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テレビ番組・情報

【ブレイクスルー】マイクロ波化学・吉野巌が「電子レンジの技術で革命」プラスチックリサイクル

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2025年8月2日にテレビ東京系で放送された「ブレイクスルー」では、私たちの身近にある電子レンジの技術を応用して、プラスチックリサイクルに革命をもたらそうとしている大阪大学発ベンチャー企業が紹介されました。マイクロ波化学吉野巌社長が挑戦する「電子レンジのマイクロ波」を活用した究極のリサイクル技術は、日本が抱える資源問題の解決策として大きな注目を集めています。

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マイクロ波化学が実現する「電子レンジのマイクロ波」でプラスチックリサイクル革命

マイクロ波化学が開発した技術の核心は、家庭にある電子レンジとは全く異なるアプローチでマイクロ波を活用することです。電子レンジが食材の水分を振動させる2450MHzに対して、同社は915MHzという特殊な周波数を採用しています。

この技術の革新性は、プラスチックを「ピンポイント」で分解できる点にあります。従来の熱分解とは異なり、マイクロ波は「内部から・直接・特定の物質だけに」エネルギーを伝えることができるため、アクリル樹脂だけを選択的に加熱し、分解することが可能です。番組内で実演された車の雨除け(PMMA:アクリル樹脂)の分解では、投入されたプラスチック片がマイクロ波によってガス状に変化し、冷却することで高純度の原料に戻る過程が紹介されました。

現在の日本のプラスチックリサイクル事情を見ると、2023年の廃プラスチック排出量は769万トンで、有効利用率は89%を達成しています。しかし、その内訳はマテリアルリサイクル22%、ケミカルリサイクル3%、サーマルリサイクル64%となっており、真の意味での「ケミカルリサイクル」は全体のわずか3%にすぎません。マイクロ波化学の技術は、この3%の部分を大幅に拡大する可能性を秘めているのです。

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ブレイクスルー出演の吉野巌社長とマイクロ波化学の挑戦

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マイクロ波化学の吉野巌社長                               (引用:「ブレイクスルー」より)

番組に出演した吉野巌社長は、慶應義塾大学法学部卒業後、三井物産の化学品本部で10年間勤務し、その後UCバークレーでMBAを取得した経歴の持ち主です。アメリカでベンチャー企業の世界に触れたことで起業への想いを強くし、2007年に大阪大学の研究者である塚原保徳氏と共同でマイクロ波化学を設立しました。

吉野社長が語る企業ミッション「Make Wave, Make World. 世界が知らない世界をつくれ」には、100年以上大きな革新がなかった重厚長大な化学産業を変革したいという強い想いが込められています。同社が目指すのは、電機産業と化学産業の間に「マイクロ波化学」という新たな産業を創出することです。

現在、マイクロ波化学は大阪市住之江区に世界初の大規模マイクロ波化学工場を擁し、エネルギー消費量を従来の1/3、加熱時間を1/10、用地面積を1/5まで削減することに成功しています。この画期的な効率性により、同社には名だたる化学メーカーからの技術提携の依頼が殺到しており、三菱ケミカルとの共同開発も進んでいます。

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電子レンジの100倍パワー!マイクロ波の発振器がピンポイントで分解

番組で紹介されたマイクロ波の発振器は、家庭用電子レンジの約100台分という圧倒的なパワーを持ちながら、極めて精密な制御を可能にしています。この装置の特徴は、単純にパワーが大きいだけでなく、物質ごとに最適化された周波数とエネルギー伝達方法にあります。

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電子レンジの100台のパワーを持つマイクロ波発生装置                    (引用:「ブレイクスルー」より)

マイクロ波化学の研究陣は、100種類以上のプラスチックについて詳細なデータを蓄積しており、それぞれの物質がマイクロ波にどのように反応するかを数値化しています。番組内では、プラスチックの種類によって温度上昇速度が大きく異なる実験の様子が紹介され、46度から50度を超えて真っ赤になるまでの変化が実演されました。

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プラスチック廃材                            (引用:「ブレイクスルー」より)

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高純度の原料へ                                 (引用:「ブレイクスルー」より)

 

さらに注目すべきは、マイクロ波を当てる角度の微調整です。物質にマイクロ波を当てる角度だけでも反応の強さが大きく変わるため、同社ではミリ単位での調整を行っています。装置内部の上下左右の壁面には独自の凹凸が施されており、マイクロ波が反響した時に物質に当たる最適な角度を作り出すノウハウの塊となっています。

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ケミカルリサイクルが「効率がいい」理由と環境に優しい技術の秘密

