2024年10月27日にTBS系列で放送された「がっちりマンデー!!」では、静岡県磐田市に本社を置く株式会社増田採種場が特集されました。来年で創業100年を迎えるこの老舗企業が、独自の品種改良で革新的な野菜を次々と生み出している様子が紹介されました。
増田採種場のソフトケール「サンバカーニバル」が年商5000万円の大ヒット
静岡県磐田市に拠点を置く増田採種場が開発した新品種「サンバカーニバル」が大きな注目を集めています。このソフトケールは、従来のケールの最大の弱点であった苦みを大幅に軽減することに成功。自社での栽培・販売だけでも年間5000万円の売上を記録する大ヒット商品となっています。同社の増田寛之社長は、「食べて楽しく元気になるような野菜」をコンセプトに開発したと語っています。
増田採種場が開発する儲かる品種の特徴と成功事例
増田採種場は、これまでに100種類以上の新品種を開発してきました。代表的な成功例として、「白いロマネスコ」があります。通常緑色のロマネスコにカリフラワーを掛け合わせることで、フレンチレストランで人気の食材として採用されています。
また、ケールと芽キャベツを掛け合わせた「プチヴェール」は、小さなバラのような形状と高い糖度が特徴で、大手食品メーカーのカゴメの野菜ジュースの原料としても採用されています。
さらに、おたふくソース株式会社との共同開発で、お好み焼きに最適な「おこシリーズ」を開発。春夏秋冬それぞれの季節に合わせた4品種を展開し、一年中安定した品質を提供しています。
ソフトケールはなぜ人気?従来のケールとの決定的な違い
「サンバカーニバル」の特徴は、従来のケールにあった3つの課題を解決したことにあります:
- 苦みの軽減:青汁の原料として知られる従来のケールの苦みを大幅に抑制
- 食べやすいサイズ:一枚一枚が均一なサイズで、調理がしやすい
- 柔らかい食感:葉が柔らかく、肉巻きなど様々な料理に活用可能
増田寛之社長が語る品種改良の秘訣と開発プロセス
品種改良の現場では、味の良さや病気への耐性など、異なる特徴を持つ品種を組み合わせていきます。例えば「サンバカーニバル」の場合、苦みの少ないケールと葉の柔らかいケールを掛け合わせ、さらにその中から優秀な特徴を持つものを選び出す作業を何世代にもわたって続けました。
一つの新品種の開発には約9年という長い期間が必要です。これは、種が育って次の種が取れるまでに1年かかるためです。
次世代の儲かる品種!気候変動に対応した新品種開発とは
増田社長は、9年後の地球環境を見据えた品種開発を行っています。気温上昇や台風の大型化など、気候変動への対応を視野に入れた研究を進めています。
例えば、現在開発中のブロッコリーは、根がとぐろを巻くように育つ特徴があり、強風にも耐えられる構造になっています。これは、今後予想される気象条件の変化に対応するための革新的な取り組みの一例です。
増田秀美専務が提案する新たなビジネスモデルの可能性
増田秀美専務取締役は、新しいビジネスモデルとして、品種開発への投資ファンドの設立に意欲を示しています。これは、一般の投資家も参加できる形で、10年後を見据えた新品種開発を支援する仕組みです。
まとめ:増田採種場が切り開く儲かる農業の未来
増田採種場の成功の秘訣は、単なる種子の販売にとどまらず、新品種の開発から栽培方法まで含めた知的財産権を確立し、企業や農家との契約栽培を展開している点にあります。9年という長期的な視点で品種開発を行い、気候変動などの環境変化にも対応した持続可能な農業の実現を目指しています。
※本記事は2024年10月27日放送のTBS「がっちりマンデー!!」の情報に基づいて作成しています。
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