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【ブレイクスルー】黒田拓馬のGMS「寿命100年」全固体電池革命の全貌

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「次世代電池で日本は逆転できるのか?」そんな疑問を抱いている方に朗報です。2025年10月18日放送のテレビ東京系「ブレイクスルー」で紹介された黒田拓馬CEOGMS(三次元炭素素材)が、全固体電池や空気電池の実用化を加速させる可能性を秘めています。この記事では、番組内容を詳しく解説しながら、GMSがもたらす電池革命の全貌と、黒田氏の挑戦の軌跡をお伝えします。読み終えた後、あなたは日本発のイノベーションが世界を変える瞬間を目撃することになるでしょう。


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黒田拓馬CEOとGMS開発―3DCが挑む次世代電池革命

3DC株式会社の黒田拓馬CEOが開発するGMS(三次元炭素素材)が、今、世界中の電池メーカーや自動車メーカーから熱い注目を集めています。GMSの最大の特徴は、その革新的な三次元空洞構造にあります。文字通り中が空っぽの球体状炭素素材で、その厚さはなんと原子1個分。この驚異的な構造が、リチウムイオン電池の性能を飛躍的に向上させるだけでなく、全固体電池や空気電池といった次世代電池の実用化を大きく前進させる可能性を秘めているのです。

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3DCの黒田拓馬CEO                            (引用:「ブレイクスルー」より)

黒田CEOが掲げる目標は「寿命100年の電池」。従来の充電池が抱える3つの課題―発火リスク、充電能力の低下、充電時間の長さ―を同時に解決する素材として、GMSは開発されました。現在、日系自動車メーカー複数社に加え、韓国の自動車メーカーからも全固体電池向けの依頼が殺到しているといいます。

中国や韓国製の安価な電池に市場を席巻されている日本メーカーにとって、GMSは逆転のカギとなる可能性があります。黒田CEOは番組内で「今の電池がまだ完成形ではない。10倍長持ちで10倍早く充電できる電池を作れれば、高い値段で売れる市場が必ず出てくる」と語り、日本メーカーの逆転の可能性を強調しました。


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GMSとは?三次元炭素素材が実現する3つの革新技術

GMS(Graphene MesoSponge:グラフェンメソスポンジ)は、その名の通り「グラフェン(炭素原子が網目状につながった素材)」と「メソスポンジ(中規模の空孔を持つスポンジ構造)」を組み合わせた三次元炭素素材です。3DCという社名も、三次元(3 Dimension)の「3D」と炭素(Carbon)の「C」を組み合わせたもので、まさにこの新素材の特性を表しています。番組で初公開された製造プロセスは、まさに独創的なものでした。

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GMSの立体模型                           (引用:「ブレイクスルー」より)

製造工程は以下の通りです。まず、酸化マグネシウムというセラミックの一種を型として使用します。この型に熱したメタンガスを吹き付けることで、型の周りに炭素を付着させます。その後、特殊な溶剤で酸化マグネシウムだけを溶かし出すことで、中が空洞の炭素球体が完成するのです。最終工程として、1800℃の高温で焼き固めることで炭素同士の結合を強化します。

この独自製法により生まれたGMSには、3つの革新的な特性があります。

第一に、驚異的な柔軟性です。充電池は充放電を繰り返すと内部で膨張が発生し、これが発火の原因となります。GMSはクッションのように膨張を吸収し、変形を防ぐことで、発火リスクを大幅に低減します。

第二に、酸化抑制効果です。電池内部の酸化は充電能力の低下を招きますが、GMSはこの酸化を抑制することで、電池の長寿命化を実現します。

第三に、高出力急速充電の実現です。三次元構造により電子の通り道が最適化され、従来よりも高速での充電が可能になります。

さらに驚くべきは、その軽さです。GMSは水の100倍も軽く、番組で紹介されたサンプルは1gにも満たない量でした。また、-100℃の極低温でも柔軟性を保ち、400〜500℃の高温環境でも壊れないという耐久性も備えています。


