温泉をもっと身近に楽しみたい、新しいビジネスの可能性を知りたいと思ったことはありませんか?2025年9月20日放送のテレビ東京「ブレイクスルー」で紹介された三田直樹氏のクラフト温泉は、そんな願いを叶える革命的な技術です。この記事では、8000倍濃縮技術の詳細から中東進出まで、番組では語りきれなかった全貌を詳しく解説します。読み終わる頃には、日本が「産泉国」として世界に羽ばたく可能性と、温泉業界の未来が見えてくるでしょう。
三田直樹が開発したクラフト温泉とは?8000倍濃縮技術の革新性
2025年9月20日にテレビ東京系で放送された「ブレイクスルー」で注目を集めた三田直樹氏のクラフト温泉は、日本の温泉業界に革命をもたらす画期的な技術です。このクラフト温泉とは、温泉成分を通常の8000倍に濃縮し、持ち運び可能にした新しい形の温泉製品なのです。
従来の温泉は地産地消の概念から抜け出せず、その場でしか楽しめませんでした。しかし、三田氏が開発した技術により、わずかキャップ3杯分を家庭の湯船に入れるだけで、全国の名湯を自宅で再現できるようになったのです。番組内で相場英雄氏が体験した三重県の湯の山温泉も、このクラフト温泉によって完全に再現されており、「ポカポカします。背中と胸のあたりが発汗してます」という実感のこもった感想からも、その効果の高さが伺えます。
この技術の革新性は、単なる入浴剤とは根本的に異なる点にあります。市販の入浴剤が香りと色味の再現に留まるのに対し、クラフト温泉は本物の温泉成分そのものを凝縮したものです。地下で長い年月をかけて自然に溶け出した鉱物成分を、独自の製造技術によって短期間で抽出・濃縮することで実現しています。
ブレイクスルー放送内容:花崗岩から生まれる新たな日本の資源
番組で紹介された製造プロセスは、まさに自然界の温泉生成メカニズムを再現した科学的アプローチです。三田氏が神奈川県の田園風景で手に取った花崗岩には、シリカ(ケイ素)、鉄分、マグネシウム、マンガンなど、様々な温泉成分となる鉱物が含まれています。
製造装置の核心は「電解循環」システムにあります。まず温泉水を電気分解することで酸性とアルカリ性に分離し、酸性に調整された温泉水に細かく砕いた鉱石を投入します。この酸の力によって2~3日という短期間で温泉成分を抽出できるのです。地下深くで何年もかけて行われる自然のプロセスを、温度と気圧を調整することで大幅に短縮した画期的な技術といえるでしょう。
この技術が注目される理由は、日本の豊富な花崗岩資源にあります。花崗岩は日本全国に無限とも言える量が存在しており、枯渇の心配がほとんどありません。これまで単なる「石」として価値を見出されていなかった花崗岩が、新たな国家資源として生まれ変わる可能性を秘めているのです。
ルフロCEO三田直樹の経歴:石油トレーダーから温泉事業家への転身
三田直樹氏の経歴は極めて異色です。双日、バークレイズ、JPモルガンといった世界的な金融機関で約15年間、石油トレーディングに従事してきた金融のプロフェッショナルが、なぜ温泉事業に転身したのでしょうか。
転機となったのは、仕事で疲れ切った三田氏が訪れた秋田県の玉川温泉での湯治体験でした。そこで温泉の持つ癒しの力を実感し、「温泉を日本の資源にしたい」という強い想いを抱くようになったのです。興味深いのは、三田氏が長男と次男に「湯治」の「湯」と「治」の字を名前に入れるほど、温泉への情熱を人生に反映させている点です。
石油トレーディングの経験は、温泉事業において重要な示唆を与えました。LNG(液化天然ガス)が気体の600分の1に圧縮されることで国際流通市場が生まれたように、温泉も濃縮技術によって流通可能になれば、巨大な国際市場を創出できると確信したのです。この発想の転換こそが、クラフト温泉誕生の原点となっています。
クラフト温泉の製品展開:温泉ミストから喫泉室、ボディシートまで
三田氏のビジョンは単なる温泉の濃縮に留まりません。クラフト温泉を様々な形態で展開することで、温泉のライフスタイル化を目指しています。
