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【カンブリア宮殿】トイファクトリー藤井昭文「断熱革命」で納車1年半待ちの秘密

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2025年10月9日放送のカンブリア宮殿で特集されたトイファクトリー。キャンピングカー業界で異彩を放つこの企業は、なぜ納車1年半待ちという驚異的な人気を誇るのでしょうか?創業者・藤井昭文氏が仕掛ける「感動体験」の秘密と、物置小屋から年商70億円企業へと成長した軌跡を徹底解説します。この記事を読めば、トイファクトリーの成功の本質と、これからのキャンピングカー市場の可能性が見えてきます。


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トイファクトリーとは?年間1000台製造のキャンピングカービルダー

トイファクトリーは、岐阜県可児市に製造拠点を置くキャンピングカービルダーです。2025年で創業30年を迎え、現在は従業員181人、年間約1000台のキャンピングカーを製造し、売上は70億円に迫る勢いで成長を続けています。

最も注目すべきは、現在納車まで平均1年半待ちという圧倒的な人気ぶりです。この数字は業界内でも群を抜いており、単なる一過性のブームではない確かな支持を得ている証拠と言えるでしょう。

2024年のキャンピングカー市場全体の総販売額は約1126億円と過去最高を記録しました。コロナ禍で一時的に過熱した市場は落ち着きを見せたものの、キャンピングカーの人気は衰えていません。むしろ、「3密を避ける」という消極的な理由から、「快適に自然を楽しむ」という積極的な理由へと購買動機が変化している点が興味深いところです。

トイファクトリーの強みは、都会から離れた岐阜県可児市に拠点を置きながらも、ショールームへの客足が絶えない点にあります。さらに、東京都町田市のグランベリーパークや神奈川県相模原市にも店舗を展開し、都市部の顧客にもアプローチしています。この戦略的な店舗展開が、認知度向上と販売実績の両面で功を奏しているのです。


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藤井昭文代表のプロフィール|物置小屋から年商70億円企業へ

藤井昭文氏は1971年、岐阜県生まれの54歳。彼のキャンピングカーとの関わりは驚くほど早く、なんと5歳からキャンピングカーに乗っていたと言います。つまり、約50年近くキャンピングカーと共に人生を歩んできたことになります。

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トイファクトリーの藤井昭文代表                               (引用:「カンブリア宮殿」より)

内装業を営んでいた父・藤井昭二氏が手作りしたキャンピングカーで、休みのたびに家族でキャンプに出かけていた幼少期。当時は友達に「お前の家は貧乏なんだ」と言われたこともあったそうですが、藤井氏にとってはそれが当たり前の旅のスタイルでした。この原体験が、後の事業の原点となります。

デザインの専門学校に進学するも、交通事故で大怪我をして中退。将来に悩む中で蘇ってきたのが、少年時代にワクワクしたキャンピングカーの記憶でした。そして1995年、山の中に物置小屋を建てて事業をスタートさせたのです。

創業当初は本当に厳しい状況でした。藤井氏自身が「あと1ヶ月、1号車が売れなかったら本当にもう終わっていた」と振り返るほど、自転車操業の日々。ブルーテントで屋根を作り、父と妻と共に夜中1時、2時まで毎日作業を続けました。

しかし、藤井氏にはひとつの確固たる信念がありました。それは「幼少期の寒さ体験」から生まれた、断熱へのこだわりです。家族でのキャンプは楽しかったものの、唯一辛かったのが冬の寒さ。眠れぬ夜を何度も過ごした経験が、「快適性を追求したキャンピングカーを作る」という使命感へと昇華されたのです。


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トイファクトリーが生み出す感動体験の秘密3選

番組で紹介された「感動体験を生み出す秘密」は、トイファクトリーの競争優位性を象徴する3つの要素です。

秘密①:多彩な空間設計で顧客を魅了

トイファクトリーが製造するキャンピングカーは約30種類。これは業界内でもかなり多い方です。一番人気はトヨタ・ハイエースをベースにした「バーデン」というモデルで、価格は729万円から。子連れファミリーをターゲットに、最大7人が乗れる設計になっています。

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1番人気のバーデン                                  (引用:「カンブリア宮殿」より)

座席を動かせばリビングに変身し、さらにフルフラットにして寝室にもなる。収納も充実し、自転車なども積載可能。まさに「移動する家」です。一方、2人旅の夫婦やペット連れをターゲットにした車種(1089万円から)は、後部座席を作らずリビングスペースを広く取っています。

さらに注目すべきは、海外製キャンピングカーの輸入販売も手掛けている点です。神奈川県相模原市の「ユーロイト相模原」では、トイレやシャワーを完備したワンランク上の車両を展示。取材では、マンションを売却して2200万円のキャンピングカーを購入した顧客も紹介されていました。

