【TOKIOテラス】PITTAN汗パッチ「3分で体内見える化」辻本和也CEOの革新技術

2025年5月24日に放送された「TOKIOテラス」（MBS系）で、革新的な汗分析技術を持つスタートアップ企業「PITTAN（ピッタン）」が紹介され、大きな話題となりました。同社が開発した汗パッチは、わずか3分間肌に貼るだけで体内の健康状態を見える化できる画期的な技術です。本記事では、番組で語られた詳細な内容と、PITTANの最新動向について詳しく解説していきます。

PITTANの汗パッチとは？3分貼るだけで体内状態を見える化する革新技術

PITTANが開発した汗分析パッチは、従来の血液検査や尿検査とは全く異なるアプローチで健康状態を分析する革新的な技術です。TOKIOテラスで児山浩崇CTO（最高技術責任者）が説明したように、「普段かいている蒸発してるぐらいの微量の汗を使って体の中の状態を見える化する」サービスとなっています。

このパッチシステムの最大の特徴は、その手軽さにあります。パッチを水で湿らせてから頬に3分間貼るだけで汗を採取でき、その後PITTANが開発した専用機械にセットすれば約10分で体内分析が完了します。血液検査のような針を刺す痛みや感染リスクもなく、「体液を取られている感覚が0」という点が多くの利用者から高く評価されています。

PITTANの技術は、人体を構成する20種類のアミノ酸を汗から測定することで実現されています。児山CTOは番組内で「体をカレーライスで例えるならば、アミノ酸は具材」と分かりやすく説明し、「人参やじゃがいも、お肉がちゃんと冷蔵庫の中に揃っていますかを見るようなもの」と表現しました。これらのアミノ酸が適切に揃っていれば「美味しいカレー（タンパク質）が作れる」、つまり健康な体が維持されているということが分かるのです。

TOKIOテラスで話題！辻本和也CEOが語るPITTAN開発の背景と想い

PITTAN創業者である辻本和也CEOの開発への想いは、高校生時代の深い体験に根ざしています。番組で語られたように、祖父が亡くなった際の体験が大きな転機となりました。「自分の中でのイメージってすごく溌剌(はつらつ)としたシュッとしたおじいちゃんだったんですけども、やっぱり最後の姿ってすごく弱々しくて」という言葉からも分かるように、人間の健康と尊厳に対する深い関心が開発の原動力となっています。

この体験から「テクノロジーは人間の健康、ヘルスケアに使う仕事がしたい」と考えるようになった辻本CEOは、京都大学で半導体を使った人体分析技術を研究しました。大学院ではMEMS（微小電気機械システム）分野で博士号を取得し、その後東京エレクトロンやロームといった大手企業でスマートウォッチなどの開発に携わりました。

しかし、大企業での経験を通じて、「破壊的イノベーション」を実現することの難しさを感じた辻本CEOは、2022年に退職を決意。当時島津製作所に勤務していた児山浩崇氏との出会いが、PITTAN創業の決定的なきっかけとなりました。二人は「病院に行かないとできないような診断サービスが手元でできる世界」について熱く語り合い、「僕らだったらできるんじゃないか」という確信のもとでPITTANを設立したのです。

現在PITTANは「Life Long Positivity（ライフロングポジティビティ）」をビジョンに掲げ、「人の一生をポジティブに生きる」「自分をケアして本当に人生100年最後の瞬間までポジティブに生きれる世の中を作る」ことを目指しています。

汗分析で何がわかる？肌と筋肉の健康状態をアミノ酸から判定

PITTANの汗分析技術は、主に肌と筋肉の健康状態を詳細に分析することができます。TOKIOテラスの番組内で実際に示されたレーダーチャートでは、肌の状態が青色の平均値と比較して表示され、「たるみ」「炎症耐性」「張り」といった具体的な項目別に評価されていました。

肌分析においては、特に「柔軟性を満たす力」が重要な指標として紹介されました。番組では「赤ちゃんの肌は非常に柔らかい」という例を挙げながら、「健康な肌は再生力が高くてすごい柔らかい」ことが説明されています。PITTANのシステムでは、これらの肌状態をスコア化するだけでなく、不足している栄養素に対応した具体的な食材も提案してくれます。

