過酷な労働実態により26歳の医師が自殺に追い込まれた病院。真実はようやく明るみに出てきましたが、こうした労働環境下で働く医師は後を絶ちません。本記事では神戸市の病院で明らかになった勤務実態を詳述することで、医療崩壊の危機的状況を知っていただけます。併せて医療を取り巻く私たちすべての意識改革の必要性を訴えます。どうか最後までお読みいただき、ともに新しい医療のかたちを考えてみてください。
過労死ライン超える長時間労働の実態告発
「過労死ラインを超える時間外労働」引用：報道特集(TBS系)
2022年に神戸市の病院で26歳の高島晨伍(しんご)さんが自殺した件で、遺族の高島淳子さんへの聞き取り調査で判明した過酷な勤務実態がメディアを騒がせています。調査報告書によると、晨伍さんは1か月207時間50分もの時間外労働を強いられており、過労死ラインの100時間を大きく超えていることが分かっています。さらに翌日から33時間以上も休むことなく勤務を続けさせられた実態も明らかになりました。こうした過重労働が重度のうつ病を引き起こし、26歳という若さで自殺に追い込んだのです。医療現場の過酷な労働実態が浮き彫りになったと言えるでしょう。
上司の理不尽な要求に悩まされ続ける
晨伍さんは診療業務に追われるだけでなく、上司から学会発表の準備を重ねるよう要求され続けていました。しかも、定時後の残業申請を制限するなど、過重労働の実態を隠蔽することまで強要されていたことも判明しています。実際には過労死ラインを超える長時間労働を強いられながら、表向きはその実態を隠される無理な要求が日常的に続いていたのです。これは明らかにパワーハラスメントであり、人格をないがしろにする上司のふるまいであると言えます。
7人に1人の医師が自殺を考える現状
調査によると、20代の医師の7人に1人が日常的に自殺を考えていることが分かっています。過重労働がその背景にあると指摘されており、医療現場での過酷な労働環境が深刻な精神疾患を引き起こしている実態がうかがえます。医師の「自己研鑽」という建前では片付けられない、人格を無視した扱いがあることが明らかです。医療崩壊を招かぬためにも、医療現場における労働改革は喫緊の課題なのです。
医療崩壊へ、患者と医療者の意識改革が急務
「過労自殺した医師遺族の記者会見」引用；報道特集（TBS系）
医師だけでなく、患者側の意識改革も求められます。体調に異変を感じたら適切に医療機関を受診することが大切ですが、軽症の患者が繰り返し受診することが医療現場の業務過多を招いている側面もあります。患者一人ひとりが社会の一員としての自覚を持ち、健全な医療を支えることが求められています。医療従事者と患者がともに医療を支え合う関係を築くことが、持続可能な医療体制をつくることにつながるのです。
まとめ
26歳医師の自殺が明らかにした医療現場の過酷な労働実態。そこから見えてくる医療崩壊の危機。私たちは今こそ、医療をとりまくすべての人々の意識を変革し、新しい医療のかたちを創っていかねばなりません。そのために、まず真実を見つめることから始めたい。これからの時代に求められる医療とは何か。私たちみんなで考えていきましょう。
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