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【がっちりマンデー】川島織物セルコンの緞帳「24m巨大織り機の職人技と制作費」

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2025年7月13日放送のTBS系「がっちりマンデー!!」で、川島織物セルコンの巨大織り機が紹介されました。京都市左京区に本社を構える同社は、年商約250億円を誇る日本最大級の織物メーカーです。今回の番組では、日本独自の文化である緞帳(どんちょう)を制作する24mの巨大織り機「綴織大機1号機」と、その驚異的な職人技術に密着しました。

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川島織物セルコンとは?緞帳制作で年商250億円を支える企業概要

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川島織物セルコンの北村克之常務執行役員                                   (引用:「がっちりマンデー」より)

川島織物セルコンは1843年創業の老舗織物メーカーです。商品本部の北村克之氏(常務執行役員)によると、同社の年商は約250億円に達しており、カーテンやカーペットなどのインテリア製品を中心に事業を展開しています。特に注目すべきは、日本独自の文化である緞帳の製作において圧倒的なシェアを誇っていることです。

緞帳とは、劇場や学校などで舞台と客席を仕切る巨大な分厚い幕のことで、戦後に日本各地の舞台施設に広がりました。川島織物セルコンはこれまでに、銀座の歌舞伎座やフェスティバルホールなど、日本中の有名施設およそ2500点の緞帳を手がけています。北村氏は「海外はほとんどない」と説明しており、緞帳は日本特有の文化であることが分かります。

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歌舞伎座(銀座)の緞帳                                            (引用:「がっちりマンデー」より)

同社の強みは、単なる幕ではなく「芝居が始まるまで楽しんでいただける鑑賞に耐えられるようなデザイン」の緞帳を制作していることです。つまり、緞帳自体がアート作品として機能しており、観客にとって付加価値の高い体験を提供しているのです。

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綴織大機1号機の驚異「全長24mの巨大織り機」で緞帳を織る仕組み

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川島織物セルコンの巨大織物機「綴織大機1号機」                              (引用:「がっちりマンデー」より)

がっちりマンデーで紹介された川島織物セルコンの巨大メカが「綴織大機(つづれおりおおばた)1号機」です。そのサイズは全長24.2m、幅2.8m、高さ3.3mという規格外の織り機で、一般的な機械織りとは異なり、すべて手作業で緞帳を織り上げています。

この巨大織り機には約1万2000本の縦糸が張られており、職人たちが足元のペダルで縦糸を上げ下げしながら、下絵に沿って様々な色の横糸を通して柄を作っていきます。驚くべきことに、職人たちは裏面から織っているため、「表、織られた状態を、え、イメージして、頭の中に入れ持って織ってます」と職人歴31年の松村浩一氏は説明します。

なぜ複数の職人が横に並んで一緒に織るのかという疑問に対して、北村氏は「緞帳は非常に大きなものですから、少しずつ織って、下のドラムに巻き込んでいかないと織れない」と答えています。緞帳は巨大故に非常に重く、この綴織大機1号機で1万2000本の縦糸に均一に力をかけて、ゆっくりと動かしながら巻いていかないと歪んでしまうのです。

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緞帳制作の職人技術「8ヶ月間の手作業工程」を徹底解説

川島織物セルコンの緞帳制作は、想像を絶する精密な手作業の連続です。制作期間は最大およそ8ヶ月にも及び、その工程は大きく分けて下絵作成、配色設計、染色、織りの4段階に分かれています。

下絵作成から配色設計まで:池田篤則氏と井上光二氏の匠の技

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職人歴33年の池田篤則さん                                          (引用:「がっちりマンデー」より)

まず下絵作成を担当するのが、職人歴33年の池田篤則氏です。原画を画像データにした後、そのまま拡大するのではなく、「トレースしていきます。全部の線をなぞってく形になります」と説明します。絵を糸で表現するため、色の境目を見極めて1本ずつ線で区切っていく作業は、およそ3週間もかかります。

しかし、「ここまで全部引いたら池田さんのお仕事は終わり?」という質問に対して、池田氏は「いや、こっからあの、始まりになります」と答えます。データ化した原画の色味を抜いて緞帳サイズにプリントアウトし、マジックと鉛筆で清書する作業にさらに約2ヶ月かかるのです。

次に配色設計を担当するのが、職人歴62年のベテラン井上光二氏です。「この設計がやっぱり一番大事なとこですね。ここで色でも間違ってしまうと、その間違ったまま緞帳が仕上がりますんで」と語る井上氏は、緞帳ごとに色見本を作って仕上げていきます。

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職人歴62年の井上光二さん                                          (引用:「がっちりマンデー」より)

使用する糸の色数は「少ないものでも300色、多いものですと、まあ、1000色近い」という驚異的な数になります。この色見本を元に、使う糸の番号を場所ごとに振っていく作業は、1ブロックを配色するのに10日はかかるという非常に精密な作業です。

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職人歴40年の窪田善紀さん                                             (引用:「がっちりマンデー」より)

糸の染色を担当するのが職人歴40年の窪田善紀氏です。緞帳ごとにデザインが違うため、毎回1から300種類以上の糸を染めて作らなければなりません。特に青が一番染まりにくくて難しいとされており、今回の緞帳デザインを見た染色チームは「もうビビってました。無理ですって」と苦笑いしたほどです。