筋肉分析では、さらに詳細な情報を得ることができます。番組内で紹介された分析では、「筋肉の付きやすさ」「脂肪の付きにくさ」をA、B、C、DやS、A、B、C、Dといったランク評価で表示していました。特に注目すべきは、分析の精度の高さです。国分太一さんが前日に筋トレを行ったことを、PITTANの分析が正確に検出し、「疲労回復に関係するアミノ酸が少し不足している」と的確に指摘した場面は、技術の実用性を証明する印象的なエピソードでした。

さらに、PITTANのシステムでは、腕にパッチを貼るだけで足やお腹の状態まで推定できる点も大きな特徴です。辻本CEOは「膨大なデータベースを持っており、AIも使いながら推定することができる」と説明しており、機械学習技術を活用した総合的な健康状態の見える化を実現しています。

PITTANパッチの使い方と体験結果｜国分太一と河西アナの実際の分析データ

TOKIOテラスの番組内では、国分太一さんと河西美帆アナウンサーが実際にPITTANのパッチを体験し、その結果が詳しく紹介されました。この実体験により、視聴者はPITTANの技術の実用性と精度を具体的に理解することができました。

河西アナウンサーの肌分析結果では、全体的に女性の平均値を大きく上回る優秀なスコアが示されました。特に「たるみ」「炎症耐性」の項目で高い評価を得ていましたが、「柔軟性を満たす力」の項目でわずかに平均値を下回る結果となりました。辻本CEOは「赤ちゃんの肌のような柔らかさ」に関わる指標であることを説明し、特にアルギニンというアミノ酸が不足していることを指摘しました。

この分析結果に基づいて、PITTANのシステムは自動的に「ナッツ類や豆類」などの具体的な食材を提案。さらに番組では、開発中の機能として食材をクリックするとレシピが表示される機能や、宅配ビジネスとのコラボレーションによる「自分に合ったお弁当が届く」サービスも紹介されました。

国分太一さんの筋肉分析では、「筋肉つきやすさ」で最高ランクのSを獲得し、前日に行った筋トレの影響で「疲労回復に関係するアミノ酸が少し不足している」ことが正確に検出されました。この結果について国分さんは「昨日の僕まさに筋トレの日だったんで。昨日ガッツリやってんすよ」と驚きを表現し、PITTANの分析精度の高さを実証する場面となりました。

パッチの使用方法は非常にシンプルで、「パッチを水で湿らせて頬に3分間貼るだけ」という手軽さが大きな魅力です。採取された汗は専用機械で10分程度で分析が完了し、結果はレーダーチャート形式で分かりやすく表示されます。

導入が進む美容・フィットネス業界｜小林直子氏と岩田寛紀氏の評価

PITTANの汗分析技術は、美容業界とフィットネス業界で急速に導入が進んでおり、実際の現場での評価も非常に高いものとなっています。

美容業界からの評価として、番組では香椎化粧品の小林直子さんのコメントが紹介されました。小林さんは「今まで長年やってきたことは、お客様の肌を実際見て、表面の水分油分を測って分かることをお客様にアドバイスすることが軸になっていた」と従来の美容業界のアプローチを説明した上で、PITTANの技術について「体の中側からまた新たな視点で肌のことを知ることができるのはすごい驚き」と高く評価しています。

特に注目すべきは、PITTANの分析が「季節変動だったり、体の中の状態だったり、その時そのお客様に合った最適なスキンケアやお手入れを提供することができる」点です。これにより「綺麗を継続していただくようなきっかけになる」として、美容業界における新しい価値創造の可能性が示されています。

フィットネス業界では、岩田寛紀さん（メディカルフィットネスVITALEZZA）による評価が紹介されました。岩田さんは従来の体組成計の問題点として「水分量に依存してくる部分があり、朝と夜で違えばデータが変わってしまう」ことを指摘。一方でPITTANの分析方法は「調べたい部分に直接パッチを貼って汗を採取するので、より精度の高い分析が行える」と評価しています。

