2025年8月17日放送のTBS系「がっちりマンデー！！」で紹介されたMTG社のビジネスモデルが、美容業界と温浴施設業界の両方に革命を起こしています。高級美容機器ブランド「ReFa（リファ）」を展開するMTGが、なぜ温浴施設で「試し放題」という大胆な戦略を展開しているのか、その全貌を詳しく解説します。
ReFaの試し放題システムでMTGが年商718億円を達成した理由
株式会社MTGが展開する高級美容機器ブランド「ReFa」が、がっちりマンデーで紹介された年商718億円という驚異的な数字を達成した背景には、従来の美容機器販売の常識を覆す「試し放題」という革新的な戦略がありました。
(株)MTG FINE WATER 事業本部の 川嶋光貴執行役員 （引用：「がっちりマンデー」より）
(株)MTG FINE WATER次行本部の川嶋光貴執行役員が番組で明かした戦略の核心は、単に製品を売るのではなく、「体験する場」を提供することにありました。「特にお風呂用の製品なんかは、体感していただいて初めてわかる」という川嶋氏の言葉が示すように、最低でも1台3万円以上するReFa製品は、実際に使ってみなければその価値を実感することが難しい高額商品です。
この課題を解決するために、MTGは温浴施設を「巨大な体験型ショールーム」として活用する道を選びました。温浴施設なら、お客様は自然な流れで製品を試すことができ、しかも髪が濡れた状態でドライヤーを使うという、まさに実際の使用シーンそのものを体験できます。この戦略により、2024年9月期の売上高は前年比19.5％増の718億6,500万円で過去最高を更新し、売上高の約72％を占める美容ブランド「ReFa（リファ）」は前年比22％増の514億円に到達したのです。
全国3,200施設で展開するReFaシャワーヘッド・ドライヤーの導入効果
番組で紹介された名古屋の人気温浴施設「キャナル・リゾート」の浴室には、きめ細かい泡のシャワーを様々に使い分けて浴びられるReFaのシャワーヘッドがずらりと並び、脱衣所には髪をツヤやかに素早く乾かせるヘアドライヤーが完備されていました。
Refaのシャワーヘッド （引用：「がっちりマンデー」より）
ReFaのヘアドライヤー （引用：「がっちりマンデー」より）
「ReFaルーム」も含む設備設置ホテル数は累計3,200施設、総導入室数70,000室となり、2025年3月の月間想定体感者数は146万人を超えているという驚異的な数字が、この戦略の成功を物語っています。
キャナル・リゾートの川口真仁店長 （引用：「がっちりマンデー」より）
キャナル・リゾートの川口真仁店長は「リファさんお目当てに来ていただける、特に常連のお客様が増えていますね。若い方は特に」と語り、「お客さんにたくさん来ていただければ、すぐ元は取れてしまいますので」と、投資対効果の高さを強調していました。
実際、ReFa製品の導入は施設側にとって三つの大きなメリットをもたらしています。第一に、ReFa目当ての新規顧客の獲得。第二に、高級感のある設備による施設のグレードアップ。そして第三に、物販による追加収入です。特に若い女性や美容意識の高い男性客の増加は、施設の活性化にも大きく貢献しているようです。
MTG川嶋光貴執行役員が明かすReFa温浴施設戦略の核心
川嶋光貴執行役員が番組で語った戦略の最も重要なポイントは、「施設さん側の方でも直接ユーザー様の方に、製品を販売することができるような取り組み」という、施設と共に成長する仕組みづくりでした。
天然温泉コロナの湯中川店の住田優 支配人 （引用：「がっちりマンデー」より）
この仕組みの巧妙さは、施設側に在庫リスクを負わせない点にあります。天然温泉コロナの湯中川店の住田優支配人が紹介した「B happy」というメンバーズオンラインショップは、加盟店舗数が30,300店舗と順調に増加しており、リピート率も上昇していることからも、その成功が裏付けられています。施設は在庫を持たずに、お客様に商品を紹介するだけで、売上の数パーセントという手数料収入を得られるのです。
