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テレビ番組・情報

【がっちりマンデー】湖池屋佐藤章社長「V字回復の秘密」とは?

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2025年9月21日放送のTBS系「がっちりマンデー!!」で特集された湖池屋。3年連続最高益を更新し、売上593億円を達成した同社の躍進ぶりは、まさに企業再生の成功事例として注目を集めています。番組では、この驚異的なV字回復を牽引した佐藤章社長の経営手法と、湖池屋独自の製造秘密が詳しく紹介されました。

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がっちりマンデーで話題!湖池屋佐藤章社長によるV字回復の全貌

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湖池屋の佐藤章社長                          (引用:「がっちりマンデー」より)

湖池屋の佐藤章社長(66歳)は、2016年9月の就任から9年間で同社を劇的に変革させました。番組で紹介された通り、元キリンビバレッジ社長という異業種出身の佐藤社長に対し、当初は社員から「お手並み拝見」という厳しい視線が注がれていたといいます。

しかし、その状況を一変させたのが2017年に発売した「プライドポテト」でした。佐藤社長は番組で「最初のプライドポテトを出して、あっという間にドーンと売れたんです。これやらなきゃいけないなっていう風にみんなの心に火がついた」と当時を振り返っています。

実際の数字を見ると、その成果は歴然としています。2025年3月期の売上高は前年比8.3%増の約593億円で過去最高を更新。これは2017年度比で2倍近い伸長です。特にポテトチップスの売上は数年で2倍に成長し、3年連続最高益を更新中という驚異的な業績を記録しています。

佐藤社長の経営哲学で特に注目すべきは「オタクがセンターを張る時代」という考え方です。番組では「AKBさんもシンゴジラも、ある特定のすごい強烈なファンが噂が噂を呼んでそれがブレイクしてく」と説明し、マス市場を狙うのではなく、熱狂的なファンを先に作ってから拡散する戦略の重要性を語っています。

この戦略転換の背景には、かつて価格競争に巻き込まれ赤字に陥った苦い経験があります。佐藤社長は「本来、価格を下げるのなら売り上げが伸びなければいけないのに、メーカーのひとりよがりになってて、お客さんがついてきていない」という課題認識から、付加価値路線への転換を決断したのです。

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湖池屋ポテチ製造の秘密:原料部石井史果さんの驚きの仕事内容

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精算本部 原料部の石井史果さん                          (引用:「がっちりマンデー」より)

番組で最も印象的だったのが、原料部の石井史果さんの仕事ぶりでした。湖池屋の「ポテトチップス作りの要」と呼ばれる原料部は、わずか9名ほどの部署でありながら、同社の品質を支える重要な役割を担っています。

石井さんの仕事内容は実に多岐にわたります。まず、ポテトチップス専用のじゃがいもの調達です。湖池屋は創業以来、国産じゃがいもしか使わないという強いこだわりを持っています。石井さんは「創業以来国産のものをずっと使っているということで、ずっとあの味、皆さん求めてると思ってうちはやってます」と語っています。

特筆すべきは、使用するじゃがいもが「トヨシロ」や「オホーツクチップ」といったポテトチップス専用品種であることです。スーパーで見かける男爵芋やメークインとは異なり、これらの品種は「揚げた後にやはり焦げない」ことを最重要視して開発されています。普通のじゃがいもは糖分が多すぎて焦げてしまうため、澱粉多めの専用品種を使用するのです。

石井さんの仕事で最も驚かされるのが、全国の畑を直接訪問する現地確認作業です。番組では茨城県小美玉市のじゃがいも畑で、石井さんがトラクターに乗り込み、農家の方々と一緒に芋の選別作業を行う様子が紹介されました。「現場のこと分からないと、実際届いた芋がどうしてそうなっちゃったかとかが分からなくなっちゃうので」という石井さんの言葉からは、品質への真摯な取り組みが伝わってきます。

石井さんは「作業着で新幹線に乗る女」として部署内で知られており、九州から北海道まで全国を飛び回っています。これは単なる調達業務ではなく、その年の芋の生育状態を把握するための重要な情報収集活動なのです。工場にはやってこない「弾かれた方の芋」を見ることで、農家さんがどのような基準で選別しているかを把握し、品質管理に活かしているのです。

さらに、石井さんたち原料部は栽培指導も行っています。「初めてじゃがいも栽培される方のために栽培マニュアルっていうのも作ってまして、各地域版で作ってるんですけど、九州用とか関東用とか」と番組で紹介された通り、品種や栽培時期、植える間隔に至るまで細かく記載したマニュアルを地域別に作成しているのです。

収穫後の芋の管理も原料部の重要な仕事です。5月から10月の収穫期は「どの子が長生きしそうかっていうのを見極めながら順番に出しています」と新じゃがを工場に送り出し、11月から5月は北海道産の芋を半年間貯蔵して適宜出荷しています。