PITTANの技術により「細かなデータが出てくるので、それに対して運動指導や栄養指導が可能になってくる」ことが、従来の体組成計との「大きな違い」として挙げられています。これにより、フィットネス業界でもより個別化されたサービス提供が可能となり、顧客満足度の向上につながっているのです。

大阪大学長友泉教授との共同研究｜病気予防への応用可能性

PITTANの技術は、美容や健康管理の領域を超えて、医療分野での応用も期待されています。現在、大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センターの長友泉教授との共同研究が進められており、病気の早期発見への活用が研究されています。

長友泉教授は番組内で「心臓病だったり、認知症だったり、あるいは癌であったり、そういう様々な病気の底にある背景にある病態として、慢性炎症というものが知られるようになっております」と説明しています。現在、この慢性炎症の評価は「非常に微量の血液の成分を測って」行われていますが、「もしそれが汗で分かるようになれば」という可能性に大きな期待を寄せています。

特に重要なのは、「一見健康だけれども本当は健康でない将来病気になるリスクが高い人を見つける」という予防医療への応用です。PITTANの非侵襲的な汗分析技術により、定期的な健康状態モニタリングが可能となれば、病気の早期発見や予防に革命的な変化をもたらす可能性があります。

この共同研究の成果は、大阪関西万博でも注目を集めています。2025年現在開催中の万博において、PITTANは5つの異なる会場・イベントに出展し、「未来のヘルスケア技術」として世界中から注目を集めています。特に「けいはんなグローバルスタートアップPoCチャレンジ」では、国内外のスタートアップと共に先端技術のPoCを実施し、その成果を世界に向けて発信しています。

PITTANの海外展開と多様な活用法｜農業から酒造業まで

PITTANの技術は人間の健康分析にとどまらず、様々な分野での応用が進んでいます。番組で辻本CEOが説明したように、「液体だったら実は色々な分析が汗以外のものもできる」という技術的な汎用性が、多方面での活用を可能にしています。

農業分野では、北海道の桃農家との連携が進んでおり、果実の品質管理や収穫時期の最適化に活用されています。また、畜産業では「放牧牛を育てている会社」との協力により、牛の健康管理や肉質の向上に貢献しています。番組内で国分さんが「牛にピッタンをすれば牛の筋肉質が今どういう状況か？もうちょっと脂肪必要だなみたいなものも？」と質問した際、辻本CEOは「肉質が」と肯定的に回答し、鳥類への応用可能性も示唆していました。

酒造業界でも注目すべき展開があります。兵庫県の酒蔵との連携により、「旨味や品質をこう管理する」用途での活用が進んでいます。これは日本酒の品質管理において、従来とは全く異なるアプローチを提供する革新的な取り組みです。

海外展開においては、2025年時点でシンガポールでのビジネスが本格化しており、フィットネスジムでの利用が開始されています。辻本CEOは番組内で「ヨーロッパの方が特にストレスに関する感度、意識が非常に高い」ことを指摘し、「ストレスを見える化してほしい」というリクエストに応えるため、年内のヨーロッパ進出を計画していることを明かしました。

アメリカ市場では「ボディメイク、フィットネスのところでニーズをいただいている」として、国や地域によって異なるニーズに柔軟に対応していく方針を示しています。この多様な展開により、PITTANは世界各地の健康意識の高まりに対応した グローバルなヘルスケアプラットフォームとしての地位を確立しつつあります。

児山浩崇CTOが語る技術的優位性と今後の展望

PITTANの技術的優位性は、共同創業者である児山浩崇CTOの島津製作所での豊富な経験に基づいています。番組内で児山CTOは、従来「ラボのような大きな装置でないとできなかった」汗分析を、「誰でも扱える機械」として実現したことの革新性を強調しています。

