2025年11月2日放送のTBS系「がっちりマンデー!!」で紹介された、ホストクラブ専門の撤収会社「キャットフィーリング」が話題です。年商わずか250万円から1億円へと急成長した斉藤静夫社長の撤収ビジネスには、どんな秘密があるのでしょうか?この記事では、サービス内容や値段、驚きのグラス拭き技術まで、番組では語り切れなかった詳細をお届けします。
キャットフィーリングとは?がっちりマンデーで話題のホストクラブ撤収会社
株式会社キャットフィーリングは、東京・新宿の歌舞伎町を拠点とする、ホストクラブ専門の撤収・お片付け会社です。斉藤静夫社長が個人で始めた事業で、創業当時の年間売上はわずか250万円でしたが、右肩上がりの成長を続け、2024年には年商約1億円を達成しました。
この驚異的な成長の背景には、ホストクラブ業界が抱える深刻な課題があります。営業終了後の店内は、グラスや空き缶が大量に残り、酒がこぼれたテーブルや床の掃除も必要です。本来であれば若手ホストが担当するこの作業ですが、彼ら自身も接客でかなりの量のお酒を飲んでおり、酔っぱらった状態での片付けは非常に困難でした。
番組に登場したホスト歴7年のらすく様さんは「新人の頃は営業後に食器洗いから何から全部やっていた。3日に1回ぐらいは喧嘩するんですよ」と当時の大変さを振り返っています。うっかりグラスを割ってしまったり、作業が全く捗らないといった問題が日常的に発生していたのです。
現在、歌舞伎町には約250店のホストクラブがありますが、そのうち40店舗以上がキャットフィーリングのサービスを利用しています。これは実に16%以上のシェアを占める計算で、歌舞伎町のホストクラブ業界において、キャットフィーリングは今や欠かせない存在となっています。
サービス内容と値段を詳しく解説!作業内容は?
キャットフィーリングの撤収サービスは、1回あたり8,800円から18,700円(150席まで)という明確な料金設定が特徴です。この値段は店舗の広さや客席数によって変動しますが、コストパフォーマンスの高さが多くの店舗から支持される理由の一つとなっています。
具体的な作業内容は以下の通りです。
・食器洗浄 ・店内床掃除 ・トイレ/シンク簡易清掃 ・洗面台/鏡拭き ・客席テーブル拭き
番組で紹介された現場では、9名のスタッフが朝8時から作業を開始。全80卓のテーブルに残された大量のグラスや空き缶を、わずか20分で撤収完了させていました。その後もテーブル拭き、トイレ掃除、床の掃除機かけと同時進行で進め、合計約2時間で店内を完璧にきれいにしてしまいます。
TOP DANDYの統括支配人である椎葉隼人さんは、このサービスを導入したことで「離職率も減りましたし、売上も伸びました。1、2割は増えたんじゃないですかね」と具体的な効果を語っています。月間の売上が仮に500万円だとすれば、50万〜100万円の増収効果があったということになります。
一見すると1回8,800円という料金は高く感じるかもしれませんが、若手ホストの離職防止や売上アップ効果を考えれば、むしろ非常に安い投資だと言えるでしょう。これこそが「撤収」という一見地味なビジネスが、実は大きな付加価値を生み出している証拠なのです。
なぜホストクラブで撤収サービスが必要?離職率減少と売上アップの理由
ホストクラブにおける撤収サービスの必要性は、単なる「楽をしたい」という理由ではありません。実は業界の構造的な問題を解決する、極めて合理的なソリューションなのです。
まず、若手ホストの離職問題があります。華やかなホストの仕事ですが、新人時代は営業後の過酷な片付け作業が待っています。しかも酔った状態での作業は危険も伴い、グラスを割ったり、スタッフ間で喧嘩になったりすることも珍しくありませんでした。こうした下積み時代の辛さに耐えられず、才能ある若手が辞めてしまうケースが多発していたのです。
キャットフィーリングのサービス導入後、椎葉支配人によれば離職率が明確に減少しました。若手ホストは片付けの負担から解放され、接客スキルの向上や売上アップに集中できるようになったのです。
さらに注目すべきは、売上が1〜2割増加したという事実です。これには複数の要因が考えられます。第一に、ホストたちが体力的・精神的な余裕を持てるようになり、接客の質が向上したこと。第二に、営業終了後すぐに片付けから解放されることで、翌日のコンディションが良くなり、パフォーマンスが上がったこと。第三に、職場環境の改善によってスタッフ間の人間関係が良好になり、チームワークが向上したことなどです。
つまり、キャットフィーリングの撤収サービスは、単なる「代行業」ではなく、ホストクラブの経営を根本から改善する「経営コンサルティング」としての側面も持っているのです。これは、がっちりマンデーで経営コンサルタントの坂口孝則さんが「撤収の時間自体がコストの塊。このコストをいかに縮めるか、かつ回転率を良くすると次の仕事、次の仕事って早くできる」と語っていた通りです。
グラス拭き技術がすごい!高橋オラパンさんの5秒の技
キャットフィーリングの撤収作業の中で、最も難易度が高く、かつ重要なのがグラスの拭き上げです。1店舗あたり300個以上のグラスを処理する必要があり、ただ洗うだけでなく、拭き上げまで完璧に行わなければなりません。
番組では、ダイニングバーでのバイト経験があるAD塚本さんが10個のグラスを拭くチャレンジをしましたが、水の拭き残しがあり、プロのレベルには到底及びませんでした。
そこで登場したのが、入社5年目でグラス拭きのエースと呼ばれる高橋オラパンさんです。彼女の技術は圧巻で、なんと1個のグラスをわずか5秒で完璧に拭き上げてしまいます。しかも拭き残しは一切なく、ピカピカの仕上がりです。
