コロナ禍でホームエンタメが人気を集める中、楽器にも注目が集まっています。島村楽器は、「廣瀬流」の独自の戦略で、初心者でも楽器を続けられる仕組みづくりに成功。カンブリア宮殿でも取り上げられた同社の黄金の成長戦略とは一体どのようなものなのでしょうか。音楽を通じて人と人のつながりを深めようとする島村楽器の取り組みから、あなたの音楽ライフが豊かになる可能性を探っていきます。
カンブリア宮殿が注目する!島村楽器の黄金の成長戦略
コロナ禍の中でも絶好調な業績を上げている島村楽器。2024年4月11日(テレビ東京系)に放送されたテレビ東京系列の人気番組「カンブリア宮殿」でも特集されており、注目を集めている。
島村楽器は2022年と2023年の2年連続で過去最高の売上を更新した。その背景にあるのは、「楽器プレイヤーのトータルサポート」と呼ばれる同社の独自の戦略だ。
ご存知の通り、コロナ禍で巣ごもり需要に支えられ、楽器市場は2020年には573億円にまで落ち込んでいたものの2022年には754億円にまで急拡大した。そんな中で、島村楽器は全国に180店舗を展開し、業界トップの売上を記録している。
2代目社長 廣瀬利明が仕掛けた「楽器プレイヤーのトータルサポート」
経営を任された2代目社長の廣瀬利明氏は、就任直後から「楽器プレイヤーのトータルサポート」を掲げ、様々な施策を実行している。
その一つが、ショッピングモールへの出店だ。従来の路面店では敷居が高く感じられることが多かった楽器店だが、ショッピングモールへの出店により、初心者でも気軽に楽器に触れられる環境を整備した。
さらに、楽器教室の充実も大きな特徴だ。島村楽器の教室数はヤマハやカワイなどの大手より少ないものの、生徒の増加率は業界トップクラスだ。その理由の一つが、マンツーマンレッスンの導入だ。月4回のマンツーマンレッスンは1万2100円~と決して安くはないが、生徒の都合に合わせて柔軟に時間設定ができる点が評価されている。
初心者も挫折せずに楽器を続けられる仕組み
また、初心者でも挫折せずに楽器を続けられるよう、オンラインサービスの「ギターセンパイ」を展開している。ステップバイステップで練習できるシステムにより、着実にスキルアップできるのが特徴だ。
アーティストのあいみょんさんが紅白歌合戦で使用したギターなど、オリジナル楽器の開発にも力を入れており、初心者でも手に取りやすい価格設定や仕様にこだわっている。
教室と店舗が一体となったオトナのための音楽コミュニティ
さらに、店舗でのサークル活動「オトナカマ」の取り組みも注目を集めている。店舗ごとに課題曲を決め、初心者から上級者まで、年齢や性別を問わず、気軽に集まって演奏を楽しめる場を提供している。
遠慮しがちだった社会人が、スタッフがサポートしてくれる安心感もあり、気軽に参加できるのが特徴だ。初めて会った人同士でも、セッションを通じて仲間意識が生まれるという。
オリジナル楽器開発と心をつなぐアフターフォローで支持を集める
楽器の販売にとどまらず、独自のオリジナル楽器の開発にも力を入れている。あいみょんさんが紅白歌合戦で使用したギターなどは、品質の高さから専門家からも高い評価を得ている。
さらに、メンテナンスやアドバイスなどのアフターフォローサービスの充実にも力を入れている。楽器店の社員が学校の吹奏楽部を定期的に訪れ、無料でメンテナンスをするなど、楽器を大切に扱う心を後輩たちに伝えるなど、きめ細かな取り組みが評価されている。
コロナ禍でも伸び続ける理由とは
こうした取り組みが功を奏し、島村楽器は2020年のコロナ禍の影響を乗り越え、再び成長軌道に乗っている。
コロナ禍の一時期は売上が落ち込んだものの、楽器を始める人が増えたことで、その分を取り返し、過去最高を更新するまでに回復した。
「楽器が弾けなくてもいいから、まずは始めてみよう」といったメッセージが響いたようだ。初心者でも挫折せずに続けられる仕組みが、幅広い層を取り込むことに成功しているのだ。
楽器を通して人と人の絆を深める廣瀬社長の想い
2代目社長の廣瀬利明氏は、楽器店としての枠組みにとどまらず、音楽を通して人と人とのつながりを深めたいという思いを持っている。
「楽器を売るのではなく、楽器を演奏して人生を豊かにすること。それが島村楽器の目指すところです」と語る廣瀬氏。
楽器の販売だけでなく、教室の運営やイベントの開催、さらにはメンテナンスサービスの提供など、音楽を楽しむ人々をトータルサポートすることで、島村楽器は着実に支持を広げてきた。
そうした取り組みが評価され、コロナ禍においても楽器市場の成長を牽引し続けている。まさに「カンブリア宮殿」が注目するゆえんだ。
まとめ
コロナ禍で急成長を遂げた島村楽器の成功の背景には、2代目社長・廣瀬利明氏が打ち出した「楽器プレイヤーのトータルサポート」戦略がある。
ショッピングモールへの出店で初心者の利用を促進し、マンツーマンレッスンの充実や、ステップバイステップでスキルアップできるオンラインサービスの提供など、楽器を始める人を支える仕組みを整備した。
さらに、店舗を拠点としたサークル活動の展開や、オリジナル楽器の開発、修理サービスの提供など、楽器を通じた音楽コミュニティの形成にも注力してきた。
こうした取り組みが評価され、コロナ禍においても楽器市場を牽引し続けている島村楽器。まさに「カンブリア宮殿」が注目した企業の一つと言えるだろう。
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