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【クローズアップ現代】寿司ネタ高騰「日本で魚が食べられない」危機の実態

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「日本にいるのに、日本の美味しい魚が食べられなくなるのでは」——2026年1月5日放送のNHK「クローズアップ現代が伝えた、寿司ネタ高騰の衝撃的な現実です。世界的な寿司ブームを背景に、豊洲市場の最高品質のネタが海外へ流出する事態が起きています。本記事では、番組内容をもとに、なぜ今「日本の魚争奪戦」が勃発しているのか、そして寿司文化の未来を守るために何が必要なのかを詳しく解説します。


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寿司ネタ高騰の実態|豊洲市場で起きている異変とは

2026年、日本の寿司業界に深刻な異変が起きています。日本橋で寿司店を営む杉田孝明さんは、毎朝の仕入れで目当ての魚が手に入らない事態に直面しているといいます。この日も太平洋で獲れたマサバを求めて豊洲市場を訪れましたが、仲買人からは「全然(魚)なかった」「相変わらず、ダメです」という言葉が返ってきました。

杉田さんは「魚を触る機会が本当に少なくなってしまう。日本にいるのに、日本の美味しい魚は食べられなくなってしまうのではないか」と危機感を募らせています。

特に顕著なのがウニの価格高騰です。豊洲から国内外の飲食店にウニを発送している卸売業者・高岩豊さん(千里 代表取締役)によると、ウニはここ10年で価格がおよそ4.6倍に跳ね上がりました。取材当日、市場に出た最高品質のウニ5枚と50万円のイクラは、すべてドバイや香港、台湾など海外に発送されていったのです。

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ウニ卸売業の高岩豊さん                      (引用:「クローズアップ現代」より)

高岩さんは「品質がすごい良くなったわけでもなく、やっぱり需要が増えたっていうのが主な原因」と説明します。海外の顧客が「高くても欲しい」と言えば、それに応えざるを得ないのが卸売業者の現実です。

寿司研究家で寿司職人でもある千津井由貴さんは、番組内で「築地の頃と比べて、今の豊洲市場では魚がやっぱり減っていたり、あったとしても高くて、お目当ての魚が思うように仕入れができない日々が続いている」と現場の声を伝えています。


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なぜ日本の魚が減っている?漁獲量激減の深刻な背景

寿司ネタの高騰は、単なる需要増だけが原因ではありません。根本的な問題として、日本の水産資源そのものが急激に減少しているのです。

番組で示されたデータによると、沖合・沿岸の漁獲量は1984年に922万トンで世界1位を誇っていました。しかしその後、減少が続き、2024年には250万トンと3分の1以下にまで落ち込んでいます。

特に深刻なのが人気の寿司ネタとなる魚種の減少です。1980年頃に160万トンあったサバ類の漁獲量は、この40年で大幅に減少。他にもイカ、アジ、タコなど、寿司に欠かせない魚介類の漁獲量が軒並み減っています。

日本サステナブルシーフード協会代表の鈴木允さんは、この減少について「温暖化で海が変わってきている」「漁師さんが減っている」といった要因に加え、「もう少し資源を大切にちゃんと管理していれば、ここまで減らなかったのではないか」と指摘しています。1980年代はマイワシの変動がピークだったという特殊要因もありますが、近年イワシが増えているにもかかわらず全体の漁獲量は減少しており、構造的な問題があることがうかがえます。

2025年6月には、寿司やイタリアンなどの職人が作る団体「Chefs for the Blue」が、水産資源の減少に歯止めをかけるよう国に訴えました。代表理事の佐々木ひろこさんは「『魚は安くて当たり前』という刷り込みがあるかもしれないが、今はもう全然そんな状況ではない。食文化自体が崩壊の危機にある」と警鐘を鳴らしています。


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世界の寿司ブームが引き起こす「日本の魚争奪戦」

減り続ける日本の魚。その奪い合いが国際規模で激化しています。

世界では今、1人4万円を超える「OMAKASE」(おまかせコース)が人気を博すなど、本格的な寿司ブームが到来しています。かつてはカリフォルニアロールのような創作寿司が主流でしたが、現在は旬の鮮魚を職人の技で握る、本物の寿司を求める人が急増しているのです。

特に存在感を増しているのがタイです。2023年から日本の魚の最大輸出先となったタイでは、首都バンコクを中心に展開するスーパーが、寿司を販売する店舗を1年間で倍の50店舗に拡大。豊洲から25時間で新鮮な魚が届く流通網を構築し、2026年中にさらに16店舗を増やす予定です。

