2024年7月に発行された新紙幣。発行から半年以上が経過し、レア紙幣の価値や、タンス預金への影響が明らかになってきました。テレビ東京の経済番組「LIFE IS MONEY」では、新紙幣発行後の市場価値の変化や、お金を取り巻く環境の変化について詳しく解説。新紙幣をめぐる最新の状況についてお伝えします。
新紙幣の価値を左右するレア紙幣の条件とは?
新紙幣の中でも、特に価値が高いとされているのが「AA」から始まる紙幣です。このAA紙幣は、最初に印刷された証として注目を集めています。しかし、単にAAというだけではプレミアは付きません。
レア紙幣として価値が付くのは、以下の条件を満たすものです。
・番号が前後ともAA(例:AA123456AA)
・AAの中でも番号が若い(200番以内)
・ゾロ目のナンバー
・ナンバーワン(000001)
・123456の「上り」と呼ばれる番号
特に、前後ともAAで、なおかつゾロ目の番号を持つ紙幣は、市場価値が100万円以上になる可能性があるとされています。
タンス預金は10兆円減少!新紙幣発行で何が起きた?
新紙幣発行から半年で、驚くべき変化が起きています。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストによると、60兆円あったとされるタンス預金が、わずか数ヶ月で50兆円まで減少したのです。この10兆円もの資金がどこへ流れたのか、大きな注目を集めています。
この急激な減少の背景には、複数の要因があります。一つは新紙幣発行による旧紙幣の切り替えのタイミング。もう一つは、近年の物価高インフレの影響です。家に置いておくだけでは、お金の価値が目減りしてしまうという危機感が、人々の行動を変えたと考えられています。
レア紙幣の市場価値~銀座コインに聞く最新相場~
銀座コインの竹内宏二代表によると、AAのAA券の価値は発行当初と比べてやや下がったものの、依然として高値を維持しています。具体的な相場は以下の通りです。
・通常のAAのAA券:10万円以上
・若番(200番以内)のAAのAA券:30万円程度
・ゾロ目のAAのAA券:100万円以上の可能性
・ゾロ目(1、7、8が特に人気):8万円程度
・ナンバーワン(000001):10万円以上
また、1万円札だけでなく、5000円札や1000円札にも同様のプレミアが付く可能性があります。5000円札のゾロ目は5万円、1000円札のゾロ目は8万円程度の価値があるとされています。
カレーライス物価指数から見る お金の価値の変化
物価上昇を実感的に理解できる指標として注目されているのが、カレーライス物価指数です。2024年11月時点で377円と、過去最高を記録。2020年と比較すると1.4倍にまで上昇しています。
特に大きく値上がりしているのがお米で、わずか1年で57円も価格が上昇。この数字は、まさに私たちの生活における物価高インフレの実態を如実に示しています。
キャッシュレス時代の新常識~デジタル地域通貨の広がり~
新紙幣発行と同時に、日本のキャッシュレス化も急速に進んでいます。特筆すべきは、高齢者層のキャッシュレス決済の普及です。2018年には世代間で大きな差があった現金利用率が、2023年にはほぼ同じレベルになっています。
この変化を後押ししているのが、デジタル地域通貨の存在です。2025年現在、全国約230の自治体で導入されており、特に注目を集めているのが岐阜県養老町の「養老Pay」です。健康活動とポイント付与を組み合わせたシステムや、家族による見守り機能など、高齢者に配慮した機能が人気を集めています。
まとめ:新紙幣時代の資産価値を考える
新紙幣の発行は、単なるデザイン変更以上の大きな影響を私たちの暮らしにもたらしています。レア紙幣の存在は投資の新たな選択肢となり、タンス預金の減少は資産運用への意識変化を示しています。
また、物価高インフレや、キャッシュレス決済の普及など、お金を取り巻く環境も大きく変化しています。こうした変化の中で、自分に合った資産管理の方法を見つけることが、これまで以上に重要になってきているといえるでしょう。
※本記事は、2025年1月28日放送(テレビ東京系)の 『LIFE IS MONEY ~世の中お金で見てみよう~』を参照しています。
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