2025年10月2日放送の「カンブリア宮殿」で紹介された森本萌乃氏のチャプターズをご存知ですか?本のタイトルを隠して選ぶ選書サービスと、本を通じた出会いを提供するユニークなビジネスモデルが話題です。この記事では、番組で明かされたサービスの全貌、1,000万円の借金を乗り越えた起業ストーリー、6組の結婚を生んだマッチングの仕組みまで徹底解説します。読書好きな方、新しい出会いを求める方、起業を考えている方に必見の内容です。
森本萌乃が運営する「チャプターズ」とは?本で出会う選書サービスの仕組み
2025年10月2日放送のテレビ東京系「カンブリア宮殿」で紹介された森本萌乃氏が代表を務めるMISSION ROMANTICの「チャプターズ」は、単なるオンライン書店ではありません。月額2,530円のサブスクリプション型サービスで、毎月1冊の本が自宅に届くという仕組みですが、その最大の特徴は「選書」と「出会い」を融合させた独自のコンセプトにあります。
チャプターズでは、森本氏とスタッフの脇田七海氏が実際に読んで厳選した3冊の文庫本を毎月会員に提案します。ここで注目すべきは、書籍のタイトルや著者名を一切明かさず、内容を紹介する推薦文だけで選んでもらうという斬新なスタイルです。これにより、先入観や知識による判断を排除し、純粋に「読みたい」という感性だけで本を選ぶ体験が生まれます。
選書の基準は明確で、「冒頭100ページで人が没頭できる作品であること」と「文庫本であること」の2点。森本氏は月に30冊もの本を読み、その中から本当に没頭できる作品だけを厳選しています。文庫本にこだわる理由は、出版社が「長きにわたって愛される本」として確信を持って出すものだからです。
2021年のサービス開始から4年が経過した2025年現在、延べ8,000人以上がこのサービスを利用しており、会員からは「自分では選ばない本に出会える」「選書された本はもれなく面白い」という高い評価を得ています。
カンブリア宮殿で明かされたMISSION ROMANTICの事業内容
番組では、MISSION ROMANTICの多角的な事業展開が紹介されました。東京・新宿区のオフィスにはカフェが併設されており、ここを拠点に様々な読書イベントを開催しています。最近では東京・新宿区のミズマアートギャラリーでアート空間での読書イベントを実施し、予約がリリースから3日で埋まるほどの人気となっています。
さらに注目すべきは、キャンドルの明かりの下で本について語り合うイベントなど、リアルな出会いの場も提供している点です。40人を超える男女が参加するこれらのイベントは、読書好き同士が自然に会話を弾ませる場として機能しています。
森本氏は番組内で「本ってでも本当に利益がすごく薄くて。選書って全く違う概念で”本を薦める”ってことで(利益が)ポンって付くんですよね」と語り、選書という行為に新たな価値と収益構造を生み出そうとする戦略を明かしました。これは出版業界や書店業界に新しいビジネスモデルを提示する試みとも言えるでしょう。
タイトルを隠す選書スタイルが生む新しい読書体験
チャプターズの最大の特徴である「タイトルと著者を隠す」という手法は、一見すると不便に思えるかもしれません。しかし、この仕組みには深い洞察が込められています。
番組内で森本氏は、「本のタイトルとか著者とか見ちゃうとやっぱりこう読書好きの方ってこう博学なので『俺が教えてやろう』とか、『私この本ならうまく喋れる』みたいな選び方をしがちだと思うんですよ」と説明しています。つまり、知識や見栄が介在することで、純粋に「読みたい」という気持ちが歪められてしまうのです。
この手法は特にマッチングサービスにおいて効果を発揮します。タイトルを知らないからこそ、同じ本を読んだ相手との会話は内容そのものに集中でき、知識のひけらかしではなく、感性や価値観の共有という本質的なコミュニケーションが生まれるのです。
実際の会員からは「人に選んでもらうのって楽しい」「自分じゃ選ばない本が毎月候補に上がってくるのが面白い」といった声が寄せられており、この独自のスタイルが高く評価されています。
本を通じたマッチングサービス「顔が見えない出会い」の仕掛け
チャプターズのもう一つの柱が、本を介したマッチングサービスです。このサービスの仕組みは実にユニークで、同じ本を読んだ会員同士がオンラインで感想を語り合うのですが、最初は相手の顔が見えない状態からスタートします。