タイから日本を訪れる人は年間およそ115万人。日本で知った「本物の寿司」を自国でも味わいたいという需要が高まっています。番組で紹介されたタイの高級寿司店では、1人3万5000円のおまかせコースが人気を博しており、客からは「シェフは経験豊かで、ここのはネタがとても新鮮」という声が聞かれました。

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仲卸業の川名美穂さん                          (引用:「クローズアップ現代」より)

この状況を商機と捉える日本企業もあります。金沢で地元を中心に鮮魚の中卸しを行う川名美穂さんは、新型コロナウイルスの流行と2年前の能登半島地震で売り上げがコロナ前のおよそ半分に落ち込む中、海外への販路拡大に活路を見出しました。現在は週2回、台湾へ魚を発送しており、台湾の寿司店「MIZUE」の料理長・原克徳さんからは「すごい好評で、本当日本と同じような魚を皆さん求めていらっしゃる」と高い評価を得ています。

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台湾の寿司店「MIZUE」の料理長 原克徳さん                  (引用:「クローズアップ現代」より)

川名さんは「地元のお客様ファーストということは今までもこれからも変わるつもりはない」としながらも、「将来の会社のこと、魚のことを考えると、もうちょっと販路を広げていくことも必要」と語っています。


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SUSHI新時代の挑戦|冷凍寿司と職人育成の最前線

危機的状況の中でも、寿司の魅力を継承し、さらに高める挑戦が始まっています。

2025年12月、新技術で作った冷凍寿司が話題を呼びました。魚とシャリを一体のまま凍らせたこの寿司は、2025年6月からアメリカへ輸出されています。試食した客からは「冷凍寿司と思えないようなクオリティで、結構びっくりしました」という声が。開発に携わったデイブレイク五十嵐圭佑さん(新規事業開発室 室長)は「この冷凍寿司自体が、文化を継承していく一つのオプションになっていったら素敵」と期待を寄せています。職人がいない未開拓の海外市場にも、寿司文化を広げる狙いがあるのです。

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デイブレイクの五十嵐圭佑さん                         (引用:「デイブレイク」HPより)

一方、人材育成の分野でも新たな潮流が生まれています。2002年に設立された東京すしアカデミーは、24年間でおよそ1500人の生徒を海外に送り出し、世界50カ国以上で活躍する寿司職人を輩出してきました。代表の福江誠さんは「外国人の職人も急増する中、日本人の職人には寿司の歴史や文化を深く理解する力が求められている」と語ります。

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東京すしアカデミー代表の福江誠さん                    (引用:「アゴラ」より)

「日本人にしかできない技術とか職業ではもうないっていうことも一つの事実。技術の裏側にある物語を知りたいという人が増えているので、ちゃんと語れる人かどうかがすごく大事になってきている」——福江さんのこの言葉は、これからの寿司職人に求められる資質を端的に示しています。

アカデミーで学ぶ遠藤悠里さんは、ニュージーランドで寿司シェフになることを目標に、200年もの間日本に受け継がれてきた魚の知識や伝統の技を習得中です。「知識を大事にすることによって、高いお金を出して払うお寿司の価値を継承していける」と、文化の担い手としての自覚を持って学んでいます。


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富山県「寿司県」宣言|地方が寿司で活性化する可能性

寿司の力で地域を活性化しようという動きも本格化しています。その先頭を走るのが、2023年6月に「寿司県」を宣言した富山県です。

富山県は「天然のいけす」と呼ばれる富山湾を有し、ホタルイカ、寒ブリ、白エビなど特産の魚介類が豊富です。これらを活かした寿司で県の魅力を世界中に発信しようと、年間4000万円の予算を投じてブランディングを推進しています。

富山県知事政策局ブランディング推進課長の前山巌さんは「寿司のネタというのは、本当にその地域地域で特徴があり、その自然とか風土に根ざした一貫を提供することにつながる。それをもって地方の活性化にもつながる」と意義を語ります。

具体的な取り組みとして、民間企業と連携したグッズでのPRや、古民家を改修した寿司職人育成学校「北麓すしアカデミー」の開校(2026年3月予定)などを進めています。目標は、10年後までに「寿司と言えば富山」と答える人が90%を超えること。新田八朗知事も「官民一体となって『寿司と言えば富山』をPRし、富山を元気にしていきたい」と意気込んでいます。

