癌治療の副作用や点滴の負担に朗報！2025年9月6日放送の「ブレイクスルー」で紹介された、フェロトキュア社大槻雄士CEOが開発する革新的な癌の飲み薬が注目を集めています。この記事では、従来の治療法を根本から変える可能性を秘めた画期的なメカニズムと実用化への道筋をご紹介します。癌治療の新時代への希望を見つけることができるでしょう。
大槻雄士氏が開発する癌の飲み薬とは？ブレイクスルーで紹介された革新的治療法
2025年9月6日にテレビ東京系「ブレイクスルー」で放送された内容は、まさに医療界の常識を覆す革命的な発見でした。川崎市のナノ医療イノベーションセンターで取材が行われたフェロトキュア社は、2022年5月に設立された慶應義塾大学発の創薬ベンチャーです。代表取締役CEOの大槻雄士氏は、北海道大学医学部を卒業後、札幌市内の病院で呼吸器外科医として癌手術の最前線に立っていた経験を持つ、まさに現場を知り尽くした医師出身の経営者です。
フェロトキュアの大槻雄士CEO （引用：「ブレイクスルー」より）
番組で紹介されたこの飲み薬は、従来の抗癌剤の概念を根本から変える可能性を秘めています。現在の癌治療では、抗癌剤は点滴による静脈内投与が主流ですが、大槻氏が開発する薬剤は経口投与、つまり口から飲める錠剤として患者に投与できるのです。これは単なる投与方法の変更ではありません。患者さんが「これってビタミン剤と変わらないですよね」と感じるほど、治療に対する心理的負担を大幅に軽減する画期的なアプローチなのです。
さらに注目すべきは、この薬が目指しているのが癌の「根治」であることです。現在の治療法では、手術や放射線、抗癌剤を駆使しても再発や転移のリスクが常につきまといます。しかし大槻氏の開発する薬剤は、癌細胞の生存メカニズムそのものを破壊することで、癌を根絶することを目標としているのです。
癌細胞を自滅させるメカニズム：活性酸素を利用した世界初のアプローチ
大槻氏が発見した治療メカニズムは、まさに「コロンブスの卵」とも言える発想の転換でした。一般的な細胞は、活性酸素という物質を常に産生しています。この活性酸素は、増えすぎると細胞を酸化、つまり「錆びさせて」殺してしまう有害な物質です。通常、癌細胞も活性酸素が増えれば錆びて自滅するはずなのですが、実際には癌細胞は巧妙な防御システムを備えているのです。
癌細胞は、活性酸素から自身を守る「抗酸化システム」という、いわば強固な盾を持っています。この盾があるからこそ、癌細胞は本来なら死んでしまうはずの環境でも生き延び、増殖を続けることができるのです。大槻氏はこの癌細胞の特性に着目し、世界初となる画期的なアプローチを編み出しました。
その治療戦略は二段構えになっています。まず第一段階で、癌細胞が持つ抗酸化システムという「盾を取り除く」のです。そして第二段階で、酸化を促進する活性酸素を癌細胞の中に留めさせます。この二つの作用を同時に行うことで、癌細胞は自らが産生する活性酸素によって錆びて、最終的に自滅するというメカニズムです。
番組の中で大槻氏が実際に見せてくれた実験結果は衝撃的でした。投薬前には顕微鏡下で無数に見えていた肺癌細胞が、薬剤投与から2日後には軒並み死滅し、白い点々のような「カス」だけが残っていたのです。この光景を目の当たりにした作家の相場英雄氏が「癌の根本治療ができたら、これノーベル賞取れますよ」と興奮気味に語ったのも頷けます。
従来の抗癌剤との圧倒的な違い：副作用軽減と飲み薬での癌治療を実現
従来の抗癌剤治療を経験された方なら、その過酷さを身をもって知っているでしょう。まず、薬剤は静脈内に直接注入する必要があり、1回の治療で数時間を要します。入院期間も長くなりがちで、患者さんだけでなく、介護をするご家族にとっても大きな負担となっています。さらに深刻なのは副作用の問題です。既存の抗癌剤は癌細胞だけでなく、正常な細胞も攻撃してしまうため、激しい吐き気、脱毛、免疫力低下など、患者さんのQOL（生活の質）を著しく損なう副作用が避けられませんでした。
試験中の癌の経口薬（サンプル） （引用：「ブレイクスルー」より）
一方、大槻氏が開発する飲み薬は、これらの問題を根本的に解決する可能性を秘めています。まず投与方法ですが、従来の抗癌剤が口から投与すると内臓で分解されてしまうのに対し、この新薬は分解される前に血管に吸収されるため、経口投与が可能になったのです。これにより、患者さんは自宅で薬を服用でき、入院期間の短縮や外来での長時間点滴から解放されることになります。
