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【カンブリア宮殿】フンドーダイ山村脩社長の「常識を超えた醤油改革」透明醤油で世界へ挑戦

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2025年5月8日、テレビ東京系列で放送された「カンブリア宮殿」では、熊本の老舗醤油メーカー「フンドーダイ」と、その代表取締役社長・山村脩氏が取り上げられました。創業155年の伝統を持ちながらも、革新的な「透明醤油」で世界市場に挑む姿が話題となっています。今回は、その革命的な取り組みと山村社長の挑戦についてご紹介します。

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フンドーダイの透明醤油が世界32カ国に進出!元証券マンが起こした常識を超えた醤油改革

熊本県に本社を置く老舗醤油メーカー「フンドーダイ」。近年、日本の食卓から「醤油離れ」が進み、1人あたりの年間購入量は2023年で約1.4Lと、50年前と比べて4分の1にまで減少しています。そんな厳しい状況の中、フンドーダイは「透明醤油」という革新的な商品を生み出し、今や国内だけでなく世界32の国と地域から引き合いがくるほどの人気メーカーに成長しました。

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フンドーダイの山村脩社長                                (引用:「カンブリア宮殿」より)

この成功の立役者となったのが、元野村証券の営業マンだった山村脩社長です。醤油作りの素人だった山村氏は「地方のメーカーでも世界と戦える!」という信念のもと、伝統と革新を融合させた独自の醤油改革を推し進めました。透明醤油は発売以来140万本を売り上げる大ヒット商品となり、フンドーダイは醸造業界に新風を吹き込みました。

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カンブリア宮殿で話題になったフンドーダイとは?老舗醤油メーカーの155年の歴史

フンドーダイの始まりは戦国時代末期にさかのぼります。当時、大久保家は両替商や造り酒屋を営んでいましたが、明治初期の1869年に11代目当主が醤油の醸造業へと事業転換しました。以来、155年にわたり熊本の食文化を支え続けてきた老舗企業です。

熊本県内では醤油の出荷シェアはトップを誇り、スーパーには九州特有の甘口醤油をはじめ、大手メーカーを押し退けフンドーダイの様々な醤油が並んでいます。他にも味噌やみりん、パスタソースなど調味料全般を製造している総合調味料メーカーとして地域に根付いています。

しかし、時代の変化と共に醤油の需要は減少し、フンドーダイの経営も徐々に悪化。2014年には15代目の大久保太郎社長が五葉フーズとの事業統合を決断し、社長の座を退くことになりました。さらに2016年の熊本地震で多くの取引先を失い、会社は赤字に陥ります。この危機を救ったのが、2018年に社長に就任した山村脩氏でした。

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透明醤油が誕生するまで~早田文子の閃きと山村脩社長の決断

透明醤油のアイデアは、フンドーダイの商品開発室長だった早田文子さんが約10年間温めていたものでした。当時入社10年目だった早田さんは、「この技術を使えば透明な醤油ができるんじゃないか」という漠然としたアイデアを持っていましたが、社内での反応を心配して具体化には至っていませんでした。

そんな早田さんのアイデアを掘り起こし、実現に向けて突き進んだのが山村社長です。山村氏は社内会議で幹部たちに透明醤油の開発を提案しましたが、「そんなもの出したら笑われる」「老舗の醤油メーカーがやることではない」と大反対されました。しかし山村氏は「この技術は本物」と確信し、開発を進める決断をしました。

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フンドーダイの大ヒット商品「透明醤油」                 (引用:「カンブリア宮殿」より)

早田さんを中心とした開発チームは、透明醤油の実現に向けて数百回にも及ぶ調合の改良を重ねました。最大の課題は、最初は透明でも時間が経つと色がついてしまうことでした。さらに、地域の保育園で職員や保護者たちに「醤油に求めること」を聞き、「汚れない醤油があったらいいな」という声も開発の励みになりました。こうして2019年、フンドーダイ創業150周年を記念して透明醤油が誕生したのです。

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常識を超えた醤油改革その1:黒を透明にする独自技術の秘密

透明醤油を作るための鍵となるのが、フンドーダイが持つ独自の技術です。まず、タンクの中を真空状態にして生揚げ(生の醤油)を投入します。真空状態では非常に低温で沸騰する状態になり、この状態で企業秘密の技術を用いて生揚げを2つの液体に分けることができます。そのうちの1つが通常の黒い醤油、もう1つが透明の液体です。この透明な液体の味を整えることで、透明醤油が完成します。

また、フンドーダイは醤油の発酵過程で生じるアルコール(一般的に1.5~2.5%程度含まれる)を除去する特許技術も持っています。これにより、イスラム圏など宗教上アルコールが禁じられている国々へも製品を輸出することが可能になりました。