技術的な困難については、辻本CEOが「汗は非常に薄くて、ものすごい分析の技術が必要」と説明したように、微量成分の正確な検出には極めて高度な技術が要求されます。しかし、「汗研究って半世紀以上の歴史が実はあって、分析したらこういうものは見えるって研究レベルで分かっていた」という基礎研究の蓄積と、「半導体の技術を使ってちっちゃいセンサーとかを作る専門家」である辻本CEOの技術的背景が組み合わさることで、実用的なソリューションの開発が可能となりました。

2025年現在、PITTANは「ミニラボ」と呼ばれるポータブル機器の開発を進めており、「その場で15分程度で分析できる体験の提供」を目指しています。この技術により、郵送による分析から「その場での即時分析」への進化が実現されつつあります。最新の小型分析マシン「Pitagoras（ピタゴラス）」は、わずか18cm立方体サイズでありながら、わずか10分での即時分析を実現しており、2025年6月から取引先への提供が開始される予定です。

PITTANは2024年11月に約1.5億円の資金調達を実施し、この資金をポータブル分析機器の開発に充当しています。投資家からは「ユニークな技術優位性を持ったスタートアップ」「大きな社会インパクトを残せる技術」として高く評価されており、今後の技術開発とグローバル展開が期待されています。

PITTANサービスの料金体系と利用できる場所

PITTANのサービスは、一般消費者が直接支払うのではなく、BtoBtoCモデルを採用したビジネス形態となっています。辻本CEOが番組内で説明したように、「ウォーターサーバー型のビジネスモデル」を採用し、エステやフィットネスジム、化粧品販売店などの事業者が機器を導入し、そのサービスを消費者が利用する形式です。

料金体系は「イニシャル0」つまり初期費用無料で、「使った分だけ回数に応じてプランを用意」しています。具体的には月額5万円プラン、10万円プラン、20万円プランなどが設定されており、「1回2000円前後ぐらいの価格帯」での提供となっています。

利用可能な場所は着実に拡大しており、2025年6月からは阪急百貨店での導入が予定されています。また、スーパーやドラッグストア、薬局での展開も検討されており、「血圧測るのと同じぐらいの感覚で今日の自分の状態分かる」レベルでの普及を目指しています。

フィットネス業界では、番組で紹介されたジムのほか、多数の施設での導入が進んでいます。美容業界では、エステティックサロンや化粧品専門店での活用が拡大しており、コスメキッチンの一部店舗でも導入が決定しています。

最新の動向として、エイチ・ツー・オー リテイリングが2025年5月より開始した健康習慣応援サービス「まち健」において、PITTANの小型汗分析マシン「Pitagoras」を活用した連携も始まっており、小売業界でも新たな健康サービスの提供が実現されています。

まとめ

TOKIOテラスで紹介されたPITTANの汗パッチ技術は、わずか3分の貼付で体内状態を見える化する革新的なヘルスケアソリューションです。辻本和也CEOの祖父への想いから生まれたこの技術は、児山浩崇CTOとの出会いにより実用化され、現在では美容・フィットネス業界を中心に急速な普及を見せています。

PITTANの技術的優位性は、血液検査のような侵襲的な方法を必要とせず、汗という身近な体液から20種類のアミノ酸を分析し、肌と筋肉の健康状態を詳細に把握できる点にあります。大阪大学との共同研究による病気予防への応用や、農業・畜産業・酒造業など多分野での活用可能性も示されており、ヘルスケア技術の新たな地平を切り開いています。

2025年現在、PITTANは大阪関西万博への出展や海外展開の本格化、小型分析マシン「Pitagoras」の実用化など、さらなる発展を遂げています。BtoBtoCモデルによる持続可能なビジネス形態と、1回2000円前後という手頃な価格設定により、より多くの人々が気軽に健康状態をモニタリングできる未来の実現が期待されています。

人生100年時代における「Life Long Positivity」の実現に向けて、PITTANの革新的な汗分析技術は、私たちの健康管理に新たな選択肢を提供し続けています。

 

※ 本記事は、2025年5月24日に放送（MBS系）された人気番組「TOKIOテラス」を参照しています。
※ 株式会社PITTANのHPはこちら