「レンタカーでめちゃくちゃ安く移動したい!」そんな夢を現実のものにしたのが、「がっちりマンデー」紹介(2024年4月28日放送-TBS系)の「カタレン」です。片道専用レンタカーサービスでコストを徹底的に削減し、「やばい安さ」を実現。従来の4万円が5,000円に!小野崎悠介社長の「ツルハシモデル」の思想と、将来のAI配車ビジョンも解説します。この破格値サービスに、新たなモビリティライフの可能性を見出せるかもしれません。
カタレンとは?安すぎる”片道レンタカー”の仕組みを解説
カタレンとは、Pathfinder(パスファインダー)株式会社が運営する画期的な「片道専用レンタカーサービス」です。従来のレンタカー会社と大きく異なる点は、借りた車を返却する際に、必ずしも借りた場所に戻す必要がないことです。
一般的に、レンタカーを借りた場所と違う場所で返却する「乗り捨て」には高額な追加料金が発生しますが、カタレンなら別の利用客が次に借りに行くので「乗り捨て料金」はゼロ。この仕組みによって格安料金が実現できるのです。
実際、例えば大阪から東京に行く場合、一般レンタカーなら4万円前後の費用がかかりますが、カタレンを使えば驚きの5,000円からの価格帯です。この”やばい安さ”が魅力となり、2024年度で利用者数は3万5千人を超えています。
利用の流れは非常にシンプルで、スマホアプリからデジタルキーを発行してもらい、そのキーで所定の場所にある車を直接開錠できます。返却時も同様に、決められた場所に車を止め、前後の写真とガソリン代のレシートをアプリに送信するだけで完了です。スタッフとの対面は一切不要なスマートな仕組みとなっています。
小野崎悠介社長が目指す「ツルハシモデル」ビジネス戦略とは
カタレンを手がける小野崎悠介社長の狙いは、いわゆる「ツルハシモデル」と呼ばれるビジネススキームを実現することです。
「ツルハシモデル」とは、19世紀のアメリカで起きたゴールドラッシュ時代に例えられる概念です。当時、金を掘りに行った人々は誰一人として大金を手にすることができませんでしたが、彼らにツルハシやジーンズなどの設備を売った業者たちだけが大儲けを果たしたと言われています。
カタレンの本質は、レンタカー会社への「ツル ハシ」の提供ビジネスなのです。小野崎社長はカタレンを通じてレンタカー業界の在り方を見直し、車の稼働率を大幅に改善することを目指しています。現状のレンタカー業界は非常に非効率で、保有する車両の稼働率がわずか30%程度とも言われています。
こうした無駄を解消するため、カタレンではAIを活用してレンタカー配車の最適化を図る計画です。利用者データから需要予測を行い、各営業所の車両を効率的に振り分ける仕組みを構築することで、業界全体の生産性向上に貢献できると小野崎社長は説明します。
ゆくゆくはカタレンの配車AIシステムを、他のレンタカー会社にもライセンス提供していく考えだそうです。まさにツルハシビジネスの典型例と言えるでしょう。
激安料金で差別化!カタレンが実現した”やばい安さ”の裏側
カタレンが実現した破格の安さは、利用者にとって最大の魅力となっています。しかし一方で、そこには業界常識を覆す大胆な経営判断の賭けがあったのです。
一般的にレンタカー業界では、店舗展開やカウンタースタッフの人件費など、多額の固定費用が発生します。しかしカタレンはデジタル決済のみで直接の店舗を持たず、人件費も最小限に抑えています。さらに車両調達においても、自社で保有するのではなく他社から借り受けるスタイルを採用し、リスクを最小化しているのです。
また、従来は避けられがちだった「片道レンタル」をメインサービスに据えたことで、稼働率向上を実現しています。例えば大阪から借りた車が東京に行き、次の客が東京から別の場所に持っていく。このようにリレー方式で車両を繰り回すことで、ムダを生まない効率的な運用が可能になったのです。
もちろん、配車調整には相応の労力を要しますが、需要データとAIによる最適化で段階的に自動化を進めていく計画だとか。カタレンのビジネスモデルは、従来の常識に捉われずに徹底的にコストを削減することで、「やばい安さ」を生み出した革新的なサービスと言えるでしょう。
カタレン普及の課題と小野崎社長の夢「AIでレンタカー効率化」