山村社長は「醤油って黒くなくちゃいけないというのも決まっていない」と語り、伝統的な醤油の常識に挑戦し続けています。この独自技術により、素材の色を極限まで活かしながらも、醤油の香りやコクはそのまま残すことに成功したのです。

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常識を超えた醤油改革その2:泡醤油やシート状醤油など驚きの新商品開発

フンドーダイはさらに革新的な新商品開発に挑戦しています。アジア最大級の食の展示会「FOODEX JAPAN 2025」では、透明醤油を泡状にした「Foam-Clear Soy Sauce」や、九州醤油をムース化した「Foam-Sweet Soy Sauce」が注目を集めました。

また、醤油と味噌それぞれをシート化した「Leaf」も開発。このシート状の醤油は料理人たちの創作意欲を掻き立て、東京・赤坂の1日1組限定のフレンチ名店「ohomori」のオーナーシェフ・大森雄哉氏は「フランス料理をやっている人たちはいろんな新しいものを探している。こういうものは食いつきがめちゃめちゃ良い」と評価しています。

透明醤油を使った独創的なレシピも次々と開発されています。例えば、グラニュー糖と凝固剤を水で混ぜた中に透明醤油を加えて加熱し、冷やして作る「透明みたらし団子」。見た目は透き通っていますが、味はしっかりみたらし団子です。他にも、すりおろしたじゃがいもを蒸し焼きにしてから低温で揚げ、透明醤油で味付けした「透明ポテトチップス」なども開発され、SNSでも話題となっています。

山村社長は「使い方を変えていけば、使ってもらえる料理の幅も広げていける。まだまだ醤油にはできることがある」と語り、料理の可能性を広げる新商品の開発に意欲を見せています。

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常識を超えた醤油改革その3:地方メーカーが世界と戦う熊本からの挑戦

フンドーダイは3年前に東京・浅草の合羽橋にアンテナショップ「出町久屋」をオープンしました。店内は連日賑わいを見せ、来店客の約6割が外国人観光客だといいます。日本とは逆に、海外では和食人気が後押しし、醤油の輸出量は20年前の3倍以上に増加しています。

海外での需要を見越して、山村社長は容器の蓋に工夫を施しました。蓋に付いているNFCタグにスマートフォンを近づけると、透明醤油の使い方やレシピが表示されます。さらに自動翻訳機能で100以上の言語で情報を見ることができ、どの国からアクセスされたかを地図上に表示する仕組みも備えています。このデータをマーケティングに活用し、各地域のニーズに合わせた商品開発に役立てています。

現在、フンドーダイの醤油は世界32の国と地域に輸出されており、製造量の2割を占めるまでになりました。特に欧州での需要が増加しており、ドイツではフランス料理やイタリア料理で多く使われているといいます。家庭向けの100mlボトルは前年比約1.5倍、業務用は約2倍のペースで売上を伸ばしています。

山村社長は「業界開拓はキッコーマンさんが時間をかけて醤油の文化を理解し根付かせてくれている」と語りつつも、「地方メーカーでも世界と戦える」という信念のもと、熊本からグローバル市場への挑戦を続けています。

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15代目大久保家から山村脩社長へ~フンドーダイの危機と再生の道のり

山村脩氏は慶應義塾大学を卒業後、野村証券に入社。企業の譲渡やM&Aをサポートする部署で活躍していましたが、43歳の時に大きな転機を迎えます。野村時代の先輩が運営するファンドから「食に関わる面白い仕事がある」と誘われ、2013年に農業の6次産業化を目指すベンチャー企業「五葉フーズ」に取締役として入社しました。

その後、五葉フーズとフンドーダイの事業統合が決まり、社名も「フンドーダイ五葉」に変更。大久保家の代の字が入ったロゴマークも一新されました。しかし2016年の熊本地震で多くの取引先を失い、経営は危機に陥ります。そこで2018年、専任の社長として白羽の矢が立ったのが山村氏でした。

社長就任後、山村氏は会社の看板とも言える醤油事業の立て直しに着手。「日本人のアイデンティティに根付いている食なのだから、まだやりようがあるはず」との思いから、画期的な新商品開発に力を入れました。当初は「新宿伊勢丹に置いてもらえるような九州の醤油を作る」というスローガンを掲げましたが、社内からは全く反応がなかったといいます。

しかし、早田文子さんの透明醤油のアイデアを実現させることで、停滞していた社内の雰囲気を一変させることに成功。透明醤油が大ヒットすると、赤字から脱却し、事業を調味料一本に集約。社名も「フンドーダイ」に戻し、かつてのロゴも復活させました。大久保家の長女である大久保清香さん(人事総務課)は「山村さんが来てからすごく良くなった。父もきっと感謝していると思います」と語っています。

