宝石やジュエリーはずっとダイヤモンドが主流でしたが、近年は色石と呼ばれる色付きの宝石が脚光を浴びています。しかし、品質の良い色石は希少で手に入りづらくなっています。そんな中、会社「貴瞬(きしゅん)」は、日本国内に眠るバブル期の色石を掘り起こし、ジュエリーリフォームすることで急成長を遂げました。本記事では、「がっちりマンデー!」(2024年3月31日放送-TBS系)で紹介された貴瞬の色石ビジネスの詳細と、自宅の隠れた色石の宝の掘り出し方をご紹介します。タンスの奥に埋もれた色石の宝を発掘し、思わぬ大金を手にするチャンスがあるかもしれません。
貴瞬が手掛ける色石ビジネス”ジュエリーリフォーム”とは?
かつて宝石はダイヤモンドが主流でしたが、近年では色石と呼ばれる色のついた石が人気を集めています。代表的な色石にはルビー、サファイヤ、エメラルドなどがあり、海外ではこうした色石がジュエリーの主役として高い評価を受けています。
ところが色石の供給は限られており、鉱山でほとんど採れなくなってきました。そこで注目されているのが、日本国内に眠っていた色石を掘り起こし、リフォームしてジュエリーに生まれ変わらせるビジネスです。その分野で急成長を遂げているのが、台東区御徒町に本社を置く「貴瞬」です。
辻瞬社長が語る色石リフォームで成長した”貴瞬”の概要
「貴瞬」の辻瞬社長はこのビジネスモデルについて、「バブル期に大量に輸入された宝石が日本中のタンスの中に眠っています。私たちはそれらを質屋やリサイクルショップから買い取り、ジュエリーとしてリフォームして海外に売っています」と説明します。
創業から8年余りの同社ですが、2024年春の時点で年商207億円、今期は300億円を超える見込みとのこと。右肩下がりが続く国内ジュエリー業界の中で、同社の色石リフォームビジネスの躍進ぶりは目を見張るものがあります。
ジャパンプレシャス編集長・深澤裕氏が解説する色石リフォームの市場動向
「JAPAN PRECIOUS(ジャパンプレシャス)」の統括編集長を務める深澤裕氏は、こうした色石リフォームビジネスの勢いを次のように解説しています。
「ルビーやサファイア、エメラルドといった色石は、本当は高価な石でした。しかし、値段がつけづらかったり本物か偽物かよくわからなかったりして、みんな捨ててしまっていました。実際、金魚鉢の水槽に色石を入れていた家庭もあったほどです」
しかし最近になって、色石全般の価格が上昇基調に。深澤氏は「昔手放されていた色石が、今や大変な価値があるかもしれません」と評価を改めています。
色石リフォームブランド”貴瞬”の仕入れ・加工・販売の実際
買い取った色石は、まず同社の鑑定機関で徹底した鑑別を受けます。真贋はもちろん、石の産地、透明度、光の屈折率など、さまざまな角度から調査されます。
その後は社内の工房で、傷や欠けを手作業で丁寧に削り取ります。1個の色石を仕上げるだけでも、3時間を要する手間のかかる作業なのだとか。
こうして質が確認され、キレイに生まれ変わった色石は、社内のバイヤーとの取引や、展示会の即売会などで海外へと売り渡されていきます。
バイヤーとの取引現場から見る”貴瞬”の売上の秘密
同社がインド人バイヤーのクマール・サンジェイさんと取引する様子を垣間見ると、貴重な実力の一端が分かります。
クマールさんに対し、貴瞬の社員がボルダーオパールやルビーの指輪など、大粒の宝石を次々と提示し適正価格を示すと、クマールさんは「9万5000円?」と安値と感心する様子。最終的には170万円のルビーネックレスまでを購入します。
1時間で30個もの宝石を現金一括で購入するクマールさんの買い惜しみない素振りと、緻密な価格提示を貫く貴瞬社員の手腕が垣間見え、こうした取り組みが同社の高い売上につながっていることがうかがえます。
国際宝飾展での”貴瞬”の即売会の凄まじい売上ぶり
バイヤー向けの取引だけでなく、一般消費者に直接販売する即売会でも、同社の圧倒的な売れ行きが確認できました。
2024年1月の国際宝飾展東京会場では、開場と同時に客が殺到。当日の売上高は数億円に達したと言われています。中国などの外国人バイヤーや個人客が、ひしめき合う売り場の熱気に圧倒されます。
まとめ:タンスに貯まった色石を”貴瞬”に売ってリフォーム
このように業界の成長企業”貴瞬”が、質の高い色石を発掘し、リフォームして海外に送り出すビジネスを展開していることが分かりました。
ジュエリー業界全体が低迷する中、同社がこれほど急成長を遂げられたのは、バブル期に蓄積された眠れる宝石を掘り起こし、付加価値をつけたことが大きな要因と思われます。
実は我々の周りにも、母や祖母が大切に保管していた色石が眠っているかもしれません。せっかくなら、まずは”貴瞬”に査定を依頼してみる価値は十分にありそうです。
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