上手に「NO」と言えないことで、人間関係や仕事でストレスを感じている方は多いのではないでしょうか。本記事では、番組「あさイチ!」で取り上げられた”断る技術”について、専門家の津田卓也さんに学ぶ具体的な方法を、相手との関係性別に3ステップでわかりやすく解説します。性格ではなく、適切な断り方を知ることで、誰もが上手に「NO」と伝えられるようになり、自分らしく生きていくことができるはずです。
相手との関係性で異なる”断り方”のコツ
断り方の専門家である津田卓也さんによると、上手に「NO」と言えるかどうかは性格ではなく、断る方法を知っているかどうかにかかっています。赤ちゃんの頃は自分本位でわがままですが、育っていく中で「相手を尊重しなさい」「配慮しなさい」と教えられ、だんだん相手優先の気持ちが強くなり過ぎて、自分の意見を言えなくなってしまうのだそうです。
しかし、津田さんが提唱する適切な断り方を知ることで、誰でも上手に「NO」と言えるようになれると考えられています。つまり、適切な断り方を知れば、誰でも上手に「NO」と言えるようになれるということです。
相手との関係性によって断り方のテクニックは変わってきますが、津田さんに学ぶ”魔法の断り方”を以下の3つのパターンごとに紹介します。
その場限りの相手への上手な断り方(初級編)
店員さんなど、その場限りの相手への断り方は、5つのステップで対応することが重要です。
①最初は「ありがとうございます」と感謝の気持ちを示します。相手の好意を真っ向から否定するのではなく、まずは感謝の念を込めることが大切です。
②次に「ちょっと考えさせてください」と一旦時間を稼ぎましょう。慌てずに6秒ほど静かに考える間を取ることで、冷静な態度を維持できます。
③そして「私にはピンとこないので」と、自分の気持ちを素直に伝えます。商品や店員さんを否定するのではなく、あくまで自分の感じ方を話すだけです。この一言が「魔法の言葉」だと津田さんは言っています。
④「やめておきます」と明確に断りを込めます。自分の意見をしっかりと言い切ることが重要です。
⑤最後に「ありがとう」と感謝の言葉を添えて締めくくります。「ありがとう」と「ありがとう」の二重サンドイッチにすることで、柔らかい印象を与えられるそうです。
店員さん側から見ても、「最高の笑顔で断っていただければ」「必要ないなら早めに断ってほしい」「人として対応してもらえると嬉しい」などの意見が出ています。無視やイヤホンで聞かない態度は避けたほうがよさそうです。
今後も関係が続く相手への上手な断り方(中級編)
友人や知人など、今後も関係が続く相手への断り方は、やはり難易度が上がってきます。5つのステップで対応しましょう。
①最初は「ありがとう」と感謝の気持ちを示します。丁寧に対応することが大切です。
②「いいね~」と一旦は相手の話に乗ります。時間を稼ぐことで、冷静になれます。
③そして「ただ…」と付け加え、その後に断る理由を素直に話します。「ただ」を使うことで、前の言葉を否定しない柔らかい印象を与えられます。理由がない場合は「家の事情で」など、具体的に詳しく説明しなくてもよいでしょう。
④「せっかくなのに残念」と一言添えると、共感の気持ちが込められ、テンションダウンを和らげることができます。
⑤最後に「ありがとう」と感謝を示して締めくくります。
仲の良い相手であれば、「嫌われたくない」と思うかもしれません。しかし、津田さんによると「10人いれば必ず1人は自分を嫌う人がいる」そうです。むしろ誠実に断ることで、良好な関係を築けるはずです。
職場の人への上手な断り方(上級編)
職場の上司や先輩など、上下関係がある相手への断り方は、さらに難易度が上がります。第一印象が大切なだけに、5つのステップを踏んで丁重に対応しましょう。
①まずは雑談で場を温めます。そこで「ありがとうございます」などの言葉を拾い、感謝の気持ちを示します。
②「大変ですね」などと共感し、情報収集をします。時間を稼ぐことで、冷静に対応できるようになります。
③「「外ならぬ○○さんのご依頼なので…お受けしたいのはやまやまですが…」と、丁重に前置きをします。「外ならぬ」(他でもない)、「やまやま」(強く願う)という、敬意と謙虚さを表す言葉を用いることで、相手への敬意を払っているサインになります。
④「来月であれば…」など、代替案を示すことで対立を緩和し、お詫びの意も込められます。
⑤「これからもよろしくお願いいたします」と丁重に締めくくり、その場を去ります。
津田さんは「一度きちんと断れば、関係が切れることはほとんどない」と説いています。事実を隠さずに正直に伝え、適切な言葉遣いを心がけることが何より大切なのです。
上司への断りは怖さを感じるかもしれませんが、「自分の人生を生きていないのと同じ」とも言えます。今日の内容を参考に、少しずつ慣れていけば自然と断れるようになっていくはずです。
まとめ
相手との関係性に応じた”魔法の言葉”を使うことで、上手に「NO」と言えるようになれます。その場限りの相手には「ありがとう」「ちょっと考えさせてください」「〜ですので」「やめておきます」「ありがとう」のサンドイッチ式で。知人には「ただ」「せっかくなのに残念」といった言葉を用い、上司には「外ならぬ」「やまやま」などの丁重な言い回しを心がけましょう。
何より大切なのは、相手を敬う気持ちを忘れず、自分の意思も的確に伝えられるよう心がけることです。断るのが苦手な方も、今日の内容を参考にぜひトライしてみてください。自分らしく生きるためのスキルとして、適切な断り方を身につけましょう。
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