この貯蔵管理は非常にデリケートで、温度管理がミリ単位の精度を要求されます。石井さんは「温度を下げすぎてしまうと今度芋が自分が凍ったりとかしないように体中の糖分をたくさん作ってしまいまして、焦げやすいチップになってしまう」と説明しています。温度を上げすぎると芽が出て使い物にならず、下げすぎると糖分が増えて焦げやすくなる。この絶妙なバランスを保つのが石井さんの腕の見せ所なのです。

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1日40万袋を生み出す巨大メカ!湖池屋工場の製造現場に潜入

番組では埼玉県にある湖池屋関東工場の製造現場も詳しく紹介されました。この工場では1日におよそ40万袋のポテトチップスを製造しており、その中核となるのが「巨大メカ」と呼ばれる製造設備です。

この巨大メカは全長数十メートル、幅およそ3メートルという圧倒的な大きさを誇ります。価格について工場リーダーの大野洋一さんは「加藤さんのお給料と同じぐらい」と冗談めかして答えていましたが、実際には「ウン億円」という高額な設備投資が必要な機械です。

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関東工場リーダーの大野洋一さん                      (引用:「がっちりマンデー」より)

製造工程で最も印象的なのが、湖池屋独自のこだわりです。まず、芋のカット工程では機械だけでなく人の手作業が重要な役割を果たしています。不揃いの芋は機械でうまくカットできないため、43年のベテラン、佐々木房子さんのような職人が手作業で適切な大きさにカットしています。

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関東工場ベテラン職員の佐々木房子さん                   (引用:「がっちりマンデー」より)

スライス工程では「あえて湖池屋では厚切りにしています」という方針が貫かれています。これは芋感を出すためのこだわりですが、分厚くしすぎると焦げてしまうため、芋の品種や状態を見ながら「0.0いくつ単位で細かく調整して刃の開き具合によってチップの出てくる厚み調整してます」と、関東工場の鈴木颯さんが説明する通り、ミリ単位の精密な調整が行われています。

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関東工場の鈴木颯さん                            (引用:「がっちりマンデー」より)

さらに特徴的なのが「皮をあえて残している」点です。芋の旨味は実と皮の間に一番詰まっているため、湖池屋では皮をちょこっとだけ残してスライスしています。鈴木さんは「湖池屋のポテトチップスは茶色いって言われるんですけど、これは芋の旨さにこだわっているからなんです」と誇りを持って語っています。

ただし、皮が付いていると焦げる原因になるため、職人は芋の糖度だけでなく付いている皮も気にしながら火加減や揚げ時間を微調整しなければなりません。これが湖池屋の製造現場の職人技なのです。

品質管理にも最新技術が導入されています。「ポテトチップスの自動選別機」では、カメラが焦げたポテチを自動で発見し、空気の力で排除する仕組みが構築されています。100%焦げを防ぐのは難しいですが、この技術により品質の安定化が図られているのです。

湖池屋は全国に4つの工場(京都工場、シレラ富良野工場、九州阿蘇工場、関東工場)を持っており、それぞれの工場長が月に一度東京本社に集まる「食感会議」を開催しています。この会議では各工場が作ったポテトチップスを持ち寄り、「どの工場の食感もちゃんと同じになってるかを確認する」という徹底した品質管理が行われています。

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湖池屋流「仮説と検証」:ダメ出し会議から生まれるヒット商品

湖池屋の新商品開発で最も特徴的なのが「仮説と検証」という手法です。番組では原宿にある本社の会議室で行われている新商品開発会議の様子が紹介され、その独特なアプローチが明らかになりました。

一般的な商品開発がアイデア出しから始まるのに対し、湖池屋では「まずダメなところはどこからスタート」します。マーケティング部第3課主任の秋山竜司さんは「新しい商品を作るとかブランドをリニューアルしていくっていうところに関しては必ず仮説出し」と説明しています。

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マーケティング部第3課の秋山竜司主任                        (引用:「がっちりマンデー」より)

番組で紹介されたプライドポテトのリニューアル会議では、参加者が「高級なポテチってところで止まってしまってる」「いいものに見えすぎてる」「ワクワク感とか若干遠い」といった厳しいダメ出しを次々と発言していました。これは決してネガティブな批判ではなく、改善点を明確にするための建設的な議論なのです。

佐藤社長は「ダメ出しの前に絶対変えちゃいけないっていうのがこれだと。これを変えない前提で、じゃあダメなところはどこなの?」という考え方を示しています。つまり、ブランドの核となる価値は守りつつ、改善すべき点を徹底的に洗い出すという手法です。

この仮説出しは非常に多角的で、「大きな方向性だけで言っても10方向ぐらいでその中でさらにどういう分岐があるか」検討し、多い時には100を超える「ここがだめなんじゃないか」という仮説を出すといいます。

さらに重要なのが、これらの仮説を実際に検証することです。番組ではピュアポテトの新商品開発チームが2ヶ月前に出した仮説を基に、実際にお客さん6人グループ5組を対象にインタビュー調査を実施した結果が報告されていました。

