「がっちりマンデー」で話題となった福岡県のお弁当チェーン「とよ唐亭」。豊永憲司社長の顔が大きく映った赤い看板とげんこつ唐揚げで月商1億円を達成する秘密とは？店名よりも商品名を前面に出し、メニューをたった2種類に絞るなど、独自の「看板作戦」が話題を呼んでいます。地元密着型ビジネスの強みと成功のヒントが詰まった豊永社長の儲かる仕組みをご紹介します。
がっちりマンデーで話題！とよ唐亭のげんこつ唐揚げが福岡で大人気の理由
2025年3月30日放送のTBS系「がっちりマンデー！！」では、「儲かる地元お弁当チェーン」をテーマに、全国各地で愛されている地元密着型のお弁当チェーンが特集されました。その中でも特に注目を集めたのが、福岡県で展開する「とよ唐亭」です。
「とよ唐亭」は、福岡県内だけで50店舗を展開し、月間売上が1億円を超える人気店になっています。年間売上は約12億円にのぼり、MC加藤浩次さんをはじめとしたスタジオゲストも絶賛するほどの美味しさを誇っています。
番組内で紹介された「げんこつ唐揚げ弁当」は、シンプルながらもジューシーで何個でも食べられる味わいが特徴です。福岡の地元の方々からは「週に3、4回は来る」「大好き」という声が多数聞かれ、その人気ぶりが伺えます。
では、なぜこれほどまでに「とよ唐亭」のげんこつ唐揚げは福岡の人々に愛されているのでしょうか。その秘密は、豊永憲司社長の徹底したこだわりと独自のビジネス戦略にありました。
とよ唐亭とは？福岡で50店舗展開する「赤い看板のおじさん」のお弁当チェーン
「とよ唐亭」は、福岡県内で急速に店舗数を拡大している唐揚げ弁当専門店です。最大の特徴は、どの店舗にも掲げられている「赤い看板のおじさん」です。この「おじさん」は実は豊永憲司社長本人で、赤い背景に大きく写真が載せられた看板は、福岡の街中でひときわ目立つ存在となっています。
赤い看板のおじさんでおなじみの「とよ唐亭」の豊永憲司社長 （引用：「がっちりマンデー」より）
この特徴的な看板の効果は絶大で、福岡の方々に尋ねると「あの赤い看板のおじさんのお店」とすぐに認識されるほど。街中でも否が応でも目に入るインパクトのある看板は、豊永社長のマーケティング戦略の一環なのです。
とよ唐亭は、2025年現在、福岡県内の主要エリアを中心に50店舗を展開しています。特に福岡市内やその近郊の粕屋町などのロードサイドに多く出店し、お昼時には行列ができるほどの人気店になっています。
このチェーン店は、個人経営のお弁当屋さんのような温かみがありながらも、チェーン店としての一貫した品質管理とブランド戦略が功を奏して、地元に密着した「福岡の顔」となっているのです。
げんこつ唐揚げの魅力とシンプルな弁当メニュー戦略
とよ唐亭の看板商品である「げんこつ唐揚げ弁当」（4個入り540円）は、鶏もも肉の唐揚げに少量のポテトサラダと漬物が付いたシンプルな内容です。番組内で試食したスタッフや出演者たちは、その美味しさに「ジューシー」「飽きない」「何個でも食べられそう」と絶賛していました。
とよ唐亭の「げんこつから揚げ弁当４個入り」 （引用：「がっちりマンデー」より）
特筆すべきは、とよ唐亭のメニューがたった2種類しかないという点です。「げんこつ唐揚げ弁当」以外のメニューは、唐揚げにマヨネーズをかけた「チキンてりマヨ弁当」のみ。この極端なメニューの少なさには、豊永社長の明確な戦略があります。
豊永社長によれば、メニューを意図的に2つに絞ることで「お客様が選びやすい」環境を作っているのです。心理学の研究でも、選択肢が多すぎると人は選ぶことを諦めてしまう傾向があるとされています。実際に客からも「選ばなくていいので楽」という声が聞かれ、社長の戦略が功を奏していることがわかります。
また、メニューを絞ることで厨房設備をコンパクトにでき、小型店舗での出店が可能になるというメリットもあります。「月刊食堂」編集長の通山茂之さんも、「単品に絞ることによって、厨房の設備が小さくて済む。だから小型店で成立するから物件が出やすい」と分析しています。
このシンプルな戦略が、とよ唐亭の出店拡大と利益率向上に大きく貢献しているのです。
豊永憲司社長が考案した独自の「看板作戦」とは？
とよ唐亭の成功を支える最大の特徴が、豊永憲司社長自身が考案した「看板作戦」です。この作戦には、主に2つの重要な要素があります。
1つ目は「キャラクターより人の写真を使う」という戦略です。豊永社長は「キャラクターで行くのか、本物で行くのかというのは考えたんですけど、やっぱり本物の方がインパクトがある」と語っています。実際、社長自身の顔写真を大きく掲げた看板は非常に目立ち、多くの人の目に留まります。
特に特徴的なのは、看板が建物の上部からはみ出すように設置されている点です。番組ゲストの山口智充さんも「看板も、その看板のその1番上のツラに合わせてるんじゃなくて、ちょっと肩から上でてるっちゅうのもすごい」と評価しています。このちょっとした工夫が、さらに目に留まりやすくしているのです。
