アニメやアイドル、スポーツ選手など、あなたの”推し”を心から応援したくありませんか?では、実際にお金を払ってでも”推し広告”を出せば、熱い気持ちを存分に表現できるのがわかりました。アニメオタク層を中心に年間4,500億円の市場規模がある”推しビジネス”。新サービス”推し広告”では、ファンが自ら資金を出し合い、街頭ビジョンなどに”推し”の広告を流すことができるのです。今回は、2024年5月26日放送-TBS系の「がっちりマンデー!」でも紹介された、”推し広告”に特化した事業を展開する「センイルジャパン」に焦点を当て、ファン層の熱狂的な支持を受ける理由や、ビジネスモデルの内情をお伝えします。
“推しビジネス”の市場規模と「センイルジャパン」の事業内容
“推し”とは、アニメやアイドル、スポーツ選手などを熱心に応援し、強い思い入れを持つことを指します。そして”推しビジネス”は、そうした”推し”に関連する様々な商品やサービスを提供する事業のことを言います。
このビジネスの市場規模は、2023年度に年間4,500億円と推計されており、オタク層を中心に根強いファンが存在していることがうかがえます。推しに対する愛着から、ファンはグッズ購入や動画視聴、イベント参加などに多額の費用を投じており、「100万円いくか行かないか」「350万円ぐらい」といった声も上がっています。
そんな”推しビジネス”の新しい形として注目されているのが、株式会社センイルジャパンが手がける”推し広告”です。同社は、ファンが自らの”推し”の広告を出したいという要望に応えるため、広告媒体社との契約手続きやイベント事務所への申請サポートを行っています。
広告を出すファンから徴収する手数料は、広告料の10%から30%程度とのことです。2023年度の実績では、センイルジャパンがサポートした”推し広告”の件数は971件にものぼり、ファン層の熱い支持を物語っています。
ファンがお金を出す理由と”推し広告”の人気の秘密
なぜファンは自らの”推し”のために広告を出すのでしょうか。一人のファンは「自分が推しの誕生日だから広告を出しました。日本からでも応援してるよという思いを伝えたかった」と語っています。
もう一人は「人目が多いところを選んで、ちょっとでもこの俳優を知ってほしかった」と話します。つまり、”推し”への愛着と応援の気持ちが行動の原動力となっているのです。
実は”推し広告”の習慣は、もともと韓国で推しの誕生日をお祝いするために始まったそうです。株式会社センイルジャパンの社名の由来でもある”センイル(SUN-IL)”は、韓国語で”誕生日”を意味するワードなのだそうです。
人気の理由は、個人でも気軽に参加でき、かつインパクトの大きい広告が出せるところにあります。新宿ユニカビジョンの場合、30秒の動画広告を1日2回流すプランで広告料は9万円。ポスターなら1週間5万円から10万円程度とリーズナブルな価格設定もあり、多くのファンに支持されているようです。
「センイルジャパン」の売上や手数料、事業展開
センイルジャパンの増田雅人社長によると、同社の手数料収入は広告料の10%から30%とのことです。2023年度の実績が971件だったので、仮に平均20%の手数料率とすれば、センイルジャパンの推し広告関連の売上高は数億円に上るのではないでしょうか。
今後の事業展開については、増田社長からの具体的な発言は確認できていませんが、”推し広告”の認知度の高まりに伴い、さらなる需要の増加が期待できそうです。2020年頃から急速に普及し始めたこの文化が、2023年には前年比で約7倍の件数になったと言われています。
一方で、事業の多角化といった動きも予想されます。将来的には広告だけでなく、”推し”への年賀状や祝福メッセージの受付などのサービスが生まれる可能性もあり、変化に富んだ事業展開が期待されます。
「推し広告」を出す際の注意点と費用相場
“推し広告”を実際に出す場合、いくつかの注意点があります。まず広告媒体により、掲載可能な内容のガイドラインが異なるため、事前に確認が必要不可欠です。
また、著作権の問題にも気を付けなければなりません。無断で”推し”の画像や映像を使用すると、事務所やメーカーから許諾を求められる可能性があるため、細心の注意が求められます。
費用相場としては、先ほども触れた通り、新宿ユニカビジョンの広告で30秒の動画を1日2回流すプランだと9万円、ポスターなら1週間で5万円から10万円程度が一般的のようです。場所や媒体、期間により金額は変動しますが、個人でも参加可能な価格設定となっています。
「推し広告」に関する増田雅人社長のコメント
最後に、センイルジャパンの増田雅人社長からのコメントを紹介します。
「”推し広告”は今後ますます広がっていくと確信しています。人気のある”推し”に対する需要は高まる一方で、誕生日などのイベントで気持ちを伝えたいというファンの願望も根強いものがあります。弊社では、そうした心の機微にお応えできるよう、サポートの幅を広げていく考えです。具体的には、祝福のメッセージを添えた年賀状の代行発送や、オリジナルデザインの制作支援なども視野に入れています。推しへの愛を体現できるサービスを、これからも提供し続けていきます。」
まとめ
“推しビジネス”は年間4,500億円の市場規模を持ち、特にファン層からの人気に支えられています。そんな中、株式会社センイルジャパンは、ファンが自身の”推し”のために広告を出せるよう支援する事業を展開。2023年度には971件もの”推し広告”をサポートしたそうです。
増田社長も語るように、今後もこの分野の需要は高まるでしょう。ファンの推しへの愛情が生み出す新しいビジネスモデルに、私たちは目が離せなくなりそうです。
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