2025年3月23日放送のTBS系「がっちりマンデー!!」では「儲かる白」の特集が放送されました。番組では、世の中の白い製品のほとんどに使われている「酸化チタン」に注目。この記事では、石原産業が製造する酸化チタンの秘密や、その高い反射率がもたらす経済効果について詳しくご紹介します。
「がっちりマンデー!!」で紹介された石原産業の酸化チタンとは?高い反射率の秘密
「がっちりマンデー!!」の2025年3月23日放送では、「儲かる色」シリーズ第3弾として「白」に注目した特集が組まれました。番組内では、大阪市に本社を構える石原産業株式会社が紹介されました。石原産業では、私たちの身の回りにある白いものの多くに使われている「酸化チタン」という物質を製造しています。
番組では石原産業の事業推進部の今西広紀さんが酸化チタンについて説明していました。酸化チタンは金属であるチタンを酸化させることで生まれる白い粉末です。一見すると普通の白い粉のように見えますが、この酸化チタンには特別な性質があります。それが「高い反射率」です。
酸化チタンの最大の特徴は、可視光のすべての波長において非常に高い反射率を持っていることです。光の三原色である赤・青・緑のすべてを反射することで、人間の目には真っ白に見えるのです。この特性により、他の白い物質(例えば炭酸カルシウム)と比較しても、より純白で鮮やかな白色を表現することができます。
世の中の白いものはほとんど酸化チタン!その驚きの利用範囲とは
番組内で今西さんは、私たちの身の回りにある白いものの多くに酸化チタンが使われていることを紹介しました。例えば、以下のような製品に酸化チタンが含まれています。
- コピー用紙やティッシュペーパーなどの紙製品
- 白い衣類
- マスク
- 蛍光灯
- 化粧品(特にファンデーション)
- 歯磨き粉
- ホワイトチョコレート
特に驚きだったのは、食品にも使われているという点です。ホワイトチョコレートの白い色は酸化チタンによって作られていると番組内で紹介されていました。
また、ゲストとして出演していた経済ジャーナリストの後藤達也さんによると、酸化チタンは自動車の塗装にも使われているそうです。車の色を鮮やかに見せるために、まず酸化チタンを下地として塗り、その上から目的の色を塗るという方法が取られているとのことでした。
酸化チタンが持つ高い反射率の仕組み – なぜ他の白い物質と違うのか
酸化チタンがなぜこれほど多くの製品に使われているのか、その理由は「高い反射率」にあります。番組内では、チョークの原料にも使われる炭酸カルシウムと酸化チタンを比較する実験が行われました。
両方とも液体に混ぜると白く見えますが、板に塗ってみると、酸化チタンの方がはるかに白く鮮やかに見えました。これは酸化チタンが可視光の全波長で高い反射率を持っているからです。
番組内で今西さんが説明していた通り、物体の色は光の反射によって決まります。例えばリンゴが赤く見えるのは、表面が赤い光だけを反射して他の色を吸収しているからです。一方、酸化チタンは赤・青・緑の光をすべて反射するため、白く見えるのです。
この特性により、酸化チタンは他のどの物質よりも「白さ」において優れており、純白で鮮やかな白色が求められる様々な製品に使用されているのです。
石原産業の今西広紀さんが語る酸化チタンの製造工程
番組内では、石原産業の事業推進部に所属する今西広紀さんが酸化チタンの製造工程について詳しく説明していました。石原産業は酸化チタンの国内シェア約3割を誇る大手メーカーです。
酸化チタンの製造には高度な技術と厳密な管理が必要です。特に重要なのは、粒子の大きさを均一に保つことです。番組内では、石原産業が三重県四日市市に持つ国内最大の酸化チタン製造工場が紹介されました。
工場では24時間体制で酸化チタンの製造が行われており、品質管理のために温度や時間を細かくチェックしています。製造には高度な専門知識と設備が必要であるため、簡単に参入できない分野であることも、石原産業が安定した収益を上げている理由の一つと考えられます。
