2025年7月13日放送のTBS系「がっちりマンデー!!」で注目を集めた山本製作所。業務用洗濯機業界で日本一のシェアを誇る同社が、なぜ世界中から「フォーエバーマシーン」と呼ばれ、歴代最高の61億4000万円という売上を達成できたのでしょうか。その秘密は、長さ38mの巨大メカ「マーズ」にありました。本記事では、番組で紹介された山本製作所の驚異的な技術力とビジネスモデルについて詳しく解説いたします。
山本製作所とは？がっちりマンデーで紹介された業務用洗濯機日本一企業
山本製作所は、広島県尾道市に本社を構える業務用洗濯機の専門メーカーです。1947年の創業から約80年にわたり洗濯機作りに取り組み続け、現在では業務用洗濯機で国内トップクラスの生産台数を誇る企業として知られています。
山本製作所の山本尚平社長 （引用：「がっちりマンデー」より）
同社の山本尚平社長によると、現在全国1万3000社以上で山本製作所の業務用洗濯機が使用されており、コインランドリー市場においては圧倒的な存在感を示しています。がっちりマンデーの取材でも紹介されたように、私たちが普段利用するコインランドリーの多くで、実は山本製作所の洗濯機が活躍しているのです。
特に注目すべきは、同社の内製化率が98%という驚異的な数値を誇ることです。これは、ほぼ全ての加工部品を自社で生産していることを意味し、他社に依存しない独自の生産体制を築いています。この高い内製化率こそが、山本製作所の競争力の源泉となっており、滞りのない部品供給と価格競争力を実現する基盤となっています。
山本製作所の驚異的な業績「61億4000万円の歴代最高売上」
がっちりマンデーで山本尚平社長が明かした売上高は、なんと61億4000万円という歴代最高の数字でした。これは同社の長年にわたる技術革新と市場開拓の成果を如実に示しています。
山本製作所は日本No1の業務用洗濯機メーカー （引用：「がっちりマンデー」より）
この驚異的な売上を支えているのは、国内市場だけでなく海外展開の成功にもあります。山本製作所の業務用洗濯機は、その耐久性と信頼性の高さから、アメリカをはじめとする海外市場でも高く評価されています。特にアメリカでは「フォーエバーマシーン（永久に使える機械）」という異名で呼ばれ、業界関係者から絶大な信頼を得ているのです。
売上急成長の背景には、世界的なコインランドリー市場の拡大があります。特に海外では、日本のような優れた排水設備が整っていない国が多く、家庭に洗濯機を設置できない地域が数多く存在します。そうした地域では、コインランドリーが生活インフラとして欠かせない存在となっており、山本製作所の業務用洗濯機への需要が急激に高まっています。
巨大メカ「マーズ」の全貌：38m×6億円の最新設備が生む競争力
山本製作所の成功を語る上で欠かせないのが、同社が誇る巨大メカ「マーズ」の存在です。長さ38m、幅23m、高さ6mという圧倒的なスケールを持つこの設備は、総額約6億円を投じて導入された世界最大級の洗濯機部品製造システムです。
６億円の巨大メカ「マーズ」 （引用：「がっちりマンデー」より）
マーズの最大の特徴は、業務用洗濯機1台に必要な約100種類もの金属部品を、全て1台のシステムで自動製造できることです。まず、薄い鉄板をレーザーでカットし、必要な穴を開けた後、アーム型のマシンが鉄板を掴んで台にセットし、精密に曲げ加工を行います。この一連の工程が全自動で行われ、様々な形状の部品を連続して製造することができます。
この巨大メカの導入により、部品の1日の生産量は従来の1.5倍に向上しました。さらに、人的ミスの削減や品質の安定化も実現され、山本製作所の製品が世界中で信頼される理由の一つとなっています。洗濯機作りで最も大変とされる大きな板金の切断・曲げ加工工程を、マーズが高精度で処理することで、同社の競争力は飛躍的に向上したのです。
業務用洗濯機「フォーエバーマシーン」が世界で選ばれる理由
山本製作所の業務用洗濯機が「フォーエバーマシーン」と呼ばれる所以は、その卓越した耐久性と永続的なアフターサポートにあります。山本尚平社長の言葉を借りれば、同社の洗濯機は「極端に言えば一生持つ」のです。