カタレンが破格値の魅力的なサービスである一方で、小規模スタートアップならではの課題もあります。最大の課題は「保有車両が少ない」ことです。
これを解決すべく、小野崎社長は大手レンタカー各社と提携し、彼らの車両とスペースを活用する新作戦に着手しています。具体的には、大手レンタカー会社からカタレンが車両と駐車スペースを借り受け、カタレン側でサービス予約・管理を行うといった連携です。
この提携によって、カタレンはコストを抑えつつも車両数を大幅に増やすことができます。大手レンタカー各社にも、空きがちな車両の有効活用という新たな収入源が生まれるます。さらにその恩恵でお客さんは車を安く借りられるため、三方よしのWin-Win-Winの関係が構築されるのです。
さらに小野崎社長は、将来的にはカタレンが培ったAIシステムをレンタカー業界に広く普及させたいという夢を語ります。既存レンタカー会社は非効率な運用が多く、カタレンのAIを導入すれば大幅な生産性向上が見込めると言うのです。
車両稼働率のアップと無駄削減、ひいては地球環境への負荷軽減にも貢献できる可能性があります。小野崎社長はカタレンを「ツルハシ」としてレンタカー業界を変革していく構想を持っているようです。
カタレンの将来性は?片道レンタカー需要の動向を探る
カタレンの革新的な片道レンタカーサービスは、新しいモビリティの形を提案するものです。しかし一方で、そもそも片道でレンタカーを利用するニーズがどの程度あるのか、長期的な成長可能性には不透明な部分も残されています。
現状、片道レンタカーへの需要は業務利用が中心となっています。出張での利用や、法人営業車として活用するケースなどが典型的でしょう。一般消費者の需要も一定数はあるものの、まだニッチな存在と言えます。
しかし小野崎社長は、片道レンタカーの可能性には明るい見通しを持っています。「MaaSやシェアリングエコノミーの潮流の中で、所有から利用の時代へとシフトしていく。そうした環境下で片道レンタカーへの需要も確実に高まっていくはずです」と語ります。
実際、カタレンの利用者データを見ると、リピーター比率が年々上昇しているそうです。一度片道レンタカーを利用した人々から、その利便性が高く評価されている可能性が窺えます。
他方で普及の障壁も存在します。既存のレンタカー利用者には「返却が大変」といったイメージが根強く、片道サービスには二の足を踏む向きも多いのが実情です。そうした認知度の課題を解消することも、今後のカタレンには求められます。
「まずは利便性の高さと低価格でサービスを知ってもらい、次第にライフスタイルの選択肢の一つとして浸透していければと考えています」と小野崎社長は説明します。カタレンの行く末は、片道レンタカーという新しいモビリティスタイルの市場規模次第と言えるでしょう。
まとめ:”がっちりマンデー”紹介の破格値カタレンは勝負アリ!
2024年4月28日放送(TBS系)の「がっちりマンデー」でも紹介された、カタレンの破格値レンタカーサービス。その仕組みと可能性について解説してきました。
従来のレンタカー常識を覆す「片道専用」スタイルと徹底したコスト削減で実現した「やばい安さ」に加え、小野崎悠介社長が掲げる「ツルハシモデル」の構想は大変興味深いものです。レンタカー業界へのAIシステム普及という壮大なビジョンを秘めています。
一方で車両数の制約や、片道レンタカーそのものの需要動向など、カタレンが乗り越えるべき課題も残されています。しかしながら、現在カタレンは大手レンタカー会社との提携で車両数を増強し、ノウハウを蓄積しつつ需要の掘り起こしに注力しているところです。
片道レンタカーのニーチな市場を確実に広げていくことができれば、その将来性は充分に期待できるでしょう。今後のカタレンの動向から目が離せません。
がっちりマンデーが注目した「やばい安さ」の魅力と、小野崎社長の熱いビジョンに、私自身も心を動かされました。がっちりとした経営判断の賜物である「破格値価格」と「ツルハシモデル」の考え方。カタレンが目指す新しいモビリティライフスタイルに、勝算はあると思います。
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