チタン鉱石から真っ白な粉末へ – 粒の大きさを制御する技術
酸化チタンの製造は、原料となるチタン鉱石から始まります。番組では、四日市工場の前に山積みにされたチタン鉱石が紹介されていました。興味深いことに、この鉱石は真っ黒で、見た目からは白い酸化チタンになるとは想像できません。
チタン鉱石は鉄とチタンでできており、ここからチタンだけを取り出し、約1000℃の高温で1日かけて焼き上げることで酸化させていきます。このプロセスで徐々に白くなっていくのです。
しかし、単に白くするだけでは十分ではありません。酸化チタンの粒の大きさを正確に制御することが極めて重要です。今西さんによると、理想的な粒の大きさは250nm(ナノメートル)、つまり0.00025mmだそうです。
この大きさより大きいと黄色がかった白に、小さすぎると青白く見えてしまうため、粒の大きさを均一に保つことが純白の酸化チタンを作るための鍵となります。石原産業では、焼く温度にムラがないか、時間通りに焼き上がっているかを24時間体制で細かくチェックしています。
酸化チタンが使われている身近な製品一覧 – マスクからホワイトチョコレートまで
私たちの身の回りには、驚くほど多くの製品に酸化チタンが使われています。番組内で紹介されたものをまとめると、以下のような製品に酸化チタンが含まれています。
- 紙製品: コピー用紙、ティッシュペーパーなど
- 衣類: 白い部分すべてに含まれる
- マスク: 白いマスクに使用
- 照明器具: 蛍光灯にも含まれる
- 化粧品: ファンデーション、日焼け止めなど
- 歯磨き粉: 白い歯磨き粉に含まれる
- 食品: ホワイトチョコレートなど
- 自動車: 塗装の下地として使用
特に化粧品については、番組のゲストであるIKKOさんも「化粧品業界では常識」と語っていました。日焼け止めなどでは、酸化チタンの光を乱反射させる性質が活用されているとのことです。
このように、酸化チタンは私たちの生活に欠かせない物質となっています。見えないところで多くの製品の「白さ」を支えているのです。
国内シェア3割を誇る石原産業 – 年間530億円の儲かる白ビジネス
番組内で今西さんは、石原産業の酸化チタン事業の年間売上高が約530億円であることを明かしました。一見すると地味な白い粉ですが、これだけの売上を生み出す「儲かる白」ビジネスとなっているのです。
石原産業は酸化チタンの国内シェア約3割を誇り、業界トップの座を占めています。この背景には、長年にわたって培われた製造技術と品質管理の高さがあると考えられます。
特に粒子の大きさを正確に制御する技術は簡単に真似できるものではなく、石原産業の強みとなっています。また、酸化チタンは幅広い産業で使用されているため、特定の業界の景気に左右されにくいという利点もあります。
まとめ:世の中の白を支える酸化チタンの可能性と将来性
「がっちりマンデー!!」で紹介された石原産業の酸化チタンは、私たちの身の回りにある白いものの多くに使われている重要な物質です。その高い反射率により、他の白い物質では実現できない純白で鮮やかな白色を表現することができます。
酸化チタンはコピー用紙やティッシュペーパー、白い衣類、マスク、化粧品、食品など、様々な製品に使用されています。石原産業はこの酸化チタンの製造において国内シェア3割を誇り、年間530億円という売上を上げています。
特に注目すべきは、チタン鉱石から酸化チタンを製造する過程で、粒子の大きさを正確に制御する技術です。この技術が石原産業の競争力の源泉となっています。
私たちが当たり前のように目にしている「白」の裏には、こうした高度な技術と産業があることを知ると、身の回りの物を見る目が変わるかもしれません。石原産業の酸化チタンは、これからも私たちの生活に欠かせない「白さ」を支え続けることでしょう。
※本記事は、2025年3月23日放送のTBS系人気番組「がっちりマンデー!!」を参照しています。
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