の人気番組「がっちりマンデー‼」を参照しています。
※ 株式会社データサインのHPはこちら
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