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時事

【知らないと違法?】昆虫食は日本の法律で「公園採取は禁止」の実態

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近年、昆虫食への関心が高まる中、「公園でセミを捕って食べても大丈夫?」という疑問を持つ方が増えています。結論から申し上げると、日本の多くの公園では昆虫採取が条例で禁止されており、知らずに行うと法律違反となる可能性があります。

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昆虫食の採取が日本で法律違反になるケース【都条例・自治体条例】

昆虫食の採取が法律違反となるケースは、主に公園や公共施設での採取です。東京都を例に挙げると、都条例により「公園環境の保全の妨げとなる行為や商業用の採集は禁止」と明確に定められています。

具体的には、以下の行為が法的な問題となります。

違法となる採取行為

  • 都市公園での動植物の採集・損傷
  • 鳥獣魚貝類の捕獲・殺傷
  • 商業目的での大量採集
  • 公園管理者の許可なき採取活動

東京都の条例では、これらの行為について「あらかじめ区長の許可を受けた場合を除き」禁止とされており、無許可での採取は明確な条例違反となります。特に問題となるのは「度を超えた大量採集」で、虫かごを持って1、2匹程度なら目をつぶられることもありますが、一度に何十匹もの採集は完全にアウトです。

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公園でのセミ採取が禁止される法的根拠と違法性

公園でのセミ採取が禁止される法的根拠は、主に都市公園法と各自治体の条例にあります。

東京都江東区の猿江恩賜公園では、数年前から深夜にセミの幼虫を大量採取する人々が目撃されるようになりました。この公園は大正13年に昭和天皇のご成婚を記念して東京市(現・東京都)に下賜され、昭和7年に開園した都心では貴重な緑地で、生態系への影響が懸念されています。

法的根拠の詳細 都市公園内では、次の行為が禁止されています。

  • 植物を採集し又は損傷すること
  • 鳥獣魚貝の類を捕獲し又は殺傷すること
  • 公園施設を損傷し、又は汚損すること

昨夏(2024年)には、管理会社の警備員が夜間巡回中に中国人とみられる数人が園内でセミの幼虫を大量に採集している現場を確認し、都条例で動植物の採取が禁止されていることを伝えたところ、「日本語が分からない」「何でとったらダメなのか」と開き直られたという事例も報告されています。

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日本各地で相次ぐ昆虫採取禁止の実例【杉並区・荒川区・江東区】

昆虫採取の問題は東京都内の複数の自治体で深刻化しており、各地で対策が講じられています。

杉並区の事例

杉並区では2023年8月上旬から「大量のセミが乱獲されている」という苦情が寄せられるようになり、区内の複数の公園に「区内の公園で食用その他の目的でセミ等を大量捕獲するのはおやめください」という張り紙が掲示されました。これは杉並区都市整備部みどり公園課が初めて対応したケースで、メディアからの問い合わせも多く、反響の大きさに担当者も驚いたといいます。

荒川区・川口市の対応

荒川区でも同様に「食用目的での採取禁止」の注意書きが掲示され、埼玉県川口市の公園でも同様の対応が取られています。これらの地域では、特定の地域にある公園で集中的にセミの乱獲が発生しており、地域の治安悪化を懸念する声も上がっています。

江東区猿江恩賜公園の取り組み

最も詳細な対策を行っているのが江東区の猿江恩賜公園です。都から委託を受けた管理会社によると、張り紙の掲示を始めたのは4~5年前で、2025年は7月中旬以降のアブラゼミの羽化最盛期に備え、例年より早い6月末に約30枚の注意書きを掲示しました。

張り紙には「セミの幼虫を採取しないでください。子供達がセミを楽しみにしています」と日本語で記載され、その下に中国語、韓国語、英語の表記も併記されています。

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昆虫食に関する日本の法律・条例の現状と今後の展望

日本における昆虫食の法整備は、まだ発展途上の段階にあります。現在の状況と今後の展望を整理してみましょう。

現在の法的状況 2022年から昆虫ビジネス研究開発プラットフォーム(iBPF)が設立され、同年7月には生産や利用に関する業界ガイドラインが策定されました。しかし、衛生面やアレルギーなどの安全性に関する明確な法規制はまだなく、事業者が自主的にアレルギー表示などを行っているのが現状です。

政府の取り組み 2020年に農林水産省がフードテック官民協議会の一部会として昆虫ビジネス部会を設置し、昆虫食・昆虫飼料を含む次世代食料の確保に向けた検討が進められています。また、内閣府のムーンショット型研究開発制度では、2050年までの世界的な食糧問題解決を目指すプロジェクトの一つに昆虫食が含まれています。

今後の展望 昆虫食業界が他の食品産業のように発展していくためには、JAS規格への昆虫食の組み込みや、有機畜産物の規格のような食用昆虫の養殖基準制定といった法整備が必要になると専門家は指摘しています。特に野外採取に関しては、生態系保護の観点から今後さらに厳格な規制が設けられる可能性が高いでしょう。

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合法的に昆虫食を楽しむ方法【許可・購入・養殖】

昆虫食に興味がある方でも、合法的に楽しむ方法は数多く存在します。

専門店での購入

最も確実で安全な方法は、昆虫食専門店での購入です。東京・浅草の「TAKEO」などでは、タイ産のセミの幼虫(10g入り)を販売しており、約70%のたんぱく質を含む高栄養食材として提供されています。これらの商品は適切な衛生管理のもとで製造されており、安心して楽しむことができます。

イベントへの参加

NPO法人昆虫食普及ネットワークが主催する「セミ会」のような合法的なイベントに参加する方法もあります。これらのイベントは自治体の後援を受けており、適切な許可のもとで開催されています。多摩市で開催される「セミ会in多摩」では、毎年多くの参加者が昆虫料理研究家の指導のもと、安全に昆虫食を体験しています。

飲食店での体験

大阪日本橋の中華料理店「鑫福(しんふく)」では「セミの串揚げ」が提供されており、高田馬場の「ノング・インレイ」というミャンマー料理店でもセミ料理を味わうことができます。ただし、常時提供されているわけではないため、事前の確認が必要です。

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まとめ

昆虫食への関心が高まる現在、公園での採取は法的に禁止されており、知らずに行うと条例違反となるリスクがあります。東京都内の杉並区、荒川区、江東区をはじめ、全国各地で昆虫採取禁止の措置が講じられており、特に大量採集は生態系への影響も懸念されています。

昆虫食を楽しみたい方は、専門店での購入、合法的なイベントへの参加、認可された飲食店での体験など、適切なルートを選択することが重要です。日本の昆虫食に関する法整備は今後さらに進展が予想されるため、最新の法的動向にも注意を払いながら、持続可能で合法的な昆虫食文化の発展に貢献していきましょう。

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