2025年9月28日放送のTBS系「がっちりマンデー!!」で、工事現場を支える革新的なビジネスとして注目を集めたのが、ポーラメディカルの暑熱対策AIカメラ「カオカラ」です。化粧品大手のポーラが工事現場でがっちり儲かるビジネスを展開しているという意外性に、多くの視聴者が驚きを隠せませんでした。今回は、番組で紹介された池島俊季氏の証言をもとに、この画期的な技術の詳細と今後の可能性について深掘りしていきます。
ポーラメディカルの「カオカラ」とは?顔色から体調を分析する革新システム
ポーラメディカルが開発した「カオカラ」は、まさに常識を覆す革新的なシステムです。番組では、横浜市にあるポーラメディカルの池島俊季氏が、この画期的な製品について詳しく説明していました。カオカラは、顔の画像を撮影するだけで、その人の体調変化を瞬時に判定する暑熱対策AIカメラです。
最も注目すべきは、このシステムが温度ではなく「顔色」を分析している点です。サーモグラフィーとは全く異なるアプローチで、顔に現れる微細な色の変化をAIが検出し、緑・黄色・オレンジ・赤の4段階で体調リスクを表示します。緑は良好な状態を示し、赤に近づくほど熱中症のリスクが高まっていることを警告します。
この技術の背景には、ポーラが長年にわたって蓄積してきた肌研究の膨大なデータがあります。体調の変化が起こると、顔の部分ごとに微妙な色の差が現れることを、化粧品開発で培った知見から発見したのです。例えば、熱中症のリスクが高まると、目の周りが白く明るくなったり、唇や口の周りが白く青くなったりする変化を、AIが瞬時に判別できるのです。
池島俊季氏が語るカオカラの実績「年間2200台出荷で4億円売上」
がっちりマンデーの番組内で、ポーラメディカル経営企画部の池島俊季氏は驚異的な数字を明かしました。2025年だけで約2200台を出荷し、売上は約4億円に達しているとのことです。この数字は、工事現場での熱中症対策がいかに深刻な課題となっているかを物語っています。
池島氏によると、カオカラの価格は1台30万円と、それほど高額ではありません。この手頃な価格設定が、多くの建設会社での導入を後押ししているのでしょう。実際に、2024年には日本国内の数百の建設・土木現場、製造業で使用され、約40万件もの顔画像データを蓄積してアルゴリズムの改良を進めてきました。
さらに注目すべきは、ポーラメディカルが2025年には追加で1,500台の販売を目標としていることです。これは市場の需要がさらに拡大していることを示しており、工事現場での安全管理に対する意識の高まりを反映しています。また、2025年7月には安藤ハザマと共同で、ラオスやネパールでの海外実証試験も開始しており、グローバル展開への本格的な取り組みが始まっています。
がっちりマンデーで紹介された顔色分析技術の仕組み
番組で最も視聴者の関心を集めたのは、カオカラの技術的な仕組みでした。池島俊季氏の説明によると、このシステムは顔の1枚の画像から、その人の体調変化を相対的に算出しているとのことです。この「相対的」という言葉がポイントで、肌の色に関係なく判別が可能だということです。
実際に番組では、様々な肌色の作業員がカオカラを使用する様子が映し出されました。日本人の作業員だけでなく、黒人の作業員も問題なく体調判定ができており、「いま緑です」と安心した表情を見せていました。これは、ポーラが化粧品開発で培った多様な肌色に対する研究成果があってこそ実現できた技術と言えるでしょう。
カオカラの判定プロセスは非常にシンプルです。工事現場の作業員は、朝の開始時や休憩時に、モニターの前で約3秒間顔をかざすだけです。AIが瞬時に顔色を分析し、結果を4段階で表示します。この手軽さが、現場での継続的な使用を可能にしており、作業員にとって負担にならない設計となっています。
工事現場での熱中症対策に革命!カオカラの導入効果と価格
工事現場での熱中症は、毎年深刻な問題となっています。特に2025年の夏は記録的な猛暑となり、現場作業員の安全管理がより重要な課題となりました。従来の対策では、作業員の自己申告や管理者の目視確認に頼らざるを得ず、客観的な判断基準が不足していました。
カオカラの導入により、この状況は劇的に改善されました。番組で紹介されたベテラン職人の証言によると、「年を取った人だと、なかなか自分で疲れを感じないので、やっぱり頑張っちゃう」という現場の実情があります。しかし、カオカラがあることで「そろそろ休まなきゃな」という判断の基準ができ、適切なタイミングで休憩を取ることができるようになったのです。