番組で紹介された実際の利用シーンでは、トークタイム開始時には相手の顔が全く見えず、時間が経つにつれて首から下が映り、さらに時間が経過するとようやく顔が見えてくるという段階的な仕掛けが施されています。このトークタイムは20分間で、その間は本の感想を語り合うことに集中できます。
終了後には、連絡先を交換したいかどうかをイエス・ノーで申告し、両者がイエスならその後もやり取りができる仕組みです。利用者からは「本好きっていうところからの親和性があるので、比較的話すことにあまり困らない」「顔が見えなくて同じ本の感想を言い合う、そこに集中できるのが面白い」という声が上がっています。
このサービスを通じて、これまでに報告があっただけでも6組のカップルが結婚しており、番組では実際に結婚したカップルが「チャプターズ婚ですね。僕はサービスのファンなんで。なんかそれで、結婚できて嬉しい」と語る姿が紹介されました。結婚報告を受けた森本氏は涙を流して喜び、「つくってよかったなと思って」と感動を語っていました。
映画「耳をすませば」から生まれた起業ストーリーと創業の苦労
森本氏の起業のきっかけは、意外にも一本の映画でした。スタジオジブリの名作「耳をすませば」を見て、図書館で同じ本を借りている男の子に興味を持つ女の子の物語に深く感動した森本氏は、「年甲斐もなくもう大号泣して1ヶ月後に起業でした」と振り返ります。
「映画でよくあるじゃないですか、本棚で手と手重なってお茶でもみたいな。のを私の人生で1回ぐらいそんな経験したいなと思って」という夢が、会社のロゴ(本棚から同じ本を取ろうとした男女が出会うデザイン)にも表れています。
しかし、起業への道のりは決して平坦ではありませんでした。森本氏は大学卒業後、第1志望だった電通に入社しましたが4年で退職。その後2回転職し、コロナ禍で職を失います。副業として始めていた選書サービスを本業にしようと決断した時、初期投資による借金は1,000万円に達していました。
資金調達のために奔走しましたが、なんと40社に断られるという厳しい現実に直面します。「泣かないようにするのが必死でした。生活費は本当に数千円とか数万円とか。会社の方も本当にあと3ヶ月何も借金しなかったら潰れちゃうよね」という極限状態でも、森本氏は諦めませんでした。
番組では当時のシェアオフィスを訪れ、入り口に残る「ROMANTIC」の文字を見て「できることなんでもやろうと思いました」と当時を振り返る姿が印象的でした。この苦境を乗り越えられた理由を、森本氏は「『本で人と出会うっていいよね』ってことを疑った事がない。なんか信じてたんですよね、チャプターズの事、多分誰よりも」と語っています。
対面選書サービスで全国展開!脇田七海と取り組む選書の価値創造
近年、チャプターズはオンラインのサブスクサービスだけでなく、対面での個人向け選書サービスにも力を入れています。森本氏とスタッフの脇田七海氏が中心となって、一人ひとりに合わせた本を選ぶこのサービスは、全国から依頼が来るほどの人気となっています。
番組では、森本氏が「なんか連想ゲームなんですよね選書は。ミュージカルが好き、じゃあ華やかなのが好き。華やかだったら海外文学とか」と、その人の好みや興味から本を選ぶプロセスを説明していました。これは単なる本の紹介ではなく、その人の人生や価値観に寄り添った提案と言えるでしょう。
森本氏は「本は絶対なくならないと思うんですよ。楽しいから読書って。じゃあ選書っていう選択肢まだないと思うんですよね、皆さん人生において。それをどれだけ作れるかっていう事を今やっていかなきゃいけないなと思って」と語り、選書という概念そのものを社会に広めることを使命としています。
実は森本氏自身、「私全然好きじゃなかったんですよ」と本が元々好きではなかったことを明かしています。「動画ってすぐ始まるけど、読書って没頭するまでちょっと時間がかかる。ま、少し面倒くさいコンテンツ」という読書のハードルを理解しているからこそ、「それを超えても読みたい本」を届けることにこだわっているのです。
チャプターズ婚6組誕生!利用者8,000人突破の実績
2021年のサービス開始から4年が経過し、チャプターズは確かな実績を積み上げてきました。延べ8,000人以上という利用者数は、このユニークなサービスが多くの人に受け入れられている証です。