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透明醤油の魅力とは?プロの料理人も驚く活用法と消費者の反応

透明醤油の最大の魅力は、素材の色を最大限に活かせる点です。群馬県前橋市の人気ラーメン店「アンドレカンドレ」では、一見すると塩ラーメンのような「元祖透明醤油ラーメン」が人気を博しています。客からは「見た目は透明なのに、めちゃめちゃ醤油の風味がして美味い」「見た目透明な醤油ラーメン、脳がバグります」といった驚きの声が上がっています。

千葉のイタリアン「ベルエモコ」では、真鯛のカルパッチョに透明醤油をかけることで、白身魚の美しさを損なわずに旨味をプラスしています。総料理長の鈴木規之氏は「普通の醤油だと黒くなってしまう。これはイタリアンに使える」と評価しています。

また、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪のブッフェレストランでも、網焼き料理やローストビーフなどに透明醤油が提供されており、「しっかりお醤油の味がする」と好評です。ロフトなどのセンスの良い雑貨店でも取り扱われるようになり、「料理が楽しくなりそう」と若い女性からも支持を集めています。

消費者からは「服にこぼしても汚れが目立ちにくい」「料理の見た目を損なわない」「子どもが使っても安心」といった声が寄せられ、特に保育園などでは子どもの食べこぼしの悩みを解消する商品として注目されています。

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地元熊本の活性化にも貢献!「くまもとうまかもんマルシェ」の取り組み

山村社長が現在力を入れているのが「くまもとうまかもんマルシェ」です。ここには熊本の食材を使ったレトルト食品やせんべいなど、熊本のメーカーが作った様々な食品が物産店さながらに並べられています。山村社長は「熊本は食材が非常に豊かなのですが、それを県外のバイヤーさんが来られた時に『ここに来るとわかる』という風にして、食文化を発信しています」と説明します。

このマルシェでは他県の卸売業者やバイヤーに地元の商品をPRし、熊本の食品業界全体の底上げを図っています。興味深いことに、同業他社の醤油も置かれています。山村社長は「色々と商談させていただく中で、うちでは表現できないような味や特徴を出している商品についてはご紹介させていただいています」と語り、競争よりも地域全体の発展を重視する姿勢を見せています。

また、地元企業とのコラボレーションも積極的に行っています。例えば、業務用の下ろしニンニクと下ろし生姜に特化したメーカー「九州ファーム」と共同で、嫌な匂いが食後約3時間で消えるという「魔法のニンニク」を開発。容器も二重構造にすることで無駄なく使い切れる工夫が施されています。

山村社長は「九州も最近は本州の醤油が凄く入ってくるようになってきています。熊本で取れるもの、九州で取れるものを我々のような調味料メーカーと組み合わせて、その地域の特色や味を守り続けていくことは絶対に強みになると思います。地域で固まることで大手の侵入を食い止めることにもつながるかもしれません」と、地域連携の重要性を強調しています。

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まとめ:フンドーダイの透明醤油が教えてくれる日本の伝統と革新の両立

カンブリア宮殿で取り上げられたフンドーダイの挑戦は、伝統産業がいかにして革新を取り入れながら生き残るかという、現代のビジネスにおける重要な示唆を与えてくれます。創業155年の歴史を持ちながらも、「醤油は黒くなくてはいけない」という固定概念を打ち破り、「透明醤油」という革新的な商品を生み出したフンドーダイ。その背景には、伝統を尊重しつつも積極的に変化を受け入れる山村脩社長のリーダーシップがありました。

日本国内では醤油の消費が減少する一方で、海外では和食ブームもあり、醤油の需要は拡大しています。フンドーダイはこの機会を捉え、NFCタグを活用した消費者とのコミュニケーション戦略や多言語対応など、先進的なマーケティング手法を駆使して世界32カ国への展開を実現しました。

また、地元熊本の活性化にも積極的に取り組み、地域の特色を活かした商品開発や企業間連携を推進しています。「地方のメーカーでも世界と戦える」という山村社長の信念は、地方創生のロールモデルとしても注目されています。

フンドーダイの事例は、伝統と革新のバランスをいかに取りながら、グローバル市場で競争力を高めていくかという、日本の多くの伝統産業が直面する課題への一つの解答を示しています。透明醤油という「常識を超えた醤油改革」は、単なる商品開発の成功事例を超え、日本の食文化が世界に羽ばたく可能性を広げる挑戦なのです。

※ 本記事は、2025年5月8日に放送(テレビ東京系列)された、人気番組「カンブリア宮殿」を参照しています。

フンドーダイのHPはこちらこちら

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