埼玉県の河川敷でアオサギの捕獲がありました。ベトナム人技能実習生の2名がパチンコ玉を使ってアオサギを撃ち、さばいて食べていたとして逮捕されました。違法行為である一方、食文化の違いがその背景にあると指摘されています。野生動物をめぐる価値観の相違への対応が課題でしょう。
アオサギをパチンコで撃って捕獲
ドー・ヴァン・フーン容疑者とチャン・クアン・アイン容疑者のベトナム人技能実習生2名は、2023年12月3日午前8時30分ごろ、埼玉県三郷市の河川敷でアオサギの捕獲を試みました。2人は河川敷を自転車で走行しながらアオサギを探索。やがて1羽のアオサギを発見すると、所持していたパチンコの玉を複数発射して捕獲。容疑者のスマートフォンからはこのときのアオサギの写真が見つかっています。
ベトナム人2人が逮捕される
捜査当局によると、近隣住民の目撃情報や捜査の結果、12月12日に2人への逮捕状が取りまとめられました。現場付近では8月にも同様の野鳥の捕獲者が目撃されていることから、警察は常習性を指摘。パチンコ玉などの捕獲道具が押収され、2人の自宅やスマートフォンの解析が行われています。
捕獲したアオサギをさばいて食べる
調べに対し、ドー容疑者とチャン容疑者は「パチンコ玉を使って鳥を撃つのが楽しかった。」と供述。アオサギへの食欲の動機について依然見解の相違があるもようです。日本の法律上ではアオサギは捕獲が禁止されている保護動物であり、鳥獣保護法違反(無許可捕獲)となる一方、ベトナムでは食用とされるなど地域による食文化の違いが存在することがうかがえます。
違法行為だが食文化の違いもあるのか
こうした食を巡る風習の相違からは、過去にもヌートリアなどをめぐる騒動が発生しています。外国人労働者に対する法律認識の徹底不足が指摘される一方、個人の食の自由をも否定できないジレンマが生じているとされています。野生動物の保護と外国人コミュニティの文化的習慣の間でバランスをどう取るかが課題です。
今後の対応が課題
鳥獣保護管理法は国内希少種の保存を目的とした法律ですが、グローバル化が進む現代では思わぬ食文化の軋轢が起き得ます。技能実習制度など外国人材の受入を推進する以上、法制度の理解促進と食育の徹底が不可欠であり、今回のケースも教訓とすべき事案といえるでしょう。
コメント