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全固体電池・空気電池への応用―日本メーカー逆転の切り札

GMSの真価が最も発揮されるのが、次世代電池への応用です。現在、世界中の自動車メーカーが開発を急いでいる全固体電池において、GMSは重要な役割を果たします。

全固体電池は、電池内部の液体を特殊な固体に置き換えることで、現行のリチウムイオン電池よりも高性能で安全性の高い電池として期待されています。しかし、全固体電池にも課題があります。充放電時に固体材料が膨張・収縮し、固体と固体が離れてしまったり、圧力が高まりすぎたりする問題です。

ここでGMSが緩衝材(バッファー)として機能します。柔軟性のあるGMSが膨張を吸収することで、固体同士の接触を維持し、安定した充放電を可能にするのです。黒田CEOは「全固体電池でも我々の材料が必須になる」と自信を示しました。

また、筑波市内の国の研究施設では、リチウム空気電池へのGMS応用研究も進んでいます。空気電池は酸素を使って充放電を行うため、プラス極を金属から酸素に置き換えることができ、極めて軽量化が可能です。筑波市内の国の研究施設(物質・材料研究機構)で研究する松田翔一さん(電気化学スマートラボチーム)によれば、GMSを使用することで「現行のリチウムイオン電池の2倍から5倍のエネルギー密度が実現可能」とのこと。電気自動車やドローンへの応用が特に期待されています。

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物質・材料研究機構 電気化学スマートラボチームの松田翔一さん                     (引用:「ブレイクスルー」より)

 

番組では複数の日系自動車メーカーと韓国メーカーから全固体電池向けの依頼が来ていることが明かされました。中国・韓国勢に押されている日本の電池産業にとって、GMSは反撃の切り札となる可能性を秘めているのです。


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黒田拓馬の経歴―ベンチャーキャピタルから起業家へ転身

黒田拓馬CEOの経歴は、極めてユニークです。京都大学大学院で材料研究を専攻した後、大手化学メーカーに入社。スマートフォンなどに使われる液晶ディスプレイ用材料の開発に従事していました。研究者として順調なキャリアを歩んでいた黒田氏が、29歳で選んだのは、なんとベンチャーキャピタルへの転職でした。

この決断の背景には、「全く新しいことをゼロから作って事業化していくことが日本全体で求められている」という強い問題意識がありました。しかし、ベンチャーキャピタルは通常、金融バックグラウンドの人材が活躍する世界。黒田氏は「技術を最初に目利きし、育てる段階では技術者の力が絶対必要」と考え、技術者でありながらベンチャーキャピタリストという異色の道を選んだのです。

番組内で相場英雄氏から「銀行や証券会社出身者とは観点が違う」と指摘されると、黒田CEOは「一見正しそうなことが本質的に正しいのか、どこに壁があるのかを技術者目線で見極めることが重要」と応じました。

ベンチャーキャピタリストとして全国を飛び回る中で出会ったのが、東北大学の西原洋知教授が開発していたGMSでした。その軽さ、柔軟性、そして充電池という巨大市場への応用可能性を見抜いた黒田氏は、共同研究に参加。そして2022年、ベンチャーキャピタルを退職し、西原教授とともに3DCを起業したのです。

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東北大学の西原洋知教授                         (引用:「ブレイクスルー」より)

起業時、黒田氏には2人目の子どもが生まれたばかりでした。奥様からは「私が一番嫌いなのは起業家だ」と言われたものの、起業自体は止められなかったといいます。相場氏から「怖くなかったか」と問われた黒田CEOは「今も日々ヒリヒリした環境で事業を作っている」と率直に語りました。


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西原洋知教授との出会い―温泉で生まれた発明と量産への挑戦

GMSの生みの親である東北大学の西原洋知教授。その開発ストーリーは、まさに「コロンブスの卵」的発想の転換から始まりました。

産業界から「耐久性があるのにエネルギーをたくさんためられる新しいカーボンを作ってほしい」という相反する2つの要求を受けた西原教授。化学構造の観点から様々な可能性を頭の中で巡らせていたある日、お気に入りの温泉に浸かっている時に「これだ」とひらめいたといいます。そこから驚くほど早いスピードで研究が進み、約1年弱で合成に成功しました。

しかし、画期的な素材が完成しても、商用化への道は険しいものでした。GMSの製造方法は空洞を作るという手間のかかるプロセスであり、大規模な設備投資が必要です。多くの大手企業と共同研究を行ったものの、採算性の見込みが立たないとして、量産に踏み切る企業は現れませんでした。

