2025年9月28日放送のTBS系「がっちりマンデー！！」で紹介された株式会社Polyuse（ポリウス）の建設用コンクリート3Dプリンター「Polyuse One」が、建設業界に革命を起こしています。従来の工事では半日かかっていた作業をわずか1時間で完成させる驚異的な技術力と、年商15億円を見込む急成長ぶりが注目を集めています。
ポリウス大岡航社長が開発した建設用コンクリート3Dプリンター「Polyuse One」とは
株式会社Polyuseの代表取締役/共同創業者 大岡航氏 （引用：「がっちりマンデー」より）
神奈川県藤沢市に本社を構える株式会社Polyuseは、31歳の若き代表取締役/共同創業者の大岡航氏が率いる建設用3Dプリンター専門企業です。同社が開発した「Polyuse One」は、価格3,300万円の建設用コンクリート3Dプリンターで、建設現場で直接コンクリート構造物を「印刷」することができる画期的な機器です。
大岡社長は元々Web系マーケティングを学んでいたIT業界出身者でしたが、コンクリート作りの職人不足で工事が進まないという話を聞き、「型枠も職人もいらない方法があればいい」と一念発起してこの分野に参入しました。5年間の開発期間を経て完成したPolyuse Oneは、まさに建設業界の常識を覆す技術革新を実現しています。
番組で紹介された群馬県桐生市の住宅造成現場では、大協建設株式会社土木部副部長の新井淳士さんが「ゴミ捨て場の壁を作っている」と説明していましたが、その製造プロセスは従来とは全く異なります。ノズルからニュルニュルと特殊なコンクリート材料が出てきて、まるで巨大な3Dプリンターのように灰色の構造物を積層していく様子は、まさに未来の建設現場を体現しています。
がっちりマンデーで紹介！年商15億円ポリウスのここがすごい技術力
Polyuseの急成長ぶりは数字に如実に表れています。大岡社長が番組内で明かした「年商15億円程度の見込み」という業績は、2019年6月の創業からわずか6年での快挙です。この成功の背景には、建設業界が抱える深刻な課題に対する明確な解決策を提示したことがあります。
番組ゲストのユージさんが語った建設現場の実情は、まさにPolyuseが解決を目指している問題そのものでした。「仲間たちは一人親方になって自分で会社を立ち上げるが、とにかく人が集まらない」「現場に10人いても振り返ったら全員社長」という状況は、建設業界の人手不足の深刻さを物語っています。
Polyuseの技術力のここがすごいポイントは、まず何といっても圧倒的に「速い」ことです。さらに新井淳士さんが評価しているように「変わったデザインも簡単に作り出すことができます」という柔軟性も兼ね備えています。これらの優位性を支えているのが、単なる3Dプリンター開発にとどまらない、建設業界特化型のハードウェア、ソフトウェア、マテリアル（材料）の三位一体開発です。特に独自開発したコンクリート配合技術は、従来のコンクリートとは全く異なる特性を持ち、3Dプリンターでの造形を可能にする革新的な技術となっています。
2025年現在、Polyuse Oneは既に2025年度分が限定30台でほぼ完売状態となっており、2026年度分も50台の生産を予定しています。北海道から沖縄まで全国各地での導入が進んでおり、建設業界における3Dプリンター技術の本格普及が現実のものとなっています。
従来工事と比較「半日→1時間」驚異の時短を実現する3Dプリンター技術
株式会社Polyuseの建設用3Dプリンタ ポリウス・ワン （引用：「がっちりマンデー」より）
Polyuse Oneの最大の特徴は、圧倒的な時短効果です。新井淳士さんが説明したように、「ブロック25個分積んだ大きさのものが1度でできて、1時間ちょっとで完成する」という効率性は、従来の工法とは比較になりません。
従来のコンクリート壁製作では、まず型枠を組み、コンクリートを流し込み、固まるのを待つという工程で半日程度の時間が必要でした。しかもこの作業には複数の作業員が必要で、番組ゲストのユージさんも「しかも1人じゃできない」と指摘していました。一方、Polyuse Oneなら人手を必要とせず、わずか1時間で同じ作業を完了できます。
この時短を可能にしているのは、Polyuseが独自開発したコンクリート配合技術です。大岡社長の説明によると、「セメントとか砂とか骨材の配合の比率や、ちょっと変わった砂を入れたり、違った骨材を入れたりと、細かく細かく工夫を重ねて」完成した特殊なコンクリートは、通常20日かかる完全硬化が3日ほどで完了します。
さらに注目すべきは、この3Dプリンターが5分から10分で折りたたんで持ち運びができることです。工事現場の近くに持っていって構造物を作り、設置場所にちょっと移動させるだけで設置完了という機動性は、従来の大型建設機械では実現不可能な利便性を提供しています。
新井淳士さんも絶賛！型枠不要で人手不足解決する建設用3Dプリンター
現場で実際にPolyuse Oneを使用している大協建設の新井淳士さんは、この技術の実用性を高く評価しています。「人件費というか、人区の削減になっている」という実感のこもったコメントは、建設現場での深刻な人手不足問題に対する具体的な解決策として、3Dプリンター技術が機能していることを示しています。