このラインナップの豊富さこそが、「好みの車がない」という状況を生まない秘訣なのです。

秘密②:快適さを追求した断熱技術

藤井氏が「キャンピングカー作りで一番大切にしていること」と断言するのが断熱です。その技術は徹底しています。

まず、窓は全て取り替えます。ガラス窓の代わりに装着するのは、特殊加工を施したアクリル製の二重窓。さらに窓の間には空気層があり、断熱効果を高めています。

天井には、JAXAがロケット向けに開発した技術を応用した特殊セラミック塗料を吹き付け。加えて、ウールとポリエステルでできた断熱材を隈なく貼っています。この徹底した断熱対策により、暑さ寒さだけでなく、雨音なども軽減できるそうです。

藤井氏は「表面的に飾ることは簡単だが、見えないところからしっかりこだわりを詰め込む」と語ります。実際、2台目3台目を購入した顧客からは「なんか違うね」という最高の褒め言葉をもらうことが多いとのこと。これは断熱による快適性の違いを実体験で感じてもらえている証拠です。

家具もほとんどが自社で設計製造し、約10日間かけてキャンピングカーを製造。この「見えない部分へのこだわり」こそが、トイファクトリーのブランド価値を形成しているのです。

秘密③:オーナー専用キャンプ場「トイの森」

2016年にオープンした「トイの森」は、岐阜県瑞浪市の松野湖のほとりにある2万3000坪のキャンプ場です。ここはトイファクトリーのオーナーと社員専用。つまり、利用者は全員トイファクトリーの仲間なのです。

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オーナー専用キャンプ場「トイの森」                            (引用:「カンブリア宮殿より」)

このコミュニティ形成の効果は計り知れません。番組では、17〜18年来の付き合いになるオーナー同士や、同じ車種で繋がった友人たちが紹介されていました。ある女性オーナーは「40代、50代になって本当の友達ができると思わなかった」という声も。

さらに重要なのは、オーナーからのフィードバックが商品開発に活かされている点です。DIYが趣味のオーナーが手作りした2段ベッドを見た藤井氏が「開発担当に見せたい」と即座に反応する場面がありました。ファンの声が次の車を生み出していく、この好循環が企業成長の原動力になっています。

社員も積極的にキャンプ場に足を運び、オーナーと交流を深める。「売って終わりではなく、納車の時にこれからのお付き合いですと言ってくださった」というオーナーの言葉が、トイファクトリーの顧客対応の本質を表しています。


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藤井昭二(父)と家族が支えた創業ストーリー

藤井昭文氏の成功を語る上で、父・藤井昭二氏の存在は欠かせません。創業時、昭二氏は当時営んでいた内装業の店をたたみ、息子の事業を手伝うことを決意しました。

第一号モデルには「リンドバーグ」という名前が付けられました。業界に革命を起こしたいという願いを込め、飛行家リンドバーグにちなんで命名されたのです。このネーミングセンスにも、藤井氏の志の高さが表れています。

製造現場では、父と息子が家具を持ち上げて支え、その間に昭二氏がネジを打ち込んでいく。カーテンは母(昭二氏の妻)が手作りしたもので、そのカーテンは今も第一号車に残っています。まさに家族総出の車作りでした。

昭二氏は取材で「まさかこんなになると思いませんでした」と振り返っていましたが、その言葉の裏には、息子の情熱を信じて全力でサポートした父の愛情が感じられます。

ただし、創業当初は本当に苦しい時期が続きました。藤井氏が最初からこだわったのは快適性、特に断熱性でしたが、当時はバブルの名残で見栄えの良い車が売れる時代。武骨で地味なデザインのトイファクトリーの車は、なかなか見向きもされませんでした。

「これでダメなら廃業も考えよう」。そんな覚悟で臨んだ東京での展示会が、運命の転機となります。


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運命の出会い|猪瀬博氏の参画で経営が飛躍

25年前の東京での展示会で、藤井氏は後に会社を大きく変える人物と出会います。千葉県在住の猪瀬博氏です。

猪瀬氏は長年キャンピングカーを愛用していた経験者。様々なビルダーの車を見てきた彼の目に、トイファクトリーの車は「いらないものは一杯あるけどいるものがなかった他社と違い、必要なものがシンプルに揃っている」と映りました。その場で即決し、注文書の書き方も分からない藤井氏を驚かせました。

しかし猪瀬氏の貢献はそれだけではありませんでした。ブランドを知ってもらうには首都圏に進出した方が良いとアドバイスし、物件探しまで手伝ったのです。この首都圏出店が、知名度向上の大きな転機となりました。

そして驚くべきことに、猪瀬氏は「社員になる」と宣言。自身が営んでいた会社をやめてまで、トイファクトリーに参画したのです。

元IBM営業マンの猪瀬氏は、「良いもの作れば自動的にブランドになるわけではない。ブランドとは愛と共感だ」と語ります。愛情は作り手から湧き出てくるが、共感は顧客側から来る。その共感を作るには仕掛けが必要だと。

猪瀬氏が仕掛けたのが、シャープとの協業によるキャンピングカー用ソーラーパネルの共同開発です。さらに、沖縄の高校生とチームを組み、オーストラリアを縦断する世界最高峰のソーラーカーレースに出場。1ヶ月に渡って帯同し、マサチューセッツ工科大学の車を抜いていく快挙も達成しました。