千津井由貴さんは、こうした地方の動きに注目し「ご当地回転寿司」の可能性を指摘しています。例えば北海道の白老町ではホッケの陸上養殖に取り組み、これまで生食が難しかったホッケの刺身を都心でも食べられるようにする試みが進んでいます。地元でしか食べられない魚が「強烈な個性」となり、それが地域活性化につながるというのです。


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専門家が語る寿司文化の未来|鈴木允氏・千津井由貴氏の見解

番組に出演した専門家たちは、寿司文化の未来についてどのような見解を持っているのでしょうか。

千津井由貴さんは、現状のまま魚の価格高騰が続けば「二極化するのではないか」と危惧しています。つまり、値段の高い高級おまかせ寿司店と、タッチパネルで手軽に注文できるチェーン店だけが残り、「暖簾をくぐってフラッと入って、木札に書いてあるサンマとかサバを自分で選ぶような町の寿司屋さん」が少なくなってしまうのではないか——そうなれば寿司文化の幅が狭まってしまうという懸念です。

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寿司研究家の千津井由貴さん                         (引用:「日本経済新聞」より)

一方で、寿司の可能性についても前向きな見方を示しています。「今まで寿司ネタに使ってなかったような魚をおまかせに加えることで、バリエーションを増やしていけば『寿司ネタがない』という状況にはならない」と語り、かつて江戸時代には捨てられていた大トロが今では高級ネタになったように、時代と味覚に合わせて進化していく可能性を示唆しました。

鈴木允さんは、江戸前寿司だけでなく全国各地の郷土寿司にも目を向けることを提案しています。「学生時代に三重県で漁師の見習いをしていた」という自身の経験から、熊野地域のサンマ寿司やめはり寿司を例に挙げ、「地域地域の美味しいお寿司を発掘していくのもいい」と述べました。

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日本サステナブルシーフード協会代表の鈴木允さん               (引用:「クローズアップ現代」より)

また鈴木さんは「お魚小学校」という取り組みを通じて、子供たちに魚の物語を伝える活動を行っています。「お寿司になっている魚たちは、元々は海で泳いでいて、それを獲ってる漁師さんがいてという物語があって私たちの口に届いている。それを子供たちやお父さんお母さんに伝えている」と、消費者の意識を変えることの重要性を強調しました。

国も対策に乗り出しています。2018年にはおよそ70年ぶりに漁業法を改正し、魚をどれだけ獲ってよいかの上限を定めるTAC(漁獲可能量)の対象魚種を増やす方針を打ち出しました。1997年に6種類から始まったTAC制度を、日本全体の漁獲量の8割まで拡大しようという野心的な目標です。

ただし鈴木さんは「新たな規制がかかるのではないかという漁業者さんの不安や、大切さを伝えきれていない行政のコミュニケーションの課題があって、なかなか進んでいない」と現状の課題も指摘しています。


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まとめ

2026年1月5日放送のNHKクローズアップ現代は、世界的な寿司ブームの裏で日本の水産資源が危機に瀕している現実を明らかにしました。

豊洲市場では最高品質のウニやイクラが海外に流出し、10年でウニの価格は4.6倍に高騰。1984年に922万トンあった沖合・沿岸の漁獲量は、2024年には250万トンと3分の1以下に激減しています。「日本にいるのに日本の美味しい魚が食べられなくなる」——これは決して大げさな表現ではありません。

しかし、危機の中にも希望の光があります。冷凍寿司技術による海外市場開拓、東京すしアカデミーによる文化を語れる職人の育成、富山県の「寿司県」宣言に代表される地方活性化の取り組み。そして何より、日本各地に眠る郷土寿司の可能性——これらが寿司文化の新たな未来を切り拓こうとしています。

千津井由貴さんの「私たち日本人が思う以上に、海外の人たちが思う寿司文化への熱量はすごい」という言葉が印象的でした。だからこそ、「まず町の寿司屋さんや魚屋さんに行って見てみることが大事」。私たち一人ひとりが日本の寿司文化を知り、支えていくことが、この食文化を次の世代に継承する第一歩になるのではないでしょうか。

※ 本記事は2026年1月5日放送のNHKクローズアップ現代「SUSHI”新時代”~勃発!世界の寿司ネタ争奪戦~」の内容をもとに作成しています。

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