この驚異的なスピードと精度の秘密は、毎日3,000個ものグラスを拭き続けてきた経験にあります。単純計算すると、1年間で約100万個以上のグラスを拭いてきたことになります。まさに「継続は力なり」を体現した職人技と言えるでしょう。
斉藤社長も「拭き上げがやはり一番重要です」と語っており、この技術こそがキャットフィーリングの競争力の源泉となっています。ホストクラブでは見た目の美しさが非常に重要で、グラスに水滴が残っていたり、くもっていたりすると、お客様の満足度に直結します。
実は、この「グラス拭き」という一見単純な作業に、プロフェッショナルとしての誇りと技術が凝縮されているのです。キャットフィーリングが40店舗以上から信頼されているのは、こうした細部へのこだわりがあるからこそだと言えるでしょう。
斉藤静夫社長の経歴と年商250万円から1億円への成長
斉藤静夫社長がキャットフィーリングを創業した当初、年間売上はわずか250万円でした。個人事業からスタートし、地道にホストクラブの撤収サービスを提供し続けた結果、右肩上がりの成長を実現。2024年には年商約1億円を達成し、約40倍もの規模に成長しました。
この急成長の背景には、斉藤社長の鋭いビジネス眼があります。多くの人が見過ごしていた「ホストクラブの片付け問題」という課題に着目し、専門的なサービスとして確立したのです。一般的な清掃業者ではなく、ホストクラブという特殊な業態に特化することで、業界のニーズを深く理解し、最適なサービスを提供できる体制を構築しました。
番組の中で加藤浩次さんが「すごいとこに目つけたね」と感心していましたが、まさにその通りです。ブルーオーシャン戦略とでも言うべきこのビジネスモデルは、競合が少なく、かつ需要が確実に存在する市場を見事に開拓したと言えます。
また、斉藤社長のマネジメント力も注目に値します。高橋オラパンさんのような優秀なスタッフを育成し、5秒でグラスを拭けるレベルにまで技術を高めています。人材育成に力を入れることで、サービスの質を維持・向上させ、顧客満足度を高めているのです。
現在の課題は人材確保です。居酒屋やキャバクラなど、ホストクラブ以外からも多数の依頼が来ているものの、「残念ながらそちらの方まで手が出せない状況」と斉藤社長は語っています。人材確保が整えば、さらなる市場拡大が見込めるでしょう。
ホストクラブ以外での展開は?居酒屋やキャバクラへの可能性
番組の中で加藤浩次さんが「ホストクラブ以外で、例えば居酒屋とかキャバクラとかそういうので広げてくっていうおつもりはあるんですか?」と質問したのに対し、斉藤社長は非常に興味深い回答をしています。
「実は今ご依頼たくさん頂いてます。ただ、残念ながらそちらの方まで手が出せないという状況ですので、人、人材確保が整えばどんどん広げていきたいなと思います」
この発言から分かるのは、キャットフィーリングのビジネスモデルが、ホストクラブだけでなく、飲食業界全体に応用可能だということです。居酒屋、キャバクラ、バー、ラウンジなど、深夜営業する飲食店は数多く存在し、どの店舗も営業後の片付けに苦労しています。
特に人手不足が深刻化している現在の飲食業界において、専門的な撤収サービスのニーズは極めて高いと考えられます。ホストクラブで実証された「離職率の減少」「売上アップ」という効果は、他の業態でも同様に期待できるでしょう。
ただし、加藤浩次さんが指摘した通り「本当に機械化できない」という点が、このビジネスの課題でもあり、強みでもあります。グラス拭きをはじめとする細かな作業は、まだまだ人の手が必要です。だからこそ、高橋オラパンさんのような熟練スタッフの育成が、事業拡大の鍵を握っているのです。
今後、キャットフィーリングが飲食業界全体に事業を拡大できれば、年商1億円から10億円、さらにはそれ以上の規模に成長する可能性も十分にあります。「撤収」という地味に見えるビジネスが、実は巨大なポテンシャルを秘めていることを、斉藤社長は証明しつつあるのです。
まとめ
2025年11月2日放送の「がっちりマンデー!!」で紹介されたキャットフィーリングは、年商250万円から1億円へと40倍の成長を遂げた、ホストクラブ専門の撤収会社です。斉藤静夫社長が見出したビジネスチャンスは、若手ホストの離職問題という業界の課題を解決するものでした。
1回8,800円から18,700円という明確な料金設定で、食器洗浄から床掃除、グラス拭きまで約2時間で完璧に仕上げるサービスは、歌舞伎町の40店舗以上から支持されています。特に入社5年目の高橋オラパンさんによる5秒のグラス拭き技術は、毎日3,000個を拭き続けた職人技の結晶です。
サービス導入後、ホストクラブでは離職率が減少し、売上が1〜2割増加するという具体的な効果が出ています。これは単なる代行業ではなく、経営改善につながる価値あるサービスだと言えるでしょう。
現在、居酒屋やキャバクラなど他業態からも多数の依頼が来ており、人材確保が進めばさらなる事業拡大が期待されます。「撤収」という目立たないビジネスに大きな可能性を見出した斉藤社長の慧眼と、それを支えるスタッフの技術力が、今後の飲食業界に新しい風を吹き込むかもしれません。
※ 本記事は、2025年11月2日放送(TBS系)の人気番組「がっちりマンデー!!」を参照しています。
※ 株式会社キャットフィーリングの公式サイトはこちら






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