神社仏閣のシンボルである鳥居が、近年大きな変化を遂げています。2024年12月22日放送のTBS「がっちりマンデー!!」で紹介された鋼製の鳥居について、その革新的な特徴から価格まで、詳しくご紹介します。
鋼製の鳥居が全国の神社で急増中!その理由と価格の真相に迫る
神社の数は全国に8万以上あり、これはコンビニエンスストアの店舗数(5〜6万店)を上回る規模です。その多くで、老朽化による鳥居の建て替えが課題となっています。そんな中、新しい選択肢として注目を集めているのが、橋やプラントの建設で知られるJFEエンジニアリングが手がける鋼製の鳥居です。
JFEエンジニアリングの大和久誠一さんが語る鋼製鳥居のメリット
明石海峡大橋や横浜ベイブリッジなど、日本を代表する大型建造物を手がけてきたJFEエンジニアリング。同社の社会インフラ本部営業部長である大和久誠一さんによれば、すでに全国60基以上の鋼製鳥居を建立しており、金属製鳥居市場において6〜7割のシェアを誇っているとのことです。
木造・石造から鋼製へ!神社の鳥居が進化する3つの理由
鋼製鳥居が選ばれる理由は、主に以下の3点です。
- 驚異的な耐久性:適切な塗装管理により約200年の寿命を実現
- 大規模化への対応:材料の供給に制限がなく、どんな大きさでも製作可能
- 伝統的な造形美の継承:最新技術で木造鳥居の微細な特徴まで再現
鷲宮神社で実現した「伝統と革新」〜権禰宜・檜森恭司さんの声
埼玉県の鷲宮神社では、鋼製鳥居の導入を決断されました。同神社の権禰宜である檜森恭司さんは、「以前の鳥居を完璧に再現していただき、神社として大変ありがたく思っています。新しい鳥居は町のシンボルとして定着し、神社と地域の絆をより一層強めています」と語っています。
職人技が光る!北陸建工の澤田昌克さんが明かす鋼製鳥居の製造工程
製造を担当する北陸建工プロジェクト本部の澤田昌克さんによれば、鋼製鳥居の製造には高度な技術が必要とされます。特に以下の工程が重要です。
・柱の製作:上部が細くなる微妙な扇形の金属板を正確に加工
・塗装工程:工場で4回、現地で1回の計5回の丁寧な塗装
・伝統的な要素の再現:楔(くさび)など、木造鳥居の特徴も忠実に表現
神社の鳥居1基にかかる費用と工期の詳細
標準的な規模(柱間隔4メートル、高さ6メートル程度)の鋼製鳥居の場合、基礎工事を除いて約2000万円が目安となります。また、色味については、同じ朱色でも神社ごとに微妙に異なる色調を、細かく調整して対応しているとのことです。
■まとめ:これからの神社建築における鋼製鳥居の可能性
伝統と革新が見事に調和した鋼製鳥居は、日本の神社建築に新しい可能性を開きました。熊野本宮大社の34メートルという日本一の高さを持つ鳥居をはじめ、靖国神社、箱根神社など、著名な神社での採用実績も着実に増えています。耐久性と伝統美の両立を実現した鋼製鳥居は、これからの神社建築における重要な選択肢となっていくことでしょう。
※本記事は、2024年12月22日放送のTBS「がっちりマンデー!!」を参照しています。
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