マイクロ波化学のケミカルリサイクル技術が「効率がいい」とされる理由は、従来の火力を使わず電力だけで処理を行うことで、温室効果ガスの排出量を半減できる点にあります。この環境に優しい特性は、脱炭素社会の実現に向けて極めて重要な意味を持ちます。

従来のリサイクル方法と比較すると、その優位性が明確になります。マテリアルリサイクルでは不純物が多くなってしまうため品質を下げた別のものにしか利用できませんが、ケミカルリサイクルでは元の原料レベルまで戻すことができるため、同じ製品を何度でも作り直すことが可能です。

吉野社長は番組内で「従来の延長線上に技術を磨いても数パーセントの削減しかできないが、半分や9割削減は難しい」と語り、根本的な技術革新の必要性を強調しました。マイクロ波技術の導入により、「外部から・間接的に・全体に」エネルギーを伝える従来の方法から、「内部から・直接・特定の物質だけに」エネルギーを与える真逆の手法への転換が実現しているのです。

世界的にケミカルリサイクル市場は急成長しており、2024年から2030年にかけて年平均成長率9.4%で拡大し、2030年までに268億8,000万米ドル規模に達すると予測されています。この市場拡大の背景には、プラスチック汚染への懸念の高まりと、包装・自動車・電気電子・建築建設・繊維などの様々な分野からの需要増加があります。

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プラスチックリサイクルを超えた新展開:半導体・レアメタル・宇宙事業

マイクロ波化学の技術は、プラスチックリサイクルにとどまらず、さらに広範囲な産業革新への応用が期待されています。番組で紹介された中でも特に注目されるのが、半導体製造工程への応用です。

小型のマイクロ波発振器を使った装置では、あっという間に700度を超える高温を実現し、半導体の機能を高める新たな加工技術の開発が進んでいます。吉野社長によると、この技術は1年以内に完成予定とのことで、半導体産業における新たなプロセス革新として大きな期待が寄せられています。

さらに驚くべきは、レアメタル採取への応用です。番組では「白いダイヤ」と呼ばれるリチウムの鉱石がマイクロ波技術によって処理される様子が紹介されました。現在、世界では激しいレアメタル争奪戦が繰り広げられており、資源不足に悩む日本にとって、この技術は文字通り「ゲームチェンジャー」となる可能性があります。

宇宙ビジネスへの展開も始まっており、JAXAとの連携でフリーズドライ食品の技術開発も進んでいます。吉野社長が語る「マイクロ波はエネルギーの伝達手段であり、あらゆることに使える」という言葉通り、同社の技術は医薬・ナノテクノロジー・食品など、様々な企業との連携によって幅広い分野への進出を続けています。

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次週放送予告:都市に眠るレアメタル発掘技術の詳細

番組の最後で予告された次週の内容では、「都市に眠るレアメタル発掘」という更なる革新技術が紹介される予定です。現代社会において「都市鉱山」と呼ばれる使用済み電子機器からのレアメタル回収は、持続可能な資源利用の観点から極めて重要な課題となっています。

マイクロ波化学の技術が都市鉱山の有効活用にどのように貢献できるのか、次週の放送では具体的な手法や効果が明らかになることが期待されます。従来の物理的・化学的な処理方法と比較して、マイクロ波技術がもたらす効率性や環境負荷の軽減効果について詳細な解説が予想されます。

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まとめ

テレビ東京系「ブレイクスルー」で紹介されたマイクロ波化学の技術は、電子レンジのマイクロ波を産業レベルで応用することで、プラスチックリサイクルに革命をもたらそうとしています。吉野巌社長率いる同社の挑戦は、日本のケミカルリサイクル比率3%という現状を大幅に改善し、真の循環型社会の実現に向けた重要な一歩となることでしょう。

915MHzという特殊な周波数でのピンポイント分解技術、電子レンジの100台分のパワーを持つ発振器、そして環境に優しい効率的なプロセスは、従来の重厚長大な化学産業に新たな風を吹き込んでいます。プラスチックリサイクルから始まった技術が、半導体・レアメタル・宇宙事業まで展開していく様子は、まさに「世界が知らない世界をつくる」という同社のミッションの体現と言えるでしょう。

2007年の創業から18年間、地道な研究開発を続けてきたマイクロ波化学の技術が、今まさに世界規模での産業変革の起点となろうとしています。次週の放送で明らかになる都市鉱山技術と合わせて、マイクロ波化学が描く未来の産業像から今後も目が離せません。日本が世界をリードする環境技術として、この革新的なアプローチがどのような発展を遂げるのか、引き続き注目していく必要があります。

※ 本記事は、2025年8月2日放送(テレビ東京系)の人気番組「ブレイクスルー」を参照しています。
※ マイクロ波科学株式会社のHPはこちら

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