また、猪瀬氏が藤井氏に伝えた重要なメッセージがあります。「藤井さんの考え方を変えちゃダメ。あなたが使っていてこれがいいと思うものを作り続けなさい。社長は良い車を考えてください。あとは僕たちがやるんで」。

この役割分担が、技術力とブランド力の両立を実現しました。家族経営の零細ビルダーから、社員のモチベーションが高い企業へと脱皮できたのは、猪瀬氏の参画があったからこそです。

猪瀬氏は沖縄工場の設立提案(アジアに近いという理由)や、ケニアへの渡航同行による医療巡回車の製造など、藤井氏1人では到底できなかったことを次々と実現させていきました。この運命的な出会いが、トイファクトリーの飛躍の最大の要因と言えるでしょう。


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新事業展開|水不要トイレ「クレサナ」搭載の災害対応車両

トイファクトリーは今、新たな挑戦に乗り出しています。それが、災害時にも活用できる多目的車両の開発です。

きっかけは2024年1月に発生した能登半島地震でした。被災者がトイレに困っていることを知った藤井氏は、わずか3日で専用車を開発し、被災地に入りました。

搭載されているのは、スイス企業が開発した水を使わない次世代型トイレ「クレサナ」。用を足した後、凝固剤を便器に入れると、機械が汚物の量に合わせて袋を選択し、7層のフィルムで熱圧着して完全密閉します。できあがったものは「おしめ」のような状態で、匂いも漏れず、大人の男性が引っ張っても破れないほど強力です。

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水不要トイレ「クレサナ」                                            (引用:「クレサナ公式サイト」より)

被災地では特に、ご年配の女性と小さなお子さんが「ご飯も食べたくないしトイレに行きたくない」という状況に陥っていました。トイファクトリーのトイレカーは、1ヶ月で7000サイクルも使用され、現地の方々に喜ばれました。

このニュースを聞いた全国の自治体から引き合いが増加。番組では、岐阜県御嵩町への納入事例が紹介されていました。渡部幸信町長は「マルチで使えるのが魅力。想定していないような使い方もできるかもしれない」とコメント。

この車両の最大の強みは、用途を災害時に限定していない点です。通常の移動車、オフィス、イベントブース、移動図書館、救護室など、様々な場面で用途に合わせてレイアウトを変えられます。平時でも有事でも使えるからこそ、自治体が導入を決断しやすいのです。

藤井氏は「国立公園や富士山の山頂など、設置するだけで簡単にトイレができる。これから活躍する場は増えてくる」と展望を語ります。

村上龍氏が編集後記で「トイファクトリーはそんな原始的なトイレとは無縁だ」と評したように、クレサナは従来のキャンプトイレの概念を覆す革新的な技術です。キャンピングカーで培った「快適性の追求」という DNA が、社会課題の解決にも活かされ始めているのです。


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まとめ|藤井昭文が語るキャンピングカーの本質は「家族愛」

番組の最後、村上龍氏が藤井氏に問いかけました。「キャンピングカーが象徴するものって、何なんですかね」。

藤井氏の答えは明快でした。「とにかく自由なところ。そしてキャンピングカーがあることによって人の繋がりができて、幸せ感が生まれてくる」。

村上氏が「一言で言うと『家族』だと思う」と言うと、藤井氏は深く頷きました。「家族全員で話をして、美味しいものを食べて、暑い寒いがあって、綺麗なところを見る。それがずっと思い出に残る。親の世代と子の世代でキャンピングカーを楽しんでいる顧客もいる。やっぱり『家族愛』が芽生えるんです」。

トイファクトリーの成功は、単なる製品の良さだけではありません。幼少期の体験から生まれた「本当に快適なキャンピングカーを作りたい」という藤井氏の純粋な想い。それを支えた家族と、理解者である猪瀬氏の存在。そして何より、オーナーとの深い絆を大切にする姿勢。これら全てが相まって、唯一無二のブランドが形成されたのです。

藤井氏は「今やろうとしていることは今やる。スピード感が必要。2年3年先を想像しながら次のことを生み出していくことが大事」と語ります。

キャンピングカー市場は今後も成長が期待されます。なぜなら、人々は一度経験した「自然の中で過ごす喜び」を忘れないからです。そして、その喜びをより快適に楽しみたいという欲求は、決してなくならないでしょう。

トイファクトリーは、キャンピングカーという製品を通じて、「家族の絆」「人との繋がり」「自由な旅」という、お金では買えない価値を提供し続けています。年間280組ものオーナーが集まるイベントや、次なる世界展開への挑戦など、この企業の物語はまだまだ続いていきます。

「断熱革命」から始まった小さな会社の挑戦は、今や業界全体に影響を与える存在となりました。藤井昭文という一人の男の情熱が、どこまで大きな波紋を広げていくのか。これからも目が離せません。

※ 本記事は、2025年10月9日放送(テレビ東京系)の人気番組「カンブリア宮殿」を参照しています。
※ 株式会社トイファクトリーの公式サイトはこちら
※ 高品質ウォーターレストイレ「クレサナ」の公式サイトはこちら

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