川嶋氏の「かなり入っております」という自信に満ちた言葉の背景には、このような綿密に計算された戦略があったのです。
温浴施設が語るReFa導入メリット～集客と物販のWin-Win効果～
番組で紹介された施設の責任者たちの声は、ReFa導入の効果を如実に物語っていました。キャナルリゾートでは、物販コーナーを「お風呂に行く通路」という絶妙な位置に配置することで、体験直後の購買意欲が高い状態でお客様に商品を見てもらう工夫をしていました。
天然温泉コロナの湯の住田支配人が語った「がっちり」という言葉には、実感がこもっていました。ReFa製品を試したお客様が、その場で購入を決めるケースが多く、しかも在庫リスクなしに手数料収入が得られるという、まさに理想的なビジネスモデルが実現されているのです。
がっちりマンデーで注目！ReFa体験型マーケティングの成功法則
番組のスタジオゲストだった山口智充さんが「まんまと」という表現で語ったエピソードは、このマーケティング戦略の巧妙さを端的に表していました。「ホテルで使わせていただいて、これいいじゃない」と感じ、そのまま妻と娘にプレゼンして購入に至ったという体験談は、まさにMTGが狙い通りの効果を生み出している証拠です。
エコノミストのエミン・ユルマズ氏が指摘した「デザインがいいんですよ。だから高級感があるじゃないですか。これを多分置くだけで、ものすごい格が上がるんですよ、施設は」という分析も重要です。ReFa製品は単なる美容機器ではなく、施設のブランド価値を高める「装置」としても機能しているのです。
この体験型マーケティングの成功法則は、①自然な使用シーンでの体験提供、②施設のグレードアップ効果、③購買への自然な導線設計、④施設との収益シェアリング、という四つの要素が絶妙に組み合わさることで成立しています。
MTGが仕掛ける次なる展開～海外進出とReFa試し放題の未来～
川嶋執行役員が番組の最後に語った「先々は海外という展開も、当然、検討したいと思います」という言葉は、2025年9月期の通期連結業績予想を売上高960億円へ上方修正という強気の展開と合わせて、MTGの更なる成長への自信を示しています。
実際、中国においてはStyleブランドで会員制ホールセールクラブへの販売を開始し、台湾ではReFa FINE BUBBLE Uのクラウドファンディングによる販売が好調に推移するなど、海外展開も着実に進んでいます。
日本で成功した「試し放題」モデルは、世界各国の温浴文化やホテル文化と融合することで、さらに進化する可能性を秘めています。特にアジア圏では、日本製品への信頼が厚く、高級美容機器への需要も高いことから、この戦略が大きく花開く可能性があります。
今後は、デジタル技術を活用した体験の可視化や、AIを使った個別最適化された商品提案など、さらに進化した体験型マーケティングへと発展していくことが予想されます。
まとめ
がっちりマンデーで紹介されたMTGのReFa「試し放題」戦略は、年商718億円という数字が示すように、美容機器業界に革命をもたらしました。全国3,200施設での展開により、月間146万人以上が体験するという巨大な「体験型ショールーム」ネットワークを構築し、施設側には集客と物販収入、MTG側には効果的な販売促進という、完璧なWin-Win関係を実現しています。
川嶋光貴執行役員が語った「かなり入っております」という言葉の裏には、緻密に計算された戦略があり、それは単なる製品販売を超えて、新しいビジネスエコシステムの創造といえるでしょう。山口智充さんの「まんまと」購入したというエピソードが示すように、この戦略は消費者にとっても価値ある体験を提供しており、今後の海外展開も含めて、さらなる成長が期待されます。
高級美容アイテムを「試し放題」にするという一見大胆な戦略が、これほどまでに成功した背景には、日本の温浴文化と美容意識の高さ、そしてMTGの巧みなマーケティング戦略があったのです。
※ 本記事は、2025年8月17日放送（TBS系）の人気番組「がっちりマンデー！！」を参照しています。
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