さらに画期的なのは副作用の軽減です。この薬剤は特殊な方法で癌細胞だけを標的とするため、正常な細胞への影響を最小限に抑えることが期待されています。番組で大槻氏が語った「本当に風邪のように癌を治せる」という言葉は、決して大げさな表現ではありません。患者さんが笑顔で過ごせ、ご家族も普通の生活を送れる治療法の実現を目指しているのです。
北海道で医師をしていた大槻氏が、道東地方での医療体験を通じて痛感したのは、地理的制約による治療格差の問題でした。大きな病院まで車で3時間もかかる地域では、最先端の癌治療を受けることが困難です。しかし、飲み薬であれば、こうした地域格差の問題も大幅に改善されることでしょう。
臨床試験の現状と実用化への道筋：トリプルネガティブ乳癌から全癌種へ
大槻氏の開発する革新的な飲み薬は、すでに2024年から実際の癌患者さんに投与する臨床試験が開始されています。現在進行中の第一段階の試験では、まず薬剤の安全性を慎重に確認している段階です。対象となっているのは「トリプルネガティブ乳癌」という、特に治療が困難とされる癌種です。
このトリプルネガティブ乳癌は、発見が遅れた患者さんの場合、既存の治療法では1年以内に再発や悪化してしまうほど悪性度が高い癌として知られています。大槻氏があえてこの難しい癌を選んだのは、「特に困っている患者さんにまずアプローチしたい」という強い思いからです。世界では年間約46万人がこの病気に罹患していますが、もしこの治療法が成功すれば、年間2000万人という世界中の癌患者さんへの応用が視野に入ってくるのです。
実用化のタイムラインとしては、2030年代前半が目標とされています。今後、安全性を確認する試験を経て、有効性を検証する臨床試験へと進んでいく予定です。承認されれば、癌を根治する可能性を秘めた世界初の飲み薬として、医療史に名を刻むことになるでしょう。
開発費用については、抗癌剤の場合は一般的に最低100億円程度が必要とされており、フェロトキュア社もこの規模の資金調達を想定しています。しかし、成功した暁のライセンス料は、アメリカでの類似案件を見る限り、何千億円規模のビッグビジネスに発展する可能性があります。このことからも、この技術がいかに革新的で価値あるものかが分かります。
癌以外への応用可能性：老化防止やパーキンソン病治療への将来展望
大槻氏の研究の真骨頂は、癌治療にとどまらない幅広い応用可能性にあります。番組の中で特に興味深かったのは、この技術が癌の「予防薬」として使える可能性についての言及でした。癌になりそうな細胞を、癌化する前の段階で酸化を促進して撲滅するという発想は、まさに「治療から予防へ」という医学の新たなパラダイムを示しています。
さらに驚くべきは、アンチエイジング分野への応用可能性です。大槻氏の研究は酸化ストレスを癌細胞で引き上げる技術ですが、逆に酸化ストレスを抑え込むことで、老化を遅らせる、あるいは止める治療法の開発にも繋がる可能性があるのです。海外の研究では、酸化ストレスが老化に深く関係していることが注目されており、抗酸化システムを強化してアンチエイジングを図る研究が活発化しています。
また、パーキンソン病やアルツハイマー病といった神経疾患の治療にも、このメカニズムが重要な役割を果たす可能性があることが、国内外の研究者によって報告され始めています。つまり、大槻氏が発見したこの技術は、癌という一つの疾患の枠を超えて、人類の健康寿命延伸に貢献する可能性を秘めているのです。
まとめ
大槻雄士氏がフェロトキュア社で開発を進める癌の飲み薬は、まさに医療界におけるブレイクスルーと呼ぶにふさわしい革新的な治療法です。活性酸素を利用して癌細胞を自滅させるという世界初のメカニズム、従来の点滴から飲み薬への転換、副作用の大幅軽減という三つの革新が、癌治療の常識を根本から変える可能性を秘めています。
現在進行中のトリプルネガティブ乳癌での臨床試験が成功すれば、2030年代前半には世界中の癌患者さんにとって希望の光となることでしょう。さらに、癌予防、老化防止、神経疾患治療への応用可能性を考えると、この技術が人類全体の健康と幸福に与えるインパクトは計り測れません。
医師として患者さんの苦しみを間近で見てきた大槻氏だからこそ、「癌で苦しまない世界を作る」という明確なビジョンを持って、この困難な挑戦を続けているのです。番組「ブレイクスルー」が紹介したこの物語は、単なる医学的発見を超えて、人類の未来への希望を示すものとして、多くの人々の心に深く刻まれることでしょう。
※ 本記事は、2025年9月6日放送（テレビ東京系）の人気番組「ブレイクスルー」を参照しています。
※ フェロトキュアのHPはこちら
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