調査で明らかになったダメな点は以下の通りでした。

  • 他に比べ量が少なすぎる
  • 味がシンプルすぎる
  • スナック菓子らしさがない
  • やみつき感がない
  • 目立たない
  • 値段が割高

この中で最もダメとされたのが「やみつき感がない」(80%)だったため、開発チームは「やみつき感のあるピュアポテト」の開発に着手しました。

ここからさらに「やみつき感」を具体化するための仮説と検証が続きます。辛さなのか、旨さなのか、酸っぱさなのかを3週間かけて徹底検証した結果、「一番やみつき感に必要なのは辛さ」という結論に達しました。

そして韓国チキンのお店に実際に足を運んで辛さの流行を確認するなど、現場主義に基づいた調査を重ね、最終的に「シラチャー味」(タイ料理によく使われる調味料)の発売を決定したのです。中島桃子主任は「辛味と酸味と甘味が掛け算されたやみつき感っていうのが特徴的で、これとピュアポテトの今回のやみつきっていうところと合う」と説明しています。ちなみに、2025年10月の新作ピュアポテトはシラチャ―味に決定とのことです。

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マーケティング部第2課の中島桃子主任                     (引用:「がっちりマンデー」より)

佐藤社長は商品開発について「商品開発者の成功確率って1割あれば十分だと僕は思ってる。10個作って1個当たれば上等です」と語り、失敗を恐れずにチャレンジすることの重要性を強調しています。さらに「9個の失敗の中から次の成功を生み出すヒントにしてくれ」として、失敗から学ぶ姿勢を社員に求めています。

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ポテチが売れる理由:パッケージと味名に隠された戦略

湖池屋の商品開発で見落とせないのが、パッケージデザイン味名の戦略です。番組では「個性的のパッケージが多いスナック菓子の中で、お客さんが見てくれる時間は、およそ2秒」という衝撃的な事実が明かされました。

この2秒という短時間でいかに興味を持ってもらうかが、売上を大きく左右します。実際の成功事例として、プライドポテトのパッケージ変更が紹介されました。2023年の白を基調としたパッケージから2024年の緑を基調としたカラフルなデザインに変更したところ、売上が最大146%アップしたのです。

パッケージ同様に重要なのが「味名」です。秋山竜司さんは「味名はですね300案とかっていうのを、ああでもない、こうでもないって、言って」と、1つの味に対して300通りもの名前を検討することを明かしています。

例えば「のり塩」だけでも以下のようなバリエーションが検討されています。

  • 青さのり塩
  • 磯の香り
  • のり塩
  • のり塩革命   等々

このように、同じ味でも伝え方によって消費者の受け取り方が大きく変わるため、湖池屋では味名の開発に膨大な時間と労力をかけているのです。

パッケージと味名の戦略的重要性は、現代の消費者行動の変化と密接に関係しています。佐藤社長が指摘する「今の時代ってニーズがすごい細分化されてる」状況では、マス市場を狙った凡庸な商品では埋もれてしまいます。

だからこそ湖池屋では「独自性があって熱狂的なファンをまず集めてからみんなに広める」戦略を採用し、パッケージと味名でその独自性を表現しているのです。佐藤社長の「今の若い子たちのセンスで熱烈ユーザーを作ってく。誰かの顔を思い描いて作った方がいい」という言葉は、現代マーケティングの核心を突いています。

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まとめ

「がっちりマンデー」で紹介された湖池屋の成功事例は、単なる企業再生ストーリーを超えた、現代ビジネスの教科書と言えるでしょう。佐藤章社長のリーダーシップの下、9年間で売上を2倍近くに押し上げたV字回復の背景には、緻密な戦略と現場主義が貫かれています。

石井史果さんが体現する原料部の徹底した品質管理、1日40万袋を支える巨大メカの職人技、「仮説と検証」に基づく商品開発、そして2秒で勝負が決まるパッケージ戦略。これらすべてが有機的に連携することで、湖池屋は「オタクがセンターを張る時代」に適応した独自のポジションを確立したのです。

特に注目すべきは「失敗を恐れない文化」の構築です。佐藤社長の「10個作って1個当たれば上等」という考え方は、イノベーションを生み出すために不可欠な要素です。この姿勢があるからこそ、湖池屋は毎週新商品を発売し続け、市場に新しい価値を提供し続けることができているのです。

2025年現在も過去最高益を更新し続ける湖池屋の成功は、日本のものづくり企業にとって貴重な示唆を与えています。価格競争に巻き込まれることなく、付加価値で勝負する。マス市場ではなく、熱狂的なファンを大切にする。そして何より、現場の声に耳を傾け、お客様の本当のニーズに応える。これらの基本に忠実でありながら、時代の変化に柔軟に対応する湖池屋の経営手法は、まさに「新時代の企業経営のモデルケース」と呼ぶにふさわしいものです。

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※ 本記事は、2025年9月21日放送(TBS系)人気番組「がっちりマンデー!!」を参照しています。
※ 株式会社 湖池屋の公式サイトはこちら

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