特に注目すべきは、マッチングサービスを通じて6組のカップルが結婚したという事実です。番組では実際に結婚したカップルが登場し、「チャプターズを通じて出会い、先月結婚した」と報告する姿が紹介されました。男性は「チャプターズ婚ですね。僕はサービスのファンなんで。なんかそれで、結婚できて嬉しいなと思います」と嬉しそうに語っていました。
この報告を受けた森本氏は「嬉しいですね。こうなればいいなって思ってたものが、なんか目の前にあって。なんかすごい」と涙を流して感動していました。この涙は、厳しい創業期を乗り越え、自分の信じたビジネスが人々の人生を豊かにしているという実感の表れでしょう。
会員の満足度も高く、「選書されてる本は、もれなく面白いし読みやすいし。人に選んでもらうのって楽しいいなって思います」「自分じゃ、選ばない本が毎月課題本で候補に上がってくるが面白いですし、大満足してます」という声が寄せられています。
森本萌乃の経営哲学「期待しないから失敗を恐れない」
番組の最後、村上龍氏から「自分に才能があるとしたら何なんですかね」と問われた森本氏は、意外な答えを返しました。「あの、自分に期待していないというか。そこの才能があるのかなと。なんか私は早めに失敗したいと思って始めるので、なんか思ったよりちょっといいみたいな」
この言葉には深い洞察があります。起業当初、森本氏は「多分誰でも思いつくんですよ、このサービスって。本で人と出会うって素敵そうじゃないですか。でも誰もやってないってことは、ま、うまくいかないんだろうなと思ったんですけど。やってないからわからない。ってことで、ま、どっちかっていうと早めに失敗しようみたいな気持ちで始めました」と語っています。
この「期待値を下げる」姿勢は、過度なプレッシャーから自分を解放し、挑戦を続ける原動力になっています。森本氏は「私もなんか辛かった事結構忘れてっちゃうというか。思ったより大丈夫だったっていう方が多くて」とも語り、困難を前向きに捉え直す能力を持っています。
また、「好きっていうことを原動力にしてると、あんまり苦しいことがないんですよね。好きだからやるっていうところに立ち返れるので。私はそれがすごい大切にしてます」という言葉からは、ビジネスの本質が「好き」という純粋な情熱にあることを教えてくれます。
番組内では、借金1,000万円を抱え、40社に資金調達を断られ、生活費が数千円になっても諦めなかった経験について「あんときよくやったねって自分のこと言ってあげたくなるぐらい本当にお金がなくて」と振り返りながら、「人がこう人生をかけてやる仕事に帯びる、こう何ていうの、ある種、”狂気”とか”殺気”とか”情熱”って、ま、そこにに対してはすごい自負があるので、人間のこう本気が出たのかなっていう」と語る姿が印象的でした。
小池栄子氏から「今の仕事をずっと続けていきたいなって今思われていますか?」と問われると、森本氏は「もっともっと100万人ぐらい幸せにできると思うんですよ。私この本を通じて人と出会って、恋をして結婚したりとかって。まだ全然そこに行ってないので、もっともっとやりたいですね」と、さらなる展望を語りました。
まとめ
2025年10月2日に放送された「カンブリア宮殿」で紹介された森本萌乃氏のチャプターズは、本という古くからあるメディアに「選書」と「出会い」という新しい価値を吹き込んだ革新的なサービスです。
タイトルと著者を隠すことで純粋な感性で本を選び、顔が見えない状態から始まるマッチングで本質的なコミュニケーションを生み出す。このユニークな仕組みは、延べ8,000人の利用者と6組の結婚という確かな成果を生んでいます。
映画「耳をすませば」に感動して1ヶ月後に起業し、1,000万円の借金と40社からの資金調達の断りを乗り越えた森本氏の情熱と、「期待しないから失敗を恐れない」という独自の経営哲学は、これからの時代を生きる経営者に多くの示唆を与えてくれるでしょう。
本を通じて100万人を幸せにするという夢に向かって、森本氏と脇田七海氏を中心としたMISSION ROMANTICの挑戦は、これからも続いていきます。
※ 本記事は、2025年10月2日放送(テレビ東京系)の人気番組「カンブリア宮殿」を参照しています。
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