「がっちりマンデー」(2023年12月10日放送-TBS系)で取り上げられたアサヒビールの新商品「アサヒドライクリスタル」。アサヒビールの「アサヒスーパードライ」から、アルコール分を1.5%引き算し誕生した新商品ということで、発売からわずか1週間で100万箱以上を販売するヒットとなりました。軽快に楽しめる飲み口と、奥行きのある味わいを両立させた開発者のこだわりと、低アルコールビールへの潜在需要の高まりが、期待以上のブレイクの要因と言えるでしょう。アルコール度数を「引き算」する発想の斬新さと、しなやかな飲み心地の魅力について解説しましょう。
アサヒスーパードライからアルコール1.5%引き算
アサヒビールが販売している通常の「アサヒスーパードライ」は、アルコール度数は5%です。しかし、この「スーパードライ」から消費者が一番気にするアルコールを1.5%引き算。アルコール度数3.5%に抑えた新商品「アサヒドライクリスタル」を開発しました。
アルコール引き算の理由は軽く長く飲みたい需要
アサヒビールが市場調査を行ったところ、消費者からは「食事前に軽めのビールを飲みたい」「酔いにくく長時間飲みたい」といったニーズがあることが分かりました。これがアルコール度数を引き算する理由です。軽快に楽しめる商品開発のポイントとされたのです。
アルコール引き算でもスーパードライ味を再現する醸造技術
商品開発担当者は、アルコールを引き算しながらもスーパードライらしい味わいを残すことに苦心しました。アルコールにはコクやキレなどの味の要素が含まれるため、単純に度数を下げるだけでは本来の味を再現できません。そこで、発酵度や原料の配合比、温度管理など、ほかの要素を調整することで奥行きのある味わいを実現。減らしたアルコール分の味を補う作戦が功を奏したのです。
アルコール引き算で100万箱突破の理由は香りとコクの調整
アルコール度数3.5%のビールでありながら、アサヒスーパードライの味を再現できた背景には、発酵度を上げることで多くの香り成分を発生させた点が大きいと開発担当者は述べています。発酵のコントロールが難しく大変だったそうですが、この香りと、麦汁の成分調整による程よいコクの再現が、低アルコールながら充実感がある味わいを生み出しました。
アルコール引き算が市場投入1週間で4倍の売上を達成
新商品「アサヒドライクリスタル」は、2023年10月に発売開始したところ、1週間で同時期の新商品の4倍以上となる100万箱以上を販売。消費者のニーズと技術力の見事な融合が、この驚異的なヒットにつながったと言えるでしょう。アルコールを引き算する発想と、味の再現に注力する姿勢が勝利の要因だったといえます。
まとめ
アサヒビール「アサヒドライクリスタル」は、飲みやすさを求める消費者と、味の再現にこだわる開発担当者の想いが合致して誕生した新商品です。アルコール度数を下げる「引き算」の発想と、発酵や配合などの技術の到達点が、驚異的なヒットにつながっています。軽快な飲み心地と奥深い味わいの両立が、「アサヒドライクリスタル」の魅力といえるでしょう。
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