大協建設(株)土木部の新井淳士副部長 （引用：「がっちりマンデー」より）
従来の型枠工事では、経験豊富な職人の技術が不可欠でした。しかし、建設業界では熟練職人の高齢化と若手入職者の減少が深刻な問題となっており、坂口孝則さんが番組で指摘したように「職人のスケジュール抑えるってめちゃくちゃ難しい」状況が続いています。
Polyuse Oneは、こうした人手不足問題に対する革新的な解決策を提供します。型枠が不要になることで、熟練職人でなくても多種多様な構造物の製作が可能になり、若手人材でも十分に対応できる作業環境を実現しています。新井淳士さんが「変わったデザインも簡単に作り出すことができる」と評価しているように、従来の型枠では困難だった斜めの形やカーブした形、さらには文字なども問題なく造形できます。
Polyuse Oneなら型枠いらずでこんなロゴ文字までできる！ （引用：「がっちりマンデー」より）
番組では触れられていませんでしたが、Polyuseは2022年1月に高知県内の自動車道建設現場で、国内の公共工事で初めて3Dプリンター製コンクリート構造物を設置した実績もあり、公共工事分野でも着実に採用が進んでいます。
ポリウス独自のコンクリート配合技術「3日で固まる特殊素材」
Polyuse Oneの技術的な核心は、独自開発されたコンクリート配合技術にあります。大岡社長が「ありとあらゆるパターンを計算して、実験をして、検証して」完成させたこの技術は、3Dプリンターでの造形を可能にする革新的な材料工学の成果です。
通常のコンクリートは水に溶かすと柔らかくトロトロで流れてしまうため、3Dプリンターでの積層造形には適していません。しかし、Polyuseが開発した特殊配合では、砂の種類を変えたり、セメントや水とのバランスを微妙に調整することで、適度な粘度を持ちながらも造形に適した特性を実現しています。
この技術革新により、従来20日かかっていた完全硬化がわずか3日に短縮されました。番組スタッフが「あ、硬い。固まってますよもう。石だ、石。」と驚いていたように、造形から1時間程度で十分な硬度を確保できる速硬性も実現しています。
さらに注目すべきは、この配合技術が単なる材料開発にとどまらず、3Dプリンターのハードウェア設計やソフトウェア制御と一体化して開発されていることです。ノズルから出る材料の粘度、積層速度、硬化タイミングなど、全ての要素が最適化されており、これこそがPolyuseの競争力の源泉となっています。
建設業界の課題を解決する3Dプリンター「工事現場革命の全貌」
Polyuseの3Dプリンター技術は、建設業界が直面する複合的な課題に対する包括的な解決策として機能しています。番組冒頭で紹介された「人手不足、猛暑、資材の値上げ」といった問題に加え、工期短縮、品質安定化、環境負荷軽減など、多方面での効果が期待されています。
人手不足問題については、従来の職人技術に依存していた作業を技術で代替することで、労働力不足を補完しています。猛暑対策としては、屋外での長時間作業が不要になることで、作業員の熱中症リスクを大幅に軽減できます。資材面では、型枠材の削減により、坂口さんが指摘した「枠のゴミがなくなる」環境効果も実現しています。
2025年現在、Polyuseの技術は実験段階から本格実用化段階へと移行しており、全国100ヶ所以上での導入が予定されています。公共工事から民間建設まで幅広い分野での採用が進んでおり、建設業界の新常識として定着しつつあります。
大岡社長が掲げる「人とテクノロジーの共存施工」というビジョンは、単なる技術革新を超えて、建設業界で働く人々の労働環境改善と業界全体の持続可能な発展を目指したものです。元IT業界出身者だからこそ見えた建設業界の課題と、その解決に向けた5年間の地道な研究開発が結実した成果として、Polyuse Oneは建設現場に革命をもたらし続けています。
まとめ
「がっちりマンデー」で紹介されたPolyuseの建設用3Dプリンター「Polyuse One」は、建設業界の構造的課題に対する革新的な解決策として、着実に実績を積み重ねています。従来半日かかっていた作業を1時間で完成させる時短効果、型枠不要による人手不足解消、独自のコンクリート配合技術による品質向上など、多方面での優位性を実現しています。
年商15億円を見込む急成長と、2025年度分30台の完売実績は、この技術が単なる実験的取り組みではなく、実用的なビジネスソリューションとして市場に受け入れられていることを示しています。大岡航社長の「人とテクノロジーの共存施工」というビジョンのもと、建設業界の未来を切り開く技術として、今後さらなる普及拡大が期待されます。
※ 本記事は、2025年9月28日放送（TBS系）の人気番組「がっちりマンデー！！」を参照しています。
※ 株式会社Polyuse（ポリウス）の公式サイトはこちら
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