2つ目の戦略は「お店の名前は知られなくていい」というものです。実際に街頭インタビューでは、とよ唐亭のお客さんでさえ「げんこつ唐揚げのお店」と認識していて、「とよ唐亭」という店名を知らない人が多くいました。
これについて豊永社長は「お店の名前って自己満足じゃないですか。お客様が知りたいのは、何の店ですか？何が得意なお店なんですか？そこがお客様は知りたいところなんで、うちの場合はげんこつ唐揚げがメインに」と説明しています。
つまり、店名よりも商品名を前面に出す戦略で、実際に看板でも「げんこつ唐揚げ」の文字が「とよ唐亭」よりも大きく表示されているのです。この商品名重視の戦略が、お客さんの記憶に残りやすく、リピート購入につながっているのです。
「お店の名前を知らない人」が多いのに売上月1億円を達成できる理由
番組内で驚きの事実として紹介されたのは、常連客でさえ「とよ唐亭」という店名を知らない人が多いという点です。しかし、それにもかかわらず月間売上1億円という驚異的な業績を上げていることに、スタジオでも驚きの声が上がりました。
なぜ店名を知られていないのにこれほどの売上を達成できるのでしょうか。その理由は、豊永社長の「顧客視点に立った」ビジネス戦略にあります。
豊永社長は「お店の名前は自己満足。お客様が知りたいのは何の店か、何が得意な店なのか」と述べています。つまり、店名よりも「げんこつ唐揚げがおいしい店」という認識を広めることを優先しているのです。
また、「赤い看板のおじさん」という視覚的なイメージが非常に強く、それだけで店を識別できるようになっています。これはブランディングの観点からも非常に効果的な戦略です。
「月刊食堂」編集長の通山茂之さんも「パフォーマンス重視っぽく見えるんですけど、すごい理にかなってる」と評価しています。特に看板の効果については「人が上にいるって、通常ありえないことじゃないですか？だから目が行く。認知が上がる」と専門家の視点から分析しています。
このように、店名よりも「何を売っているか」「どんな特徴があるか」という点を前面に出す戦略が、強いブランドイメージを構築し、高い売上につながっているのです。
とよ唐亭の成功から学ぶ地元密着型ビジネスの強み
とよ唐亭の成功事例から学べる地元密着型ビジネスの強みは数多くあります。
まず、地域の好みに合わせた商品開発です。番組内で通山茂之さんは「味の傾向が全然違うので、日本って東西で。きめ細やかな味作りっていうのが、やられてると思うので、そこはすごい強みだと思います」と述べています。地元の嗜好に合わせた味作りが、全国チェーンにはない魅力となっています。
次に、シンプルさを追求する姿勢です。とよ唐亭はメニューを2種類に絞り、店舗の看板も一目でわかるデザインにしています。このシンプルさが、消費者の選択のハードルを下げ、来店や購入の決断を促しています。
また、店舗拡大においても、小型店舗で展開できる仕組みを作ることで、出店のしやすさと効率化を実現しています。福岡県内の50店舗という数字は、このビジネスモデルの強さを証明しています。
さらに、地元での認知度を高めるマーケティング戦略も特筆すべき点です。社長自身の顔を使った看板は、地元に密着した親しみやすさを演出すると同時に、強烈な印象を残すという二面性を持っています。
この「とよ唐亭モデル」は、全国展開する大手チェーンとは一線を画した、地域に根ざしたビジネスの成功例として、多くの飲食店経営者や起業家に示唆を与えるものといえるでしょう。
まとめ：がっちりマンデーが教えてくれた豊永憲司社長の儲かる仕組み
2025年3月30日放送の「がっちりマンデー！！」で紹介された「とよ唐亭」の成功事例から、私たちは多くのことを学ぶことができます。
豊永憲司社長の「看板作戦」に代表される独自のマーケティング戦略は、一見シンプルながらも心理学的な洞察に基づいた緻密なものでした。「赤い看板のおじさん」というインパクトのあるビジュアルを活用し、「げんこつ唐揚げ」という商品名を店名よりも前面に出すことで、消費者の記憶に強く残るブランディングに成功しています。
また、メニューをたった2種類に絞るという思い切った戦略は、消費者の選択のハードルを下げるだけでなく、厨房設備の簡素化や小型店舗での展開を可能にし、コスト削減と出店拡大のしやすさをもたらしました。
月間売上1億円、年間12億円という数字が示すように、これらの戦略は確実に成果を上げています。「とよ唐亭」は、福岡県内50店舗という規模に成長し、地元に愛される弁当チェーンとして確固たる地位を築いています。
地域密着型のビジネスが全国チェーンと差別化して成功するためには、地元の嗜好に合わせた商品開発、シンプルで印象的なブランディング、効率的な店舗運営という3つの要素が重要であることを、豊永社長の事例は教えてくれています。
「がっちりマンデー！！」で紹介されたとよ唐亭の成功は、飲食業界だけでなく、地域で商売を展開するあらゆる業種の経営者にとって、貴重なヒントを与えてくれるのではないでしょうか。
※本記事は、2025年3月30日放送のTBS系人気番組「がっちりマンデー！！」を参照しています。
コメント