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【がっちりマンデー】斜陽産業・養蚕で「年2億円」ながすな繭の革新戦略

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「斜陽産業ではもう儲からない」そう思っていませんか?2025年10月26日放送の「がっちりマンデー!!」で紹介された養蚕業界のながすな繭株式会社は、年間売上2億円・年率30%増収を実現しています。この記事では、絶滅寸前と言われる業界で成功を収める革新的なビジネスモデルを徹底解説します。ピンチをチャンスに変える経営のヒントがここにあります。

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ながすな繭株式会社とは?斜陽産業の養蚕で年率30%増収を実現

京都府京丹後市に拠点を置くながすな繭株式会社は、滑らかで光沢のある絹の元になる繭を作る蚕を育てている企業です。代表取締役の堀井 和輝氏が率いるこの会社は、現在年間売上2億円を達成し、しかも年率30%という驚異的な増収を続けています。

養蚕業界と聞くと、多くの方は「もう終わった産業」というイメージを持たれるかもしれません。実際、戦前には日本の繭生産量は年間40万トンを誇り、絹糸は世界一の輸出量を記録していました。しかし、安価な輸入品やナイロンなどの合成繊維の登場により、国内生産量は激減。現在ではわずか38トンにまで落ち込んでいます。40万トンから38トンですから、実に約1万分の1という驚くべき減少率です。

このような厳しい状況の中、ながすな繭が成功を収めている理由は、従来の養蚕業とは全く異なるアプローチを取っているからです。単に「絹糸を作る」という発想から脱却し、シルクという素材の可能性を多角的に追求しているのです。

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藤井卓さんが語る養蚕業界の現状と課題

取締役の藤井卓さんは番組の中で、養蚕業界が抱える本質的な課題について語っています。最大の問題は、蚕の餌である桑の葉の供給が不安定であることでした。

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ながすな繭の藤井卓取締役                          (引用:「がっちりマンデー」より)

従来の養蚕では、蚕の大好物である桑の葉を与えて飼育します。蚕は約1ヶ月でサナギになり、その際に絹糸の元となる繭を作ってくれます。ちなみに、1頭の蚕が作り出すシルクの糸の長さはなんと約1200メートルにも及びます。

しかし、桑の葉は年に2回から3回しか収穫できないため、年間を通じて安定的に蚕を飼育することができませんでした。この供給の不安定さが、国内でのシルク大量生産を阻む大きなネックとなっていたのです。

藤井さんたちは、この課題を解決しない限り、養蚕業界の復活はないと考えました。そこで着目したのが、飼料の革新だったのです。

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革新的な蚕の育て方!岸田裕紀さんが実践する人工飼料飼育法

桑の葉パウダーベースの独自開発飼料で年間12回飼育を実現

ながすな繭の養蚕部門を担当する岸田裕紀さんが案内してくれた養蚕室には、月2万頭の蚕が飼育されていました。しかし驚くべきことに、そこには桑の葉が1枚もありません。

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ながすな繭 養蚕部門の岸田裕紀さん                             (引用:「がっちりマンデー」より)

「この子たちは人工飼料を与えて育てています」と岸田さん。ながすな繭では、桑の葉のパウダーをベースに独自開発した人工飼料で蚕を育てているのです。

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長持ちする桑パウダー(桑の葉パウダー)                          (引用:「がっちりマンデー」より)

この人工飼料の最大のメリットは、長期保存が可能であることです。生の桑の葉は季節に左右されますが、桑パウダーを使った飼料なら1年中安定して供給できます。その結果、従来は年2〜3回しかできなかった飼育が、毎月1回、つまり年間12回も可能になったのです。

これは養蚕業界にとって革命的な変化です。供給の安定化は、取引先との契約や計画的な経営を可能にします。斜陽産業と言われる業界でも、こうした技術革新によって安定したビジネスモデルを構築できることを証明したのです。

従来の養蚕との違いと安定供給の秘密

従来の養蚕が「自然のサイクルに依存するビジネス」だったのに対し、ながすな繭のモデルは「工業的に管理されたビジネス」と言えるでしょう。人工飼料による飼育は、品質の均一化にも貢献しています。

また、養蚕室の環境管理も徹底されており、温度や湿度を最適に保つことで、蚕が健康に育つ環境を整えています。こうした細やかな管理が、高品質なシルクの安定供給を支えているのです。