最も革新的な商品の一つが温泉ミストです。クラフト温泉を霧状にして噴霧することで、服を着たまま温泉成分を吸引できる「喫泉室」という新しいコンセプトを生み出しました。東京駅前の複合施設TOFROM YAESUでの設置も決定しており、都市部でのビジネス需要に応える形となっています。
さらに注目すべきは、宇宙開発との連携です。JAXA(宇宙航空研究開発機構)のプログラムで開発されたボディシートは、半年間お風呂に入れない宇宙飛行士のために考案されました。従来のボディシートが清涼感を与えるのに対し、クラフト温泉を使用したシートは使用後に体がじんわりと温まるという正反対の効果を持ちます。これは介護現場や災害時の避難生活での活用も期待されています。
飲用のクラフト温泉も開発されており、中東では「水の上位機種」として注目されています。石油よりも水が高価な中東地域において、日本の温泉水は新たな価値を持つ商品として認識されているのです。
産泉国日本の可能性:中東のオイルマネーが注目する温浴施設ビジネス
三田氏が描く壮大なビジョンは、日本を「産泉国」として位置づけることです。現在、世界の約9割の源泉が日本列島に集中しており、全国2万8千カ所の源泉から1日あたり2200万バレルもの温泉が湧出しています。これを1リットル60~70円で換算すると、年間約80兆円という巨大な市場規模が見えてきます。
特に注目すべきは、中東のオイルマネーによる関心の高さです。2022年にドバイに海外拠点を設立した三田氏は、来年にはUAEに2カ所、オマーンに3カ所の温浴施設オープンを目指しています。サウジアラビアの国家ファンドPIF(パブリック・インベストメント・ファンド)のウェルネス部門からも具体的な話があるといい、石油大国が日本の温泉技術に大きな期待を寄せていることが分かります。
この現象の背景には、中東諸国が抱える社会課題があります。急速な経済発展により食生活が豊かになった結果、国民の半数以上が肥満という深刻な健康問題を抱えているのです。温泉を活用したヘルスケア・ウェルネス分野は、まさに中東が求めているソリューションなのです。
湯治体験の新時代:TOJI SPAが実現する都市型温泉ライフスタイル
三田氏の理念を具現化した施設が、都内で展開されているTOJI SPAです。現在15店舗を運営し、年内にはさらに3店舗の開店が予定されています。これらの施設では、ミスト化したクラフト温泉を体験できる新しい形の湯治が提供されています。
TOJI SPAの革新性は、従来の温泉地への移動という概念を覆した点にあります。都市部にいながら本物の温泉成分を体験できることで、忙しい現代人にとって手軽な健康管理手段となっているのです。服を着たまま利用できる「喫泉室」は、喫煙室の温泉版とも言える新しいコンセプトで、短時間でリフレッシュ効果を得られることから、ビジネスパーソンを中心に注目を集めています。
この取り組みは、温泉の可能性を大きく広げる意味を持ちます。これまで温泉地という限定的な場所でしか体験できなかった湯治が、都市部での日常生活に組み込まれることで、温泉の新たな価値創造につながっているのです。
まとめ
三田直樹氏のクラフト温泉は、単なる技術革新を超えて、日本の未来を変える可能性を秘めた壮大なプロジェクトです。8000倍濃縮技術によって温泉を持ち運び可能にし、花崗岩という豊富な国内資源を活用することで、日本が新たな「産泉国」として世界に存在感を示す道筋を描いています。
中東のオイルマネーからの注目、JAXAとの宇宙プロジェクト、都市部でのTOJI SPA展開など、多方面での取り組みは、温泉が単なる観光資源から国際的なヘルスケア・ウェルネス産業へと発展する可能性を示しています。
2025年という現在、私たちは日本の温泉文化が世界標準となる歴史的転換点に立っているのかもしれません。三田氏の「温泉に価値をつけること」というブレイクスルーが、果たしてどのような未来を創造するのか、今後の展開に注目が集まります。
※ 本記事は、2025年9月20日放送(テレビ東京系)の人気番組「ブレイクスルー」を参照しています。
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