さらに画期的なのは、カオカラの管理システムです。オレンジや赤の警告が出た場合、自動的に現場管理者のスマートフォンにメッセージが送信されます。これにより、管理者は即座に該当する作業員に声をかけ、休憩や水分補給を促すことができます。また、2025年7月からは安藤ハザマの社内チャットツール「direct」との連携機能も開発され、複数の管理者間でリアルタイムに情報共有できるようになりました。
小澤淳氏が証言する現場管理者のメリット「300人の作業員を効率管理」
番組では、安藤ハザマ・西武建設共同企業体の小澤淳氏が、カオカラ導入による具体的な効果について証言していました。小澤氏が管理する現場では、1日に約300人の作業員が働いており、従来の方法では全員の体調管理は事実上不可能でした。
小澤氏によると、カオカラの導入により、1日あたり20〜30人の作業員がオレンジ以上の警告を受けるということです。これは全体の約1割に相当する数字で、いかに多くの作業員が気づかないうちに体調リスクを抱えているかを示しています。「その状態で休憩をしていただいて、これで自分の体調が確認できますし、我々も休憩させるきっかけになる」という小澤氏の言葉からは、カオカラが単なる測定機器ではなく、適切な安全管理を実現するためのコミュニケーションツールとしても機能していることがわかります。
特に注目すべきは、カオカラが作業員と管理者の間のコミュニケーション障壁を取り除いている点です。従来は、作業員が「体調が悪い」と言いにくい雰囲気があったり、管理者が全員に声をかけることが物理的に困難だったりしました。しかし、カオカラの客観的な判定結果があることで、「言いづらいところもオープンになる」と職人の方が証言していたように、より健全な職場環境が実現されています。
学校や職場への応用可能性!工事現場以外でのカオカラ活用法
番組の中で、ユージさんが「工事現場だけじゃなくて、子供たちがいる学校とか、全員見切れない時とかに活用できるのでは」と提案していたように、カオカラの応用可能性は工事現場にとどまりません。この発言は、視聴者にとって新たな視点を提供し、この技術の社会的価値を広く考えるきっかけとなりました。
実際に、学校現場での熱中症対策は重要な課題です。体育の授業や運動会、部活動など、子どもたちが暑い環境で活動する機会は多く、教員が全ての児童・生徒の体調を常時監視することは困難です。カオカラのような客観的な判定システムがあれば、早期に体調の変化を発見し、適切な対応を取ることができるでしょう。
また、製造業の工場や物流センター、農業現場など、暑熱環境で働く様々な職場への展開も期待されます。特に近年は、気候変動の影響で夏場の気温がさらに上昇しており、従来の対策だけでは限界があることが明らかになっています。ポーラメディカルも、2025年には日本気象協会の「熱中症ゼロへ」プロジェクトのオフィシャルパートナーとなっており、社会全体の熱中症対策に貢献する姿勢を示しています。
さらに興味深いのは、顔画像解析技術の将来的な発展可能性です。松本剛社長の証言によると、「顔という”デバイス”から体内の様々な状態を測定する技術も開発中」とのことで、熱中症以外の健康状態の把握にも応用できる可能性があります。
まとめ
がっちりマンデーで紹介されたポーラメディカルのカオカラは、化粧品会社の技術力を意外な分野に応用した画期的な事例です。池島俊季氏が語った年間2200台出荷、4億円売上という実績は、この技術が単なるアイデアではなく、実際に市場で求められている実用的なソリューションであることを証明しています。
工事現場での熱中症対策は、人手不足や高齢化が進む建設業界において、ますます重要な課題となっています。カオカラのような客観的で効率的な体調管理システムは、作業員の安全を守るだけでなく、管理者の負担軽減にも大きく貢献しています。小澤淳氏の証言にあるように、300人の作業員を効率的に管理できるこのシステムは、現場の安全管理に革命をもたらしていると言えるでしょう。
今後は海外展開やチャット連携機能の強化、さらには学校や他の職場への応用など、カオカラの可能性はさらに広がっていくことが期待されます。ポーラメディカルの「エビデンスに依拠した美容医療ビジネス」という理念のもと、化粧品の枠を超えた社会貢献が今後も続いていくことでしょう。
※ 本記事は、2025年9月28日放送(TBS系)の人気番組「がっちりマンデー!!」を参照しています。
※ 株式会社ポーラメディカルの公式サイトはこちら
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