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シルクを糸以外に活用!ながすな繭の新ビジネスモデル

フィブロインを使った健康食品用途・ダイエット効果の仕組み

ながすな繭のもう一つの革新は、シルクの用途開発です。藤井さんは「我々は、この繭をシルクを糸としては使っていないんです。もっと別の儲かるビジネスに使っています」と語ります。

その一つが健康食品用途です。絹糸の主成分はフィブロインというタンパク質の一種なのですが、このフィブロインには無数の小さな穴が開いています。この穴が油を吸着する性質を持っているため、体内の余分な油分を吸着し、そのまま体外に排出する効果が期待できるというのです。

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絹糸の主成分は「フィプロイン」とよばれるタンパク質の一種                    (引用:「がっちりマンデー」より)

この特性を活かして、ながすな繭ではシルクの粉末をダイエット食品として商品化しています。化学物質ではなく天然のタンパク質由来という点も、健康志向の高い消費者にとって大きな魅力となっています。

ヘアケア用品への展開と髪の補修作用のメカニズム

さらに驚くべき用途開発が、ヘアケア商品です。フィブロインを細かく砕くと、なんと髪の毛の800分の1という超極細の繊維になります。

この超極細の絹糸が髪の毛に付着し、網目状に広がっていきます。これが傷んだ部分を包み込んで保護してくれるため、髪の補修作用が期待できるのです。ながすな繭では2025年から自社ブランドのヘアケア商品の販売を開始しており、新たな収益の柱として育てています。

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今年から販売開始しているながすな繭の独自ブランドヘアケア商品(引用:「がっちりマンデー」より)

シルクと言えば衣料品というイメージが強いですが、その特性を科学的に分析し、全く異なる分野での活用を見出したのは見事としか言いようがありません。

繭の価値を4円から16円へ4倍にした価格戦略

こうした用途開発の結果、ながすな繭は元々1つ4円程度だった繭の価値を、実に4倍の16円にまで高めることに成功しました。

これは単に価格を上げたというだけではありません。付加価値を創造することで、市場が正当に評価する価格を実現したのです。斜陽産業で儲けるためには、既存の市場で戦うのではなく、新しい市場を創造することが重要だということを、この事例は教えてくれます。

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サナギも収益化!家畜用の餌としての副産物活用法

番組では経済アナリストの森永康平さんが、さらに興味深い情報を提供してくれました。繭の中には当然サナギが入っていますが、ながすな繭では、このサナギも無駄にしていません。

病気に強くなるワクチンを蚕に投与し、そのサナギを家畜用の餌として販売しているというのです。今まで廃棄していたものまで売上に変える。まさに「捨てるところがない」ビジネスモデルを構築しているのです。

この徹底した資源活用の姿勢は、持続可能な経営という観点からも高く評価されるべきでしょう。斜陽産業だからこそ、一つ一つの資源を最大限に活かすという発想が、収益性の向上につながっているのです。

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まとめ:斜陽産業でもピンチをチャンスに変える経営の本質

ながすな繭株式会社の事例から学べることは数多くあります。

第一に、業界の常識を疑うこと。「蚕は桑の葉で育てるもの」という固定観念を打ち破り、人工飼料という新しい方法を開発したことが、安定供給という競争優位を生み出しました。

第二に、既存の用途にとらわれないこと。シルクを糸としてではなく、健康食品やヘアケア商品として活用するという発想の転換が、付加価値を4倍に高めました。

第三に、すべての資源を活かすこと。サナギまで収益化するという徹底ぶりは、利益率の向上だけでなく、環境負荷の低減にも貢献しています。

番組内で森永康平さんが指摘していた「斜陽だからこそ、頑張れば市場独占できる可能性がある」という言葉は、まさに核心を突いています。競合が撤退していく業界だからこそ、革新的な取り組みを続ければ、その分野のリーディングカンパニーになれる可能性が高いのです。

ながすな繭の取り組みは、「斜陽産業=終わった産業」ではないことを証明しています。むしろ、ピンチの中にこそチャンスがあり、創意工夫次第で十分に儲かるビジネスを作れることを示してくれました。これからの時代、どの業界でも変化は避けられません。その変化をチャンスと捉え、革新を続ける姿勢こそが、持続的な成長の鍵なのではないでしょうか。

※ 本記事は、2025年10月26日放送(TBS系)の人気番組「がっちりマンデー!!」を参照しています。
※ ながすな繭株式会社の公式サイトはこちら

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