2024年2月11日放送の「がっちりマンデー!」(TBS系)で紹介された、パナソニック製品の「しっくり感」の秘密をお伝えします。「なぜこの商品は手に取ったらしっくりくるのか?」その疑問にお答えします。ご存知の通り、パナソニックは世界中の方々から長年愛されてきたブランドです。その理由の一つが「しっくり感」。形状や重さなど細部にこだわり、国や個人の好みに合わせています。本記事では、そんなパナソニック製品のしっくり感の秘密と、開発の裏側をデータを交えて解説します。ぜひ最後までお読みいただき、愛用のパナソニック製品の魅力を再発見していただければ幸いです。
パナソニックの「プロダクト解析センター」とは
パナソニックホールディングスには「プロダクト解析センター」という部署がある。ここでは解析担当の小川哲史さんをはじめとするメンバーが、しっくり感を科学的に研究している。具体的には、シェーバーや電動自転車、デジタルカメラなど、100種類以上の商品のしっくり感を解析している。
解析にはデータを重視しており、シェーバーの握り心地を調べるため、17カ所の圧力を計測できるグローブを使っている。このデータから、手の形にフィットする曲線的な形状が望ましいことが分かった。こうした研究によって、商品の形状改良を行い、性能面で上回るわけではないが、しっくり感が向上し、売上を大幅に伸ばしている。
国や地域ごとに異なる「しっくり」の基準
しっくり感は個人差があるだけでなく、国や地域によっても異なる部分があることが分かっている。例えば電化製品のスイッチを比較すると、中国では少し硬くて厚みのあるタイプが好まれる一方、インドでは軽い動作で音のしないタイプが人気だ。日本も軽めのスイッチを好む傾向にある。
このためパナソニックでは、販売地域ごとにその国の人々がしっくりと感じるタイプのスイッチを開発している。こうした地域ごとの違いに対応することで、世界シェア2位の座を築いている。
データから導き出す商品の「しっくり」ポイント
プロダクト解析センターが行っているのは、あくまでデータに基づいた科学的なアプローチである。単なる個人の感想ではなく、実際に計測している。
例えばシェーバーの圧力計測では、手の形に合わせた曲線的な形状が最適であることがデータ上で裏付けられている。個人差はあるとしても、この形状なら多くのユーザーにしっくりとした握り心地を実現できることが分かる。
データから導き出されたポイントを商品設計に反映させることで、たとえ性能面では上回らないとしても、ユーザーにとってのしっくり感という実益を高めることに成功している。
他社への「しっくり」技術の外販事例
パナソニックが培ったしっくり技術は、他社への外販も行われている。例えばアース製薬の虫よけスプレー「サラテクト」では、噴射時の持ちやすさを向上させることで、20%の売上アップにつながった。
また、男性化粧品マンダムの制汗剤「ギャツビープレミアムタイプデオドラントロールオン」でも、パナソニックの技術を使うことで商品形状を改良し、売上を伸ばしている。
自社商品だけでなく他社への技術供与も行うことで、パナソニックのしっくり技術は多方面で活用されており、事業領域を広げている。
「しっくり」の追求で売上を大幅向上
プロダクト解析センターによる研究成果は、商品の形状改造を通じて売上増に直結している。例えばシェーバーの形状最適化により売上が1.6倍に。シャワーヘッドや電動自転車などでも大幅な売上アップを実現している。
まとめ
20年以上にわたり蓄積されてきたしっくり追求のデータとノウハウが、いまやパナソニックの重要な武器となっており、今後も革新的な商品作りに生かされていくことだろう。「しっくり」こそが同社が世界トップクラスの地位を維持する源泉なのである。
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