そこに現れたのが黒田氏でした。西原教授は黒田CEOについて「非常にタフな経営者。何度もピンチが訪れたが、毎回異次元の力を発揮して、ベストなソリューションを与えるチームを編成し、速やかに問題を解決する」と高く評価しています。

黒田CEOが量産化を自ら手掛けることにこだわったのには理由があります。「炭素材料のような大規模製造が必要な素材を大企業にライセンスすると、途中で製造を諦めるタイミングが来る可能性がある。スタートアップが最もリスクの高いところを取ることで、世の中に出していく必要がある」という信念です。

現在、3DCは2025年7月から量産工場のテスト生産を開始しており、大型装置で一度に40g程度のGMSを製造できる体制を構築しました。そして2026年には年間15トンの量産体制を整える予定です。現在、企業や研究機関からの依頼を受けて7種類のGMSを開発・製造しており、様々な用途での研究開発が進んでいます。


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水素・宇宙まで広がる可能性―「わくわく」が駆動する未来

GMSの応用範囲は、電池だけにとどまりません。実は、GMSは元々燃料電池という水素系の用途から生まれた素材でした。水素を製造する段階と、水素から電気を取り出す段階の両方で使用できる可能性があり、水素製造コストの削減にも貢献できるといいます。

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3DCの黒田拓馬CEO                        (引用:「ブレイクスルー」より)

さらに驚くべきは、宇宙用途への展開です。水の100倍も軽く、-100℃の極低温から400〜500℃の高温まで柔軟性を保って壊れない特性は、過酷な宇宙環境に最適です。黒田CEOは「宇宙用途にも非常に可能性がある」と夢を語りました。

番組の中で、黒田CEOが何度も語ったのが「わくわく」という言葉です。最後に相場氏から「ブレイクスルーとは何か」と問われた黒田CEOは、こう答えました。

「自分が心からわくわくできること。大変だけどわくわくできることを、すごく信頼できるチームと一緒に作り上げて、世界がちょっとだけ幸福になる。リスクを取ったからこそ、これだけ欲張りなチャレンジができている。社会にも貢献できて自分がわくわくできることが、ブレイクスルーの本質だと思います」

そして、起業家としての使命感についても語りました。「子供が生まれて一番思ったのは、この素晴らしい日本社会を残すために、今チャレンジする必要があるということ。成功事例が生まれないと、挑戦できる環境自体がなくなってしまう。今の世代の起業家は成功する義務がある」

失われた30年と言われ、日本発のイノベーションが生まれにくくなっている現状。そんな中で、黒田CEOの挑戦は単なるビジネスを超えた、日本の未来を切り開く試みなのです。


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まとめ

黒田拓馬CEOが率いる3DCのGMSは、単なる新素材開発にとどまらず、日本の産業競争力を取り戻す可能性を秘めたプロジェクトです。リチウムイオン電池の性能向上から、全固体電池や空気電池といった次世代電池の実用化加速、さらには水素や宇宙産業への展開まで、その応用範囲は広大です。

大手化学メーカー研究者からベンチャーキャピタリストへ、そして起業家へという異色の経歴を持つ黒田CEOと、温泉でひらめいた西原洋知教授。二人の出会いが生んだGMSは、2026年の本格量産開始を控え、世界中から注目を集めています。

中国・韓国勢に押されている日本の電池産業にとって、GMSは逆転の切り札となるかもしれません。そして何より、「わくわく」を原動力に、社会貢献とビジネス成功の両立を目指す黒田CEOの姿勢は、日本の起業家たちに大きな希望を与えています。

2025年10月18日放送の「ブレイクスルー」が映し出したのは、技術革新と不屈の精神で未来を切り開く、まさに開拓者の姿でした。GMSがもたらす電池革命から、これからも目が離せません。

 

※ 本記事は、2025年10月18日放送(テレビ東京系)の人気番組「ブレイクスルー」を参照しています。
※ 前回放送(2025年10月11日)の内容はこちらへ。
※ 株式会社3DC (3DC Inc.)の公式サイトはこちら

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