この永続性を支えているのが、同社独自の部品供給システムです。もし洗濯機が故障した場合でも、たとえその部品が何年前のものであっても、巨大メカ「マーズ」を使って再度同じ部品を製造することができます。つまり、故障した箇所の部品だけを交換すれば、古い洗濯機でも完全に復活させることが可能なのです。
故障した部品だけをマーズで作れる！ （引用：「がっちりマンデー」より）
この「フォーエバー」な部品供給体制は、顧客にとって非常に大きなメリットとなります。一般的に業務用洗濯機は高額な設備投資となりますが、山本製作所の製品であれば長期間にわたって安心して使用できるため、結果的にコストパフォーマンスが非常に高くなります。この信頼性の高さが、世界中の事業者から選ばれる理由となっているのです。
また、同社の洗濯機は一度に100kgもの洗濯物を処理できる大容量モデルも展開しており、大型ホテルでベッドシーツをまとめて洗濯する用途などで重宝されています。このように、様々なニーズに対応できる製品ラインナップの豊富さも、同社の強みの一つです。
山本製作所がコインランドリー市場で圧倒的シェアを誇る秘密
山本製作所が業務用洗濯機市場、特にコインランドリー分野で圧倒的なシェアを獲得している背景には、同社の徹底した顧客志向があります。営業担当者が市場のニーズや要望を開発担当者に直接フィードバックし、企画から設計、試作、完成まで全ての製造プロセスに関わる独自の開発手法を採用しています。
このオフィスと工場、そして顧客のもとを行き来しながらのモノづくりアプローチにより、実践的な技術が向上し、顧客のニーズに真に応える製品開発が可能となっています。単に機械を製造するだけでなく、実際の使用現場での課題を深く理解し、それを解決する製品を提供することで、顧客からの絶大な信頼を獲得しているのです。
さらに、がっちりマンデーでも紹介されたように、近年のコインランドリーブームも同社の追い風となっています。おしゃれで清潔なコインランドリーが増える中、その多くで山本製作所の洗濯機が採用されているのは偶然ではありません。同社の製品が持つ信頼性と使いやすさが、コインランドリー経営者から高く評価されている証拠なのです。
山本尚平社長が語る「永続的部品供給」のビジネスモデル
山本尚平社長が番組で強調していたのは、「部品の供給をフォーエバー」という同社独自のビジネスモデルです。これは単なるアフターサービスを超えた、革新的な価値提案と言えるでしょう。
従来の製造業では、製品の製造・販売が主な収益源でしたが、山本製作所は製品販売後の長期にわたる部品供給とメンテナンスサービスを収益の柱として位置づけています。これにより、一度顧客との関係を築けば、長期間にわたって安定した収益を得ることができる持続可能なビジネスモデルを構築しています。
この戦略の成功は、同社の売上構成にも現れています。新規の洗濯機販売だけでなく、既存顧客への部品供給やメンテナンスサービスが収益の重要な部分を占めており、景気変動に左右されにくい安定した経営基盤を築いています。
また、環境への配慮という観点からも、この「フォーエバー」モデルは大きな意味を持ちます。製品を長期間使用できることで廃棄物の削減につながり、持続可能な社会の実現に貢献しています。山本製作所は近年SDGsにも積極的に取り組んでおり、環境にクリーンな製品作りを進めているのです。
まとめ
2025年7月13日のがっちりマンデーで紹介された山本製作所は、業務用洗濯機業界において独自のポジションを確立している企業です。61億4000万円という歴代最高の売上を達成した背景には、6億円を投じた巨大メカ「マーズ」による製造革新、「フォーエバーマシーン」として世界中で信頼される品質、そして永続的な部品供給という革新的なビジネスモデルがありました。
創業から約80年という長い歴史の中で培った技術力と、常に顧客のニーズに応え続ける姿勢が、同社を業界のリーディングカンパニーに押し上げています。今後も世界的なコインランドリー市場の拡大とともに、山本製作所のさらなる成長が期待されます。同社が目指す「売上高100億円」という目標も、決して夢物語ではないでしょう。
※ 本記事は、2025年7月13日放送（TBS系）の人気番組「がっちりマンデー!!」を参照しています。
※ 株式会社山本製作所のHPはこちら
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