インスタントラーメン市場で注目を集めている明星食品の新たな価格戦略についてご紹介します。2024年、物価高が続く中でカップ麺の価格にも注目が集まっています。明星食品は消費者のニーズに柔軟に対応する独自の価格戦略「五重塔戦略」を展開しています。
明星食品が展開する五重塔戦略とは?カップ麺の新価格帯戦略を解説
「チャルメラ」や「一平ちゃん夜店の焼きそば」で知られる明星食品は、従来の「高い・普通・安い」という3段階だった価格帯を5つの層に細分化する戦略を打ち出しました。この戦略は「五重塔戦略」と名付けられ、多様化する消費者ニーズへの対応を目指しています。
五重塔戦略の全容|5段階の価格帯で消費者ニーズに対応
明星食品が展開する五重塔戦略は、以下の5つの価格帯で構成されています。
- 高級品:名店とのコラボ商品など(13種類)
- レギュラー品:定番商品を中心とした主力商品(27種類)
- 格安プレミアム:お得感を重視した商品
- 低価格品:シンプルな商品(14種類)
- 超低価格品:コストを抑えた最安価格帯(7種類)
明星食品が導入した五重塔戦略の各価格帯の特徴と商品
各価格帯の特徴を詳しく見ていきましょう。最上位の高級品では、「らーめん信玄」とのコラボ商品(希望小売価格354円)など、人気店の味の再現にこだわった商品を展開。レギュラー品には「一平ちゃん夜店の焼きそば」などの看板商品が含まれ、ボリュームゾーンとして最も売上が多い層となっています。
カップ麺価格の決め方|木所敬雄マーケティング本部長が語る戦略の狙い
明星食品マーケティング本部長の木所敬雄氏は、「今の予測できない時代において、お客様の様々な思いに柔軟に対応することが求められている」と説明します。消費者の購買動向調査では、「200円以内が理想」という声や、家計の状況に応じて低価格商品を選ぶ傾向が見られました。
格安プレミアムの工夫とは?同価格でお得感を演出する仕組み
興味深いのは、レギュラー品と同じ254円の価格帯に位置する格安プレミアム商品。これらの商品は全て大盛りサイズとなっており、具材とスープのコストを抑えることで、同価格でもより多くの麺量を提供することを実現しています。
新商品開発の取り組み|須長勝博が語るブランド戦略
チャルメラブランドマネージャーの須長勝博氏は、新たな取り組みとして人気キャラクター「ちいかわ」とのコラボ商品を展開。α世代ファミリーをターゲットに、家族団らんで楽しめる商品開発を進めています。
まとめ|五重塔戦略で見る明星食品の価格戦略の今後
明星食品の五重塔戦略は、物価高騰の中で多様化する消費者ニーズに応える新しい価格戦略として注目を集めています。最高価格帯と最低価格帯で2.5倍以上の価格差があり、消費者の選択肢を広げることで、市場での競争力を高めています。今後も消費者ニーズの変化に合わせた柔軟な戦略展開が期待されます。
※本記事は、2024.12.24放送-テレビ東京系 「LIFE IS MONEY~世の中お金で見てみよう~」を参照しています。
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