1万2000本の縦糸を操る:松村浩一氏ら職人の織り技術

いよいよ綴織大機1号機での織り作業では、複数の職人が横に並んで同時に作業を進めます。織る場所のデザインの難易度に合わせて職人の配置を変えながら、平行に均一に織り進めていかなければなりません。こうして織られた緞帳は、巨大メカの後ろにどんどん巻き取られていきます。

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職人歴31年の松村孝一さん                                                      (引用:「がっちりマンデー」より)

職人歴31年の松村浩一氏は、裏面から織りながらも完成形を頭の中でイメージして作業を進めているといいます。この高度な技術と集中力が、川島織物セルコンの緞帳制作を支えているのです。

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緞帳の制作費「数千万円」の価格設定理由と川島織物セルコンの収益構造

がっちりマンデーの放送で最も視聴者が気になったのが、緞帳1つあたりの制作費です。北村氏によると「まあ、数千万って言い方になります」とのことで、さらに詳しく聞くと「まあ、前半が多いですね」と答えています。つまり、多くの緞帳は2000万円台から3000万円台で販売されているということになります。

加藤浩次氏が「8ヶ月かけてそれだったら安くないっすか?」と驚いたように、この価格設定には明確な理由があります。まず、使用する糸だけでも300種類以上を1から染める必要があり、材料費だけでも相当な金額になります。さらに、熟練職人による8ヶ月間の手作業という人件費を考慮すると、むしろ適正価格といえるでしょう。

川島織物セルコンの収益構造において重要なのは、緞帳が日本独自の文化であるため海外に競合がほとんど存在しないことです。また、全国約2500点という圧倒的な実績により、新しい劇場や施設からの依頼が継続的に入ってくることも安定した収益につながっています。

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万博との深い関係:1889年パリ万博から2025年大阪・関西万博まで

川島織物セルコンと万博の関係は非常に深く、その歴史は136年前まで遡ります。北村氏は「古くからですね、私ども万博に携わっておりましてですね。パリやリエージュ、セントルイスの万博なんかも出展させていただいてます」と説明しています。

同社の万博参加歴史は以下の通りです。

  • 1889年 パリ万国博覧会
  • 1893年 シカゴ万国博覧会
  • 1900年 パリ万国博覧会
  • 1904年 セントルイス万国博覧会
  • 1905年 リエージュ万国博覧会
  • 1970年 日本万国博覧会(大阪万博)
  • 2025年 大阪・関西万博

2025年の大阪・関西万博では、迎賓館を彩る巨大タペストリーを川島織物セルコンが制作しており、この巨大織り機で作られた作品が世界中の賓客をもてなすことになります。さらに、EXPOホール「シャインハット」をはじめ、20を超える施設・パビリオンにファブリックや床材を50品目以上納入していることが2025年4月に発表されています。

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大阪・関西万博 迎賓館の巨大タペストリー                                            (引用:「がっちりマンデー」より)

万博への参加は、同社にとって技術力の向上と国際的な認知度アップの両方を実現する重要な機会となっています。1889年のパリ万博から始まった挑戦は、現在も続いているのです。

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がっちりマンデー出演の北村克之氏が語る川島織物セルコンの競争優位性

番組に出演した商品本部の北村克之氏は、川島織物セルコンの競争優位性について興味深い洞察を提供しています。経済アナリストの森永康平氏が指摘したように、「とにかくこの巨大なものっていうのを作れる機械を持ってるっていうのは、とてつもない参入障壁」となっています。

綴織大機1号機のような設備は簡単に複製できるものではありません。さらに重要なのは、300種類以上の糸を染め分ける技術、1000色近い配色を設計する技術、そして裏面から表をイメージして織る職人技術など、長年の経験と技術の蓄積があってこそ実現できるノウハウです。

北村氏は緞帳の特徴として「芝居が始まるまで楽しんでいただける鑑賞に耐えられるようなデザイン」を挙げており、単なる機能的な幕ではなく、アート作品としての価値を提供していることが差別化要因となっています。これらの技術とノウハウの組み合わせが、川島織物セルコンの圧倒的な競争優位性を生み出しているのです。

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まとめ

がっちりマンデーで紹介された川島織物セルコンの綴織大機1号機は、日本の伝統技術と現代の精密技術が融合した驚異的な巨大メカでした。全長24.2mという規格外のサイズで、1万2000本の縦糸を使って約8ヶ月かけて制作される緞帳は、数千万円という高額商品でありながら、その技術力とアート性により確固たる市場地位を築いています。

1843年の創業以来、1889年のパリ万博から始まって2025年の大阪・関西万博まで、136年間にわたって万博とともに歩んできた同社の歴史は、日本の織物技術の発展そのものを物語っています。池田篤則氏、井上光二氏、窪田善紀氏、松村浩一氏といった熟練職人たちの技術に支えられ、年商250億円という安定した事業基盤を確立している川島織物セルコンは、まさに「がっちり」とした企業といえるでしょう。

北村克之氏の言葉通り、川島織物セルコンの巨大メカは単にサイズが大きいだけでなく、その中に日本の伝統と誇りが詰まった、真の意味での「巨大な価値」を生み出し続けているのです。

 

※ 本記事は、2025年7月13日放送(TBS系)の人気番組「がっちりマンデー!!」を参照しています。
※ 